中性

CAST榎本 月海榎本 月海

作者:こはる

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2022.05.04

「このワンピ可愛い~!
オソロで買おうよ!」





クラスの中心人物の
優華が言う。





「いいねー」





みんなは
賛成のようだ。





でも私は・・・





「ね!
月海も買おうよ!」





「私は大丈夫だよ。
こういうの私は
似合わないし・・・」





「えーいいじゃん!
買お!」





だめだ、
断れきれない。





「やっぱり
買ってみようかな」





買いたくもないもの
なんで
買ってるんだろ・・・





自分に嫌気が
差してきた。













・*。・ 帰り道 ・。*・





「あ! あきと!
部活帰り?」





「おう、月海!
そーめっちゃ疲れたー。
月海は?」





「私は友達と
買い物に行ってたの」





「・・・なんかあったら
言えよな!
また明日な!」





私の気持ちを見抜いた
彼の笑顔が眩しかった。





『ピコンッ』





「ん?」





優華からの
メッセージだった。





『今日買ったワンピの
写真送ってー!』





かかっている
ワンピースを見る。





黒をベースとし、
フリルで
女の子らしい
甘さがある。





骨っぽい体格で
背の高い私。





スカートは
必然的に
似合わない。





なんで優華たちの
グループに
入ったんだっけ・・・





そうだ、
1人だった私に
話しかけてくれたんだ。





でも、
もううんざりだ。





私は私のままで
いたい。





サクッサクッ。





軽快なリズムが
部屋に響く。





「あきと!!
スラックスと
ネクタイの
予備貸して!!」





「え・・・?
月海か・・・?
いーじゃん。
すげー似合ってる」













・*。・ 翌朝 ・。*・





「ねえ、
あの子誰?」





「めっちゃ
かっこいいんだけどー!」





周りの声が
耳に響く。





教室に入る。





優華たちが
「おはよう」と
声をかけようとするも
言葉が止まった。





「え?
月海・・・?」





「そうだよ」





彼女たちに
何と言われるのか、
怖くてたまらなかった。





でも私は
自分の意志のままに
したことを
後悔はしていない。





だから・・・





「ぷっ」





聞き慣れた笑い声が
聞こえた。





「あはは!
なにそれ!?
うけるんだけどwww
男装してる自分
かっこいいとでも
思ってるの??」





正直前よりは
強くなったと
自分でも思う。





「思ってないよ。
私はただ
こういう格好のが
好きなだけ。
人の好きなもの
否定するより
いいと思うけど?」





「ねえあれ
やばくない?」





「人のこと
否定するのは
ちょっと・・・」





それから
優華たちは
人が変わったように
大人しくなった。





それから私は・・・





「あきと!
こっちだって!」





「ごめんごめん」





あれから僕たちは
よく一緒に
遊ぶようになった。





だって自分のこと
理解してくれる人と
一緒にいたいものじゃん?





だからこれからは
男の子として
あきとのとなりで
生きていく。







*end*

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