完璧王子と恋するわたし
作者:メーダー@
いつだって、
わたしの先には
君がいたの。
でも、君の先には
わたしじゃない違う誰かが
いたんだね。
・・*+∴・・・*+∵・・・#+∴・・・#*+∵
わたし、
十文字ヒナノです。
片想い歴10ヵ月。
わたしが恋してるのは
八神リョウスケ。
4月にクラスが一緒になって、
最初の隣の席だった人。
見た目クールなのに、
面白くてかっこよくて。
それに頭までいい。
所属してるバドミントン部では
エースらしい。
いわゆる完璧王子。
わたしはクールなのに
たまに見せる笑顔とか、
昼休みのサッカーとか。
見てるうちにどんどん
『好き』が積もってたの。
でも、王子には
好きな人がいたみたい。
それはわたしの心友だった。
稲垣クルミ。
わたしなんかに比べて
かわいくて、頭が良くて。
王子とお似合いだなぁ。って
何回見ても思う。
でも、これからおこる物語は
想像もしてなかった
想定外のお話。
・・*+∴・・・*+・・・*+∵・・・*∴
4月。
ガヤガヤ、ザワザワ。
今日から3年生。
真新しく思えたあの制服も
いまでは何だかさびしく思える。
クルミ「ヒナノおはよう!
ねぇねぇ、クラス替え表
一緒に見よう!」
ヒナノ「おはよ!
またクルミと一緒がいいなぁ」
?「あっ、ひなくる
おはよ~う!」
そう。
わたしとクルミは、みんなからも
『ひなくる』って呼ばれるくらい
仲がいいんです。
クルミ「あっ! ヒナノ!
今年も一緒だよ!」
ヒナノ「本当だぁ! 6組だね」
さっそくクラスに向かう。
席に座ると。
?「はい。これ落とした」
ヒナノ「あっ、ありがとうございます」
?「ふぅー!
りょうすけ、イケメーン!」
男子がやけに騒ぐ。
?「ただ拾ってあげただけだろ」
ヒナノ「何かごめんなさい・・・」
?「なんであやまんの。笑
いいって」
ドキッ。
イテテテ。胸が痛い。
朝、変なものでも
食べたかな。
違う。きっとこれは、
―――――――『恋』だ。
・・*+∴・・・*+・・・*+∵・・・*∴
7月。
わたしは王子のことを
『八神』って呼んでる。
あれからすごく
仲よくなったの。
いまは、移動教室中。
だから席は隣。
リョウスケ「なあ、十文字」
王子もわたしのことを
名字で呼ぶ。
ヒナノ「なに?」
リョウスケ「稲垣って
好きなやつとかいるの?」
えっ。まさか。
ヒナノ「クルミのこと、好きなの?」
リョウスケ「あっ、いや、その・・・」
王子の顔が赤い。
そっか。
わたしは
勘違いしてたんだ。
いっぱいしゃべってもらえるからって
浮かれて。
わたし、バカみたい。
ヒナノ「あっ、ごめん、
わかんないや・・・」
無理だ。
気もちの整理がつかない。
わたしは席を立った。
リョウスケ「十文字!?」
ごめん、王子。
わたし、考えられないよ。
・・*+∴・・・*+・・・*+∵・・・*∴
9月、運動会。
あれから、王子とは
普通にしゃべってる。
何事もなかったかのように。
だって。
しゃべれなくなるのは嫌だし、
わたしの想いが叶わないなら
せめて王子の想いは。
王子の視線の先には
クルミがいる。
リョウスケ「いけー! 稲垣!」
いいなぁ。クルミ。
あんな風に応援してもらって。
運動会は終わった。
先生「十文字。これ、
倉庫まで運んどいてくれ」
ヒナノ「わかりました」
体育館の裏をぬけると
聞き覚えのある声がした。
リョウスケ「稲垣、おれ、
稲垣・・・じゃなくて
クルミのことが好きなんだ。
つきあってください」
うそでしょ。
もうだめだ。
溜めこんでた何かが
目からあふれでた。
太陽に反射してまぶしい。
バタッ。
やばい。
落としちゃった。
逃げなきゃ。
なんとか逃げきったけど、
悲しい。
わかっていたことなのに、
改めて思うとやっぱり悲しい。
・・*+∴・・・*+・・・*+∵・・・*∴
2月。
朝早くの登校は寒い。
あっ。王子のノート。
そういえば昨日探してたな。
クルミが拾ったってことにして
渡してもらおう。
ヒナノ「クルミ! おはよう。
これさ、八神の教科書なんだけどさ、
クルミが拾ったってことで
渡してくれない?」
クルミ「あ、うん、いいけど?」
2人はつきあってるのかな。
つきあってるよね。
わからないなぁ。
そんなこと、聞けない。
・*。・ 王子side ・。*・
?「あの、おれさ、
ヒナノのこと好きなんだ」
ん? 十文字?
告白されてる?
あれは確か
十文字の幼なじみの岬。
なんか胸が痛いし。
俺、病気か?
いや、違うか。
ヒナノ「あっ、ごめん私・・・」
ミサキ「知ってる。ヒナノ、
リョウスケのこと好きだろ」
ヒナノ「・・・ごめん」
え? うそだろ。
俺を・・・?
十文字が・・・
俺、まさかいつの間にか。
クルミ「リョウスケ。これ」
リョウスケ「ありがとう、
これ、俺さがしてたやつ」
クルミ「ヒナノが拾ってくれたんだよ。
リョウスケ気づいてないと思うけど
ヒナノ、多分協力してくれてるんだと思う」
リョウスケ「え?」
クルミ「自分の気もちを押し潰してでも
リョウスケに幸せになってほしいって
思ってるんだと思う。
だからこうやってノートも」
クルミ「ねぇ、リョウスケ。
リョウスケの頭の中には誰がいる?」
リョウスケ「・・・ヒナノ」
クルミ「やっと気づいた。
ヒナノなら屋上にいるよ」
リョウスケ「あぁ、ありがとな。クルミ」
・*。・ ヒナノside ・。*・
はぁー
ガチャっ!
ヒナノ「八神・・・どうして」
わたし、こんな気もち、
もうぶつけたい。
リョウスケ・ヒナノ「俺」「私」
リョウスケ・ヒナノ「ヒナノが」「リョウスケが」
リョウスケ・ヒナノ「「好き」」
2人の気もちが重なった。
これから2人の甘酸っぱく、
切ない恋が始まる。
*END*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
十文字 陽菜

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