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運命の黒い糸

CAST中瀬 梨里中瀬 梨里

作者:梅¥

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.10.11

私、リリには
あるものが見える。





他の人には見えないもの。





要は、超能力が
使えるのである。





私に見えるものは、糸。





運命の友の糸。





運命の恋の糸。





運命の宿敵の糸。





どんな人とも私たちは
糸で結ばれている。





それが幸運で
なかったとしても。





今まで私に
見えていたのは、





黄色とか緑とか、
よくわからない糸ばかり。





でも、私、
見えてしまったんだ。





クラスメートの超絶イケメン、
さわやかな西ユアンと私が、





赤い糸で
結ばれているのを・・・!





「やっぱり運命の人は赤い糸だよね。
私と西君は、運命の糸で
繋がれてるのかなあ?」





親友のワカナに話すと。





「そうに決まってんじゃん!
よかったねえ、あんなイケメンと。
北島君とかと赤い糸で結ばれてたら
終わってない?」





ミーハーで明るい彼女は、
情報にも敏感だ。





「北島君? なんで?」





「だってー、あの人
数学オタクじゃん!
普通になんか気味悪いし」





前髪はいつも目にかかり、
メガネもしているので
表情はよく見えないが、
気味が悪いというのはわかる。





「まあね。でも、
頭いいのうらやましいなあ」





なんて言ったら、
彼女は信じられないという風に
目を瞬いた。





「うそぉ、リリ、あーゆーの好み?
リリせっかくかわいいんだから
やめといたほうがいいって」





「ち、違うよ!」





私だって彼のことは
そんなに好きじゃない。





他の女子も彼を嫌っている。





ちなみに私と彼は
黒い糸で結ばれているのだ。





おそらく、永遠に分かり合えない
という意味だろう。





北島君と赤い糸が結ばれていたら、
と考えると寒気がした。





「ワカナ、私、西君に
告ろうと思うんだけど・・・」





そう切り出すと
ワカナは目を輝かせた。





「そうしなよ!
リリの赤い糸は間違いないもーん」





そう背中を押されたこともあり、
思い切って告白することにしたのだが・・・

「なんかー、リリちゃんとは
合わないってかー」





ダルそうに彼は言う。





「告白してくれてうれしいよ。
だけどちょっとごめん、無理。
そもそも赤い糸が見えたとか
話してんの引くし」





そう、ついつい私は
話してしまったのだ。





私たちは赤い糸で結ばれている、
だからつきあおうって。





「ってことで」





彼は軽く手を振ると、
ふらふらと帰っていった。





「おねーちゃんっ!
うわあーん」





私と同じ超能力を持つ姉、
ヒヨリにすべてを相談する。





「赤い糸って、うそだったの・・・?」





私がつぶやくと、
お姉ちゃんは大爆笑した。





「何言ってんの、リリ。
あのねえ、赤い糸は
一生か関わらない方がいい人。
黒い糸が運命の人だよ」





私は固まった。





黒い糸って、えええっ!
北島君じゃん!





「何? もう見えてんの?」





お姉ちゃんが
からかうように言った。













*...・・・*...・・・*





次の日。





私は難しい数学の問題と
にらめっこしていた。





ショックで頭が回らないし、
もともと数学はニガテだ。





「だいじょうぶ? 教えようか」





そう話しかけてきたのは・・・
北島ミサキだった。





やっぱり、私と彼は
運命の黒い糸で結ばれている。





私は、笑ってうなずいた。





「うん、お願い!」







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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