幸せの香り

CAST中瀬梨里

作者：まなまな

2025.05.28

リリ「ナツー！
こっちこっち!!」

ナツ「いた！
じゃ、帰ろっか」

リリ「うん！」

私たちの約束の場所は
いつも桜の木の下なの。

私、中瀬リリ！

幼馴染で、
家も近いナツと
仲がいいの！

恋愛関係では
ないはずなのに・・・

・＊。・　学校　・。＊・

リリ「おはよー！　ナツ」

ナツ「おは～」

いつもと変わらない朝。

ナツ「なぁ、シャーペン貸して」

リリ「え～、また忘れたの～？
ナツ、またシャーペン忘れてる」

いつもと変わらない、授業中。

またいつもと変わらない、帰り道。

・＊。・　桜の木の下　・。＊・

リリ「んー、ナツ遅いなー」

ナツ「ごめん！　遅れた～」

リリ「遅すぎ！
何してんの～」

ナツ「まぁ、いいじゃん！
帰ろうぜ！」

やっぱり
いつもと変わらない
帰り道のはずだった。

ナツ「ちょっと寄り道しない？」

リリ「いいけど・・・」

連れてこられたのは、
近くの浜辺。

海の香りが鼻に抜ける。

何かドキドキする。

ナツ「あのさ。俺らって・・・」

リリ「俺らって？」

ナツ「幼馴染以上の関係に
なれないのかな」

リリ「？」

私は、考えた。

幼馴染以上の関係って？

結論が出る前にナツは、

ナツ「恋人同士になれないのかな」

リリ「な、なれるよ！
私は、なりたいな」

ギュッ。

ナツ「よろしくな、俺の彼女」

リリ「よろしくね、私の彼氏」

ナツ「じゃあ、帰ろっか」

リリ「そうだね」

私は、あの海の香りを
絶対に忘れることができない。

一番幸せな香りだから。

～ｅｎｄ～