あの星が輝いた日僕らは最初の恋をした

CAST星名ハルハ

作者：うらら

2025.10.18

あ、高校１年生のハルハです。

小さい頃に、治らない重症の
病気にかかった。

親にも捨てられた。

それで私は、
人を信じれなくなった。

今日は入学式。

学校に向かってると、
同じ高校の１年生らしき子がいた。

ハルハ「あの・・・
ニコラ高校ですか？　私も！」

その子とは
すぐに仲よくなった。

１日でほとんどの子と
仲よくなったけど
みんなの前での私は
本当の私じゃない。

人に好かれるために
被っている仮面だから。

岬「あの・・・
君に言いたいことあって。
俺、お前のこと大嫌い」

いきなり話したこともない人に
そう言われた。

愛想笑いで済ませておいた。

＊　‐‐‐　＊　‐‐‐　＊

学校帰り。

私の寿命は
半年しかないらしい、

小さい頃の
重い病気が悪化して。

生きててたいして
何の思い出もなかったな。

その時、涙がこぼれた。

岬「泣いてんの？」

岬は、それだけ言った。

ハルハ「あのね、私、昔から
人を信じれないの。
そして、本当の自分もわからない」

そう言うと岬は
「そっか」というと
私が泣き止むまで
隣にいてくれた。

その日の夜空は
きれいだった。

その中で１番
輝いている星があった。

ハルハ「あの星、きれい」

岬「スピカだよ。
乙女座の別名。
真珠星だって」

白い真珠のように
その星は、かがやいでいいた。

それから一緒に帰ったり
話すことが増えた。

２人でディズニーに行ったとき。

岬「次、どこ行く!?」

ハルハ「１番楽しんでんじゃん」

ハルハ「あ！　あれやりたい」

岬「どっちもどっちじゃん」

色々回った。楽しかった。

隣で手を引っ張って
「ついてきて！」と、無邪気に
笑う姿が愛おしく感じた。

その時、気づいた。
私は岬に恋をしている。

シンデレラ城のライトアップを
２人で観たあと、帰ろうとすると、
意識がもうろうとしてきた。

気づいたら、病院にいた。

そこには岬がいた。

岬「だいじょうぶか!?
急に倒れて」

ハルハ「そっか、もう半年か。
早いな」

岬「どういうこと？」

ハルハ「あのね、私、小さい頃
重い病気にかかったんだ。
その病気が悪化して
余命半年って言われたの。
もう半年経っちゃたみたい」

岬は、涙を浮かべていた。

岬「言ってくれれば
よかったのに」

ハルハ「岬、ごめんね。
今まで死ぬなんてどうでも良かった。
でも、岬にあったせいで
死にたくないって思うようになった」

岬「俺、好きな子ができたんだ。
最初は大嫌いだったけど
やさしくて、ちょっと抜けてて、
気づいたら恋に落ちていた」

ハルハ「岬、今までありがとう」

岬「おいていかないでくれよ・・・
あのな、俺、お前のことが好きだ。
こんなときにしか言えなくて
カッコ悪いよな」

ハルハ「私もだよ。
ばいばい、最後にこれ読んでね」

そう言うと、ハルハは
息を引き取った。

最後の瞬間でさえも
きれいだと感じるほど
顔が整っている。

手紙には、こう書いてあった。

・。・:・°・。・:・°・。・:・°・。・:・

岬へ

いつも振り回してばっかで、ごめんね。

ホントのこと、ずっと言わなくてごめんね。

あなたの笑顔を見るだけで
他のことがどうでも良くなった。

きっと私は、あの星が輝いていた日、
一生分の恋をあなたにした。

・。・:・°・。・:・°・。・:・°・。・:・

それを読んだ瞬間
涙が出てきた。

僕は、きっと
ハルハのことを
この先も忘れないと思う。

うそだらけの世界で見つけた
確かなことが２つある。

あの丘で星が輝いたあの日、
僕は君に最初の恋をしたこと。

そして、最後まで君は
真珠のように輝いていたこと。

＊ｅｎｄ＊