恋の叶う呪文?!

CAST林 美央子林 美央子

作者:りんりん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.07.29

「ん・・・・・・っ、へ?!」





っこ、ここは・・・?





っは、林ミオコですぅぅ~・・・!





な、なんか今、
昼寝をしてたはずなんだけど・・・





起きたらっ、
し、知らない部屋にいて・・・!





・・・てか、
ここほんとにどこ??





見覚えが・・・な・・・い。





・・・いや、
ちょっと待ってここ・・・





行ったことあるような
ないような・・・





机の上に置いてあるノートを
そっと裏返すと・・・





*natu*





「・・・?!」





な、なななな、
ナツって書いてある~~~!!!





っこ、ここ・・・





ナツの部屋だ・・・!





私の幼なじみ・・・
好きな人、
それが、ナツ。





え、どうしよう。





ずっとここに居るわけには
いかないしっ!





そのまま出るにしても
普通にバレるしっ!





え、てかこれ、
まずまず夢じゃない?!





夢だよね?





そうだよね?





そう思って
頬をつねると・・・





「い、痛ぁ!」





で、でもっ!





夢以外にないんだからっ!





現実でこんなこと
有り得ないっ!





ガチャ───。





あ・・・





あ~・・・





来ちゃったじゃん。





もー、どうすんのよミオコ。





ナツが・・・
来ちゃったじゃん!!!!!













・*・*・*・*・*・*・*・*・





はぁ、
勉強もはかどらない。





ミオコのことを考えると、
ほんと、何もできなくなる。





12時30分。





俺、ナツは、
机に突っ伏していた。





今まで恋なんか
したことなかった。





恋がなんなのかさえ
知らなかった。





──── 一昨日・・・
未央子に恋をした。





ニコッと笑った時の
ミオコの顔が、
頭から離れない。





ずっとそばにいたのに・・・
なんで気づけなかったんだろう。





“好き”ってことに。





ミオコは・・・今、
好きな人がいるらしい。





早いうちに
失恋しておいた方が
良かったのに。





俺が、気づくのが遅いから。





今すぐにでも、
ミオコに会いたい。





会って、告白がしたい。





あ・・・
ふと、思い出したことがあった。





恋のおまじない。





昔、ばあちゃんから
教えてもらった、
恋のおまじない。





紙に好きな人と
自分の名前を書いてから、
二つに折って外に投げると、
恋の神様がちょっとした
手伝いをしてくれるっていう・・・





いかにもデタラメっぽい、
すごく簡単なおまじない。





今まで・・・
信じたこともなかった。





ただ、今は・・・





俺は、ノートの端を
小さく切って、
そこに書いた。





・・・俺の、大好きな人と、
自分の名前を。





ほんとに少しの
手伝いでいい。





今、ミオコと会えれば
それでいいから・・・





俺は、二つに折った
小さな紙を、
外に投げた。





しばらく
窓の外を見ていたが、
母さんの声で我に返る。





「・・・あほくさ」





さっき、母さんが
呼んでたっけ・・・





俺は、部屋を出た。





この後、
何が起こるかも知らずに・・・













・*。・*~*~*~*~*・。*・





うあぁぁぁぁぁっ!





どっ、どしよぉぉ~っ!





めっ、目の前に
ナツがいるぅぅぅ!





信じられないみたいな顔で、
こっちを見てるぅぅぅ!





「えっとね、なんか
気づいたらここにいて~、
あっ、寝てたんだ、
そうそう、あのっ、私
寝てたんだけどっ!
起きたらここにいてっ、
あのっ、私でも
よくわかんないんだけどっ、
とにかくっ、え~と、
あのぉ~・・・そのぉ~・・・
っえ、っと・・・!」





絶対に意味がわからないだろう
説明をして、
息詰まった時だった。





ナツの、声が響いたのは。





「好きだ」





・・・???????????





っ、へ?





えっと、
それはつまり・・・
どういう・・・
い、み・・・?





「付き合ってください」





っ、だあっ!





っそ、それってつまりっ!
いいんだよね。
そういう意味だよね?





私・・・
興奮しちゃっていいよね?!





「っは、はいぃぃぃ!!!」





「え?」





ナツが、まるで
意味わかんないみたいに
きょとんとしている。





あ、急・・・すぎたかなっ。





「えっと・・・
付き合って、ください」





改めて言うと、
ナツはますます顔を傾ける。





「え・・・何言ってんの?
好きな人・・・いんでしょ?」





ナツの言葉に
そんなこと言ったっけと
考え始める。





「あ~! あの時の!
もう! ナツに
決まってんじゃんかっ!」





口にした瞬間、
恥ずかしくなって、
視線を下げる。





・・・というか、
ここに来れて
案外良かったのかもしれない。





こうして、ナツと
分かり合うことができたから。





その時の私は
まだ知らない。





ここに来れたことが、
ナツの・・・





恋の神様の
おかげだったってことに。







*end*

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