最後の放課後

CAST榎本 月海榎本 月海

作者:雲の宝石

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.07.18

あ・・・
今日も聞こえてくる・・・





私は榎本ルミ。
高校1年生。





実は入学式の日から
ずっと思いを寄せている
相手がいるけど、





なんと相手は
高校3年の犬飼タイヨウ先輩。





そう、入学式に
一目ぼれしちゃいました。





そのきっかけは
入学式の放課後・・・





ルミ「わぁぁ! ここどこよ泣、
早く帰ってドラマを
観なきゃいけないのにーー」





ルミは、
急いで帰ろうとすればするほど
迷ってしまった。





そのとき、





あれ?
なんかピアノの音が・・・





きれいな音色ー!





私、この曲好き!





そして、
音をたどって行ったら、





いつの間にか音楽室に着き、





中をのぞくと、
きれいな指でメロディーを奏でる
王子様・・・





いやいや、男子がいた。





ルミ「きれーい・・・」





男子「あのー・・・」





ルミ「へっ?」





私ってば夢中になりすぎて
ピアノのそばまで来ちゃった!





しかも今、
きれいって口に・・・





いやーーー
もうばかばかばか!!





ルミ「す、すみません!!
道に迷って!
お邪魔しました!」





男子「待って、1年生かな?
送ってくよ」





ルミ「え? そんな!」





男子「いいから。
俺は3年2組犬飼タイヨウ。
君は?」





と言いながら、
案内してもらった。





ルミ「榎本ルミです・・・」





2個上かぁ・・・





タイヨウ「榎本さんか、
さっき見苦しいところ
見せちゃったね。苦笑
ごめんね」





ルミ「見苦しいだなんて!!
とてもきれいな音色でした!
先輩のピアノに一目ぼれしました!!」





って私、
なに恥ずかしいことを!





タイヨウ「はは、ありがと。
じゃよかったら明日も来てよ。
俺、毎日この時間に弾いてるから」





ルミ「いいんですか!?
ありがとうございます!」





タイヨウ「じゃまたね!」





ルミ「はい!」















* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





あれから数か月、
私は毎日音楽室に通ってた。





そして知らないうちに、
先輩の音色にだけでなく、
先輩その人まで
好きになってしまった。





タイヨウ「なぁ、榎本さん、
好きな人いる?」





ルミ「す、す、好きな人!?
先輩こそ、いますか?」





タイヨウ「俺?
まぁ・・・いるよ。
まぁ、叶わないだろうけどな」





いるんだ・・・





ルミ「なんで
叶わないんですか?」





タイヨウ「俺、明後日、
フランスに行っちゃうんだ。
ピアノのためにな」





ルミ「え!? そんな・・・」





タイヨウ「今まで言えなくてごめんな、
毎日応援してくれてありがとよ」





ルミ「そんな、私は別に・・・
好きで来てますから・・・
しかし、先輩!
それで自分の恋を勝手に叶わないって
決めるんですか!?
そんなのダメです!!!!」





タイヨウ「榎本さん・・・」





ルミ「離れ離れになるからこそ、
いま伝えなきゃダメです!
もしふられたとしても、
新しく始めればいいですし、
両想いになれたら、
その想いはきっと
距離や時間なんかに負けないと
私は信じてます!」





タイヨウ「わかった。
明日に伝えてくるよ。
ありがとな、榎本さん」





なんて・・・
かっこいいこと
言っちゃったけど、





私も人のこと
言えないなぁ・・・





先輩、
うまくいくといいですね、





と考えたら、
私は思わず涙を流した。















* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





はぁ、いよいよ今日、
先輩告白するのか・・・





じゃ私もう、
音楽室にいけないね。





ルミ「あれ?」





靴箱を開いたら、
1枚メモが入ってた。





「今日の放課後、
屋上に来てください」





誰なんだろ??

















* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





屋上か――――――。
初めて・・・





え? うそ?





階段を上るたびに
聞こえてくるピアノの音。





これって・・・!





急いで屋上まで駆けつけたら、
そこに――。





白いグラウンドピアノで
「君の知らない物語」を弾いてる
タイヨウがいた。





ルミ「先輩?
なんで? 告白は!?」





タイヨウ「うん、今からするよ。
榎本さん、好きだ。
俺と付き合ってくれないか?」





ルミ「え!? は、はい!!!」





タイヨウ「本当!?」





ルミ「はい!
私もずっと前から
好きでした!!」





そして
抱き合う2人・・・

















* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





次の日、タイヨウは
フランスへ旅立った。





少しばかりさみしいけど、
私は先輩を信じる。





必ずプロの
ピアニストになって
帰ってくるって。

















* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





3年後。





今日、
卒業しちゃったなぁ。





さみしいなぁ。





と、1人で落ち込みながら
歩いていたら、
目の前にバラの束が出てきた。





え?





タイヨウ「ただいま、
榎本さん、や、ルミ!」





ルミ「おかえり!!!
タイヨウ先輩!!!!!」







*END*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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