にじ

CAST中瀬梨里

作者：kate

2025.02.01

初めまして。
中瀬リリです。

いま私のとなりには、
めちゃくちゃイケメンが
すわっている。

昨日まで、私のとなりには
誰もすわっていなかった。

でも今日の朝、きゅうに先生が
『転校生を紹介します』とか
言いはじめて、

その人がすごいイケメンで、
しかもうちのとなりの席で・・・

なんて、朝からミラクルが
いっぱいあった。

たしか、転校生の名前は
今井ハルトって
言ってた気がする。

ハルト「名前、なんていうの？」

急にくる!?

「・・・えっと、中瀬リリです」

ハルト「リリちゃんって言うんだ。
カワイイ名前だね」

うおー。
初対面の人を名前で呼ぶ。

この人はすごいフレンドリー
なんだなって考えてたら、
あっという間に１日が過ぎた。

＊・・・＊・・・＊・・・＊

・・・次の日

私はどんどんハルト君と
仲良くなっていった。

日直の仕事を一緒にしたり、
中休みにおしゃべりしたりして、
楽しかった。

だから、私は気がつかなかった。

まわりの女子から
きつい目で見られてたって
いうことを。

＊・・・＊・・・＊・・・＊

・・・そして、

女子Ａ「あのさ、少し席が
となりになったからって、
調子のってんじゃねーよ！」

女子Ｂ「そうだよ！
あんたみたいな地味子ちゃんより、
うちらみたいな
カワイイ子ちゃんのほうが
ハルト君に好かれるに
決まってるっつーの」

ひそかにハルト君ファンクラブが
作られていたみたいで、

そのエースみたいな人たちが
焼きもちをやいて
うちに当たってきた。

その日は重い気もちのまま、
１日が終わった。

＊・・・＊・・・＊・・・＊

・・・次の日

落ちつかない気もちが
ずっと続いたので、
次の日は朝早く学校にいった。

ため息をついたりしていると・・・

女子Ａ「あのさ、
今日からハルト君と
かかわらないでくれる？
うざいから」

えっ？

ガヤガヤ、ガヤガヤ

女子Ａ「うっ、うっ、」

女子Ｂ「ちょっと！
どうしたの？」

女子Ａ「リリがね、
うち何もしてないのに、
うちのこと
たたいてきたんだよ」

女子Ｂ「うわっ？　なにそれ！
サイテー。あやまりなよ！」

私は何もしてないのに。

くやしくて、下を向いた。

？「ひとりの子を
大人数でいじめて
何が楽しいの？」

女子Ａ「あっ！　ハルト君！
あのね、リリがいじめてくるの」

ハルト「いじめてくるのは
そっちじゃない？
弱い子をいじめて何が楽しいのか、
俺にはわかんない」

そう言って、ハルト君は
私の方へきた。

ハルト「これからは、
俺がリリちゃんを
守ってあげるから」

そう言って、ハルト君は
私の手を引っぱって
走りだした。

リリ「？　っちょっと！
ハルト君、どこ行くの？」

階段をのぼって、
屋上についた。

ハルト「初めて会ったときから、
リリちゃんが好きでした。
つきあってください」

リリ「私も好きでした。
よろしくお願いします！」

そして、ハルト君は
私を抱きしめた。

空にはくっきりと
にじが出ていた。

＊ＥＮＤ＊