失恋中で恋愛中
作者:ナツメっぴ。
みなさんおはようございます。
榎本ルミです。
突然ですが、失恋しました。
(昨日、突然)
それは、体育の授業が
終わった時のこと。
― 昨日 ―
このボールも
片付けないと・・・・
あ! 先輩だ!
先輩とは、私が一途に
片思いしていた方のことです。
ここで思い切って、
話しかけてみよう・・・
あれ?
「お待たせ~!
寒かったでしょ?」
先「全然大丈夫。
さ、行こうか!」
・・・彼女・・・・
そっか。
先輩彼女いたんだ・・・・・
まぁ、仕方ないよな・・・・
こうして、私の恋は
あっけなく
終わってしまいました。
ミオコ「榎本ルミ!!」
はっ!! な、なに?
ルミ「ミオコちゃん!!
どうしたの?」
ミオコちゃんとは、
私の心友です。
かなりのアネゴ肌。
ミオコ「どうしたのじゃないでしょ?
さっきからボーっとして・・・・
また失恋したこと考えてたん」
ルミ「わわっ!
ミオコちゃん声大きい!!!」
ミオコ「図星ね・・・ったく、
今はそんなこと考えてても
仕方ないわよ」
ルミ「うん・・・・
そうだね。・・・・」
・・・あれ?
これは一体・・・・
これってもしかして・・・
・・・・!
ミオコ「ラブレターね」
ルミ「うそ・・・!」
ミオコ「なんて書いてあるの?」
―――――――――――――
朝、屋上に来てください。
待ってます。
―――――――――――――
ルミ「でも名前書いてないし、
ラブレターと決まったわけじゃ・・・・」
ミオコ「なに言ってるの?
そんなこと考えてる暇があるなら、
早く屋上に行ってきなさい」
ルミ「う、うん・・・
じゃあ行ってくるね」
― 屋上 ―
はぁ、はぁ・・・・
ミオコちゃんに
押されてきたけど・・・
どこ?
・・・・・あ!
あの子かな?
ルミ「あの・・・
榎本ルミですけど・・・」
リョウ「えっと、
君と同じクラスの
黒澤リョウです。
知ってるよね?」
ルミ「は、はい!
で、ご用件は・・・?」
リョウ「好きです。
付き合ってください」
や、やっぱり告白だったんだ・・・
で、今まで忘れてたけど・・・
返事どうしよう!!
ここはいきなりだから
断るべきなのか・・・
でも、私が見てる分には
黒澤くんって
男子からも女子からも人気があって
そんなに悪い人じゃなさそう・・・
でもまた
失恋しちゃったらあなぁ・・・・
あぁどうしよう!
ルミ「えっと・・・・
1週間だけ
考えさせてください」
リョウ「うん。分かった」
― 教室 ―
あぁ~・・・
緊張した・・・
ミオコ「ルミ!! どうだった?」
ルミ「あ、えっと・・・
告白された・・・・」
ミオコ「なんていったの?」
ルミ「・・・1週間
考えさせてくださいって言ったよ」
ミオコ「なるほどね。
ま、1週間で考えきれるかが
不安かもしれないけど・・・」
その通り・・・
ミオコ「新しくこういうことを
始めるのもいいんじゃない?」
ルミ「・・・・うん!」
― 放課後 ―
ミオコ「じゃあね、ルミ」
ルミ「うん、また明日!」
― 中庭 ―
よし、水やりも終わったし、
餌もあげたし・・・
そろそろ帰るか・・・
リョウ「榎本ー!!」
この声って、まさか・・・
黒澤くん?
リョウ「さ、一緒に帰ろう」
ルミ「黒澤くん!!
残ってたんだ・・・」
リョウ「夜危ないから・・・
一緒に帰ったほうがいいと思って」
ルミ「・・・アハハハ・・・・・」
リョウ「え? どうしたの?」
本当に私のこと
思ってくれてるんだな・・・
ルミ「ううん、何でもない。行こ!」
。....。....。....。
ルミ「本当にありがとう。
わざわざ家まで」
リョウ「ううん。じゃあな」
ルミ「また明日!」
今日は、疲れたけど・・・
嬉しかった。
― 翌日 ―
ルミ「おはよう、黒澤くん」
リョウ「おう、おはよう」
ルミ「昨日は本当にありがとね」
リョウ「うん・・・・あのさ・・・・」
ルミ「どうしたの?」
リョウ「これからも・・・・
一緒に帰ってもいい?」
照れてる・・・
かわいい(笑)
ルミ「うん、これからも
ボディガードよろしくね」
リョウ「おう!」
なんだ、
このままいけば、
心配なさそう。
ミオコ「なにニヤけてるの?
まさか黒澤のこと考えてたn」
ルミ「ミオコちゃん声大きいってば!」
。....。....。....。
――こんなことが起きながら、4日が過ぎた。――――
先「はーい、席についてー。
では、授業を始めるまえに、
今日は、転校生が来ている。
入りなさい」
転校生?
ガラガラガラガラ・・・
「今日から、
このクラスの生徒になりました、
吉岡ユナです。
よろしくお願いします」
リョウ「・・・ユナ!!!!?????」
ユナ「あ、リョウちゃん!!
久しぶり~!」
え? え? え~!!??
なにがどうなってるの?
先「なんだお前ら、
知り合いなのか?」
ユナ「あ、そうで・・・」
リョウ「違います」
どうなってるの?
― 放課後 ―
リョウ「朝はごめん。
なんかいろいろ・・・」
ルミ「なんで謝るの?
黒澤くんは全然悪くないんだから。
でも、吉岡さんと知り合いなの?」
リョウ「あぁ・・・アイツ、
俺の幼馴染み」
そうなんだ・・・
ユナ「リョウちゃ~ん!
一緒に帰ろ?」
リョウ「ユナ。悪いけど、
俺は榎本と帰るから」
ユナ「あ、どうも。
吉岡ユナです」
ルミ「あ、榎本ルミです。
でも、1人だと可哀想だし、
一緒に帰ろうよ」
リョウ「いいのか? 悪いな」
ユナ「ありがとう!」
でも、あんまり
悪い子じゃなさそうだし・・・
大丈夫だよね・・・
でも、このときの私は
まだ何も知りませんでした。
まさかあんなことが
起きるなんて・・・
― 翌日 ―
ユナ「リョウちゃん! おはよう」
― 休み時間 ―
ユナ「リョウちゃん、
教科書貸して」
― お昼 ―
ユナ「リョウちゃん、
一緒にお弁当食べよ?」
確かに1人だと
可哀想だと言った。
言ったんだけど・・・
私の立場が・・・・
ミオコ「なんかあの子、
すごいアタックしてるわね」
ルミ「うん・・・・」
ミオコ「・・・・やっぱり、
嫉妬してるのね」
ルミ「え?」
ミオコ「黒澤が他の女の子と
楽しくしているのを見ると、
モヤモヤするんでしょ?
それって、ルミのなかで
黒澤の存在がどんどん
大きくなっているってことなの。
自分の気持ちに正直になってみたら?」
そ、そうだよ!
私だって、黒澤くんと
一緒にいたいもん!
よし!!
― 屋上 ―
か、黒澤くんだ!!
吉岡さんもいる!!
ひとまず隠れよう。
ユナ「リョウちゃん、どうしたの?」
リョウ「俺さ・・・この前、
榎本に告白したんだ」
ユナ「・・・・え・・・・・・・?」
リョウ「でさ、1週間だけ
考えさせてって言われたんだ」
ユナ「な、なんで
榎本さんのこと
好きになったの?」
リョウ「それは・・・」
― 2週間前 ―
ミオコ「ルミはさー、
なんでそんなに
植物とか動物を大事にするの?」
ルミ「なんか上手く言えないんだけど・・・
これも、1つの小さな命なんだって思ったら、
大事に育てたいって思ったの」
―――――――――――――
―――――――――
―――――
リョウ「その心の綺麗な榎本に
心を奪われた。それだけだよ」
ユナ「リョウちゃん・・・・」
そうだったんだ・・・
ちゃんと見てて
くれてたんだ・・・
― 放課後 ―
そろそろ
水やりしないと・・・
ユナ「榎本さん、
ちょっと来て」
なんだろう?
― 中庭 ―
ユナ「ウチ、
リョウちゃんのことが好きなの。
昔から・・・」
ルミ「そう・・・
だったんだ・・・」
ユナ「で、今日リョウちゃんから、
聞いたの。
リョウちゃんが、榎本さんに
告白したって」
ルミ「・・・・」
ユナ「ウチは、ずっと
リョウちゃんのこと思い続けてきた。
リョウちゃんと付き合えるなら
なんだってする。
榎本さん、はっきり言うけど、
榎本さんはリョウちゃんと
つりあわない」
うっ!!
ダメージが強い・・・
リョウ「いい加減にしろ、ユナ」
黒澤くん・・・!!
ユナ「リョウちゃん・・・・!!」
リョウ「つりあうとか
つり合わないとかじゃなくて、
俺が選んだ人だから」
ユナ「・・・リョウちゃんのバカ!!」
ルミ「あ、待って!!」
― 教室 ―
ユナ「・・・・」
ルミ「吉岡さん・・・」
ユナ「良かったね、榎本さん・・・
リョウちゃんが好きになった相手なんだから、
きっと・・・大丈夫・・・
昔から好きだなんておかしいよね・・・」
ルミ「泣かないで・・・私ね、
片思いしていた先輩がいたの。
でね、失恋したんだ」
ユナ「・・・え?」
ルミ「確かに、
失恋した時は辛かったし、
泣きそうになったし、
誰にも言いたくないって思ったけど、
吉岡さんなら言えるって思ったの。
吉岡さんはすごいと思う。
1人の人をずっと思い続けるっていうのは
すごいことだから、
めげずにこれからもがんばってね」
ユナ「・・・あ、ありがとう」
――そうして、告白されてから
1週間がすぎた。―――――――
私の心は決まった。
ルミ「黒澤くん、ちょっと来て」
リョウ「お、おう」
― 屋上 ―
リョウ「で、どうする?
付き合う? 付き合わない?」
ルミ「付きあ・・・う!!
これからもよろしくね」
こうして、私達は
付き合うことになった。
失恋中の恋愛中も悪くないね!!
―END―
*ニコ学名作リバイバル*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。
榎本 月海
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