嫌いなことでも

CAST十文字陽菜

作者：りねん

2025.06.05

こんにちは
十文字ヒナノです！

雨が嫌いな
中学３年生です！

天気予報は毎日かかさず
見てます。

雨の予報が出ると
テンションダウン・・・↓↓

雨が嫌いな理由は、

・匂い　雨の匂いってちょっと苦手！

・体育　外の体育ができないから！
　体育大好きなんだ。

・靴下登校中に靴下が
　びしょ濡れになる！

・雷雷は怖い！
　音と光が・・・

この３つ！

そして、もうすぐ、
あの季節が・・・

梅雨という、天敵。

毎日のように雨が降る、
この季節。

さーいーあーくー！

ヒナノ「あーあっ！」

？「十文字さん？
どしたの？」

いまのは、
北島岬くん。

私が住んでいる
マンションの
隣の家の人。

ヒナノ「なんでもないよ！」

岬「そ！　じゃあ急ごう」

北島さんとは、
一緒に登校してるの！

交差点で私は友達のリリカと、
北島さんは松瀬ダイジくんと
待ち合わせしてるんだ！

リリカ「ヒナノ！
おそいよ！」

ダイジ「岬～！
ずいぶん待ったんだけど！」

岬「ちがうんだって！
十文字さんが寝坊してさ」

ヒナノ「は～？　ちがいます！
北島さんが遅かったんだよ」

岬「違うわ！
十文字さんだし」

ヒナノ「ちがーう！
北島さん！」

ダイジ「もうどうでもいい。
遅れるぞ、学校」

リリカ「よーし！
レッツゴー！
ヒナノ！　はやく～」

皆でダッシュ！

すると・・・・・

ポツポツポツポツ。

ヒナノ「あ、雨・・・」

私は、ブルっと
身震いした。

やっぱり、
梅雨が来たか。

リリカ「急ごう」

ザーザーザーザー

＋．．　＋．．　＋．．　＋．．　＋

授業中。

窓際の席の私は、
雨が気になって仕方ない。

うわあ、どんどん
水たまりができてく・・・！

バケツひっくり返したような
雨ってこんな感じかなあ・・・？

先生「十文字！　十文字！
じゅーもんーじー！
聞いてんのか～？」

ヒナノ「ハイッ！
すみません！」

怒られちゃった・・・！

より雨が
嫌いになったよ。

＋．．　＋．．　＋．．　＋．．　＋

放課後。

ヒナノ「リリカ！　はやく帰ろう」

リリカ「うん！　あ！
ダイジー！　北島ー！」

ダイジ「え！
お前らもいまから帰るの？
一緒に帰ろーぜ」

岬「宿題大量だから
早歩きなっ！」

バチャッ！

ダイジ「おい、岬！
水たまり踏むな！」

皆「あはははは！」

こうして楽しく
帰っていたとき。

リリカ「ねえ、あれって、
ミクちゃんじゃない？」

ヒナノ「ん？
・・・あ！　ホントだ」

ミクちゃんは、
同じ部活の後輩なんだ！

今年入ってきたんだけど、
すごくかわいいんだ～！

茶色のマンションの下で
うずくまってる・・・

ヒナノ「あんなところで、
何してるんだろう・・・？」

リリカ「声かけてみよう。
ミクちゃーーん！」

ミク「え・・・？
あ、ヒナノ先輩、リリカ先輩！
・・・と、えーと」

岬「北島岬と、
松瀬ダイジです」

リリカ「ミクちゃん、
なにしてたの？」

ミク「あ。家の鍵、なくしちゃって。
今日お母さん残業あるから
遅くなるのに、どうしよう・・・」

ミクちゃんが、
泣きそうになってる。

あ。髪も、服もびしょ濡れだ。

雨の中ずっと探してたんだ・・・！

ヒナノ「よし、私たちも探そう！」

岬「うん！
みんなで探せば
早く見つかるよ」

ということで、捜索開始！

ん～！
どこにあるかな～！

ミクちゃんによると、
貝殻のキーホルダーが
ついてるらしい。

学校への道を歩いたり、
草むらを探したり、
いろんな場所を探した・・・

だけど、見つからない。

そのとき。

ピカッ

ヒナノ「あ、雷・・・」

うそでしょ。

なんで、こんなときに・・・

怖いよ・・・・！

岬「十文字さん？　だいじょうぶ？」

ヒナノ「北島さん・・・
あのね、私、雷苦手なの」

岬「知ってるよ」

ヒナノ「え・・・！
リリカから聞いたの？」

岬「ううん。
ずっと、十文字さんのこと
見てたから。
ずっと好きだったんだ。
こんなときでごめん」

え・・・・

北島さんが、私のことを・・・！

どうしよう、うれしい・・・

ううん。

いまは、ミクちゃんの鍵を
探さなきゃ！

ヒナノ「ありがとう。
でもいまは、鍵を探そう」

岬「・・・わかった」

ガサゴソ、てくてく・・・

キラン！

あれ、こんなところに、
貝殻・・・

あ、そういえば、
ミクちゃんの鍵には・・・

ヒナノ「あああああ！
あったよーーーー！」

ミク「あ！　私の鍵です！
みなさん、本当に
ありがとうございます！」

リリカ「ヒナノ、やったね！」

ヒナノ「うん」

＋．．　＋．．　＋．．　＋．．　＋

ヒナノと岬のマンションで。

岬「十文字さん、さすがだな！」

ヒナノ「えへへー！
ありがとう！」

・・・あ。

さっきの返事、
しなくちゃ。

ヒナノ「あのさ、北島さん。
さっきの、返事、なんだけど。
私も北島さんのことが
好き、です・・・！」

岬「・・・！」

―終わり―