図書室に出るおばけ

CAST深尾 あむ深尾 あむ

作者:穂佳

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.11.10

こ、こんにちは。
私、深尾あむです。
ニコ中の1年生です。





昨日ニコ中に
転校してきました。





「こんにちは、
深尾あむです。
よろしくお願いします」





パチパチパチパチ





私、元々人見知りだったから
あんまり友達がいなくて・・・





でも私、
読書が好きなんです。











*。・ 図書室 ・。*





私怖い話が好きで。





あ、この本面白そう。





ガラガラガラ





あむ「わ!」





?「あ、ごめん、
おどかすつもりは
無かったんだ。
最近この図書室に
おばけが出るって噂があって
人が来るなんて珍しいな~と思って。
君は怖いの平気なの?」





あむ「私は怖いの平気なので。
あ、あの、お名前は?」





?「俺?
俺は2年の小原唯斗。
君は?」





あむ「私は深尾あむです」





唯斗「よろしく」





あむ「よろしくお願いします」





それから私たちは
たびたび図書室で
会うようになった。













*。・ 図書室 ・。*





本を読んでいたとき。





唯斗「わ!」





あむ「キャッ」





唯斗「笑笑」





あむ「もービックリする
じゃないですか!」





唯斗「ごめんごめん、
その本めっちゃ怖いよね」





あむ「知ってますか?」





唯斗「うん」





私はまだ知らなかった。





今、図書室の外に
おばけがいるということを。





?「チッ」













*。・ 教室 ・。*





友達「あむちゃん、
先輩が呼んでるよ。
なんかあった?」





あむ「先輩?」





教室の外には
先輩が3人いた。





この学校の美女
3人組だ。





真ん中に立っているのは
学校のマドンナ
野崎奈菜さん、





後ろに
広瀬まのかさんと
北川花音さん。





あむ「な、なんですか?」





奈菜「何って、
あんた唯斗くんと
仲良くなろうとしてるでしょ」





あむ「そんなことは」





まのか「は?
ほぼ毎日図書室に
行ってるじゃないの!」





花音「どうせ唯斗くんと
しゃべりたいからでしょ」





あむ「・・・」





奈菜「もう唯斗くんに
近づかないでよね」





奈菜「近づいたらどうなるか
わかってるよね?」





先輩達は
去っていった。





私は椅子に座る。





友達「大丈夫?」





あむ「え? うん」





友達「うちの先輩達怖いから
気を付けた方がいいよ」





それから私は
図書室に
行かなくなりました。





先輩達が怖くて。













*。・ ある日の朝 ・。*





学校の門を通った。





?「深尾!」





あむ「小原先輩」





唯斗「最近図書室
来てねーからさ。
どうしたの?」





あむ「ちょっと
勉強が忙しくて」





私はごまかした。





あの美女3人組が
怖いなんて言えない。





唯斗「そっか。
あ、これ俺が最近読んで
面白いと思ったやつ。
良かったら勉強の合間にでも
読んでよ」





あむ「ありがとうございます」





唯斗「じゃ!」





その時私は
気づいた。





私は小原先輩が
好きなんだと。





「自分の気持ちに
素直になろう」





そう思い
私は図書室まで走った。





先輩に貸してもらった
本を持って。













*。・ 図書室の中 ・。*





図書室の中には
誰1人いなかった。





あむ「・・・」





その時





ガラガラガラ





あむ「誰?」





奈菜「あんたここで
何やってんの?」





あむ「べ、別に。
何も」





奈菜「何もないわけないだろ!」





小原先輩に貸してもらった本が
奈菜先輩に奪われた。





奈菜「何この本、
ダッサ!」





先輩の本が
投げられた。





あむ「あ!」





私は本を取りに
行こうとした。





すると
奈菜先輩に胸ぐらを
掴まれた。





奈菜「いいか?
お前なんかと唯斗くんが
つりあうわけないだろ?
2度と唯斗くんに近づくな」





ガラガラガラ





あむ「!」





唯斗「何やってんの?
あとこの本
俺のなんだけど」





奈菜「あ、ごめんね。
知らなくて」





唯斗「最近図書室に
バリ怖いおばけが出るって噂、
もしかして君たち?」





奈菜「もう行こ」





唯斗「あと、今度したら
俺が絶対許さないから」





美女3人組は
走り去っていった。





唯斗「大丈夫だった?」





あむ「はい、
すいません」





唯斗「謝らなくていいよ」





唯斗「怖かったね」





先輩のその言葉と同時に
私の頭をポンポンしてくれた。





唯斗「あ! そうだ!
深尾に見せたいものが
あるんだけど」





あむ「見せたいもの?」





唯斗「これなんだけど」





あむ「キラーオブデッド・・・?」





唯斗「縦じゃなくて
横なんだけど」





あむ「横?」





横に読んでみると





そこには





「キみがスき」





本の題名の
頭文字で書かれていた。





私は小原先輩の顔を見た。





唯斗「これが俺の今の気持ち」





唯斗「どうかな?
俺と付き合ってくれない?」





あむ「はいっ!」





どうやらこの図書室に
出るのは





おばけではなく
恋の神様のようです。







*end*

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