雨は私の恋予報

CAST小林 花南小林 花南

作者:かなみん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2018.03.27

みなさん、こんにちは。
小林花南です。





少し人見知りで
男子が苦手な
普通の女の子です。





カナミ「・・・あれ、嘘、
雨・・・?」





帰り支度の途中、
ふと窓の外を見ると
銀色の雨が糸のように細く
降り始めていた。





カナミ「どうしよう、
傘持ってきてないのに・・・」





マホ「カナミ、どうしたの?」





話しかけてきたのは
親友のマホだった。





明るくて男子にもモテるから、
当たり前に
イケメンの彼氏がいる。





マホ「帰らないの?」





カナミ「・・・あ、
もうすぐ帰るよ!」





そう? と首を傾げたマホに
なんとか笑みを返す。





今日も彼氏・・・
ユウナ君と相合い傘で
帰るだろうマホに
「傘がなくて・・・」
なんてとても言えなかった。





言ったらきっと、
気を遣わせて
しまうだろうから。





マホ「じゃあ私、
ユウナが待ってるから
帰るねっ!」





カナミ「うん、また明日・・・」





慌ただしく
駆け出して行った
マホを見送り、
私は1人ため息をつく。





走って帰るしかないかな・・・
なんて考え始めていた、その時。





ユイト「俺の傘に
入れてやろうか?」





当然、後ろからかけられた声に、
思わず肩が大きく跳ねた。





カナミ「ユ、ユイト君・・・・」





ユイト「傘ないんだろ?
送ってやるよ」





カナミ「! い、いやいや、
そんなの悪いよ!」





胸の前で
手をブンブン振りながら、
お誘いを断らせていただく。





ユイト君、
1度も話したことがない私に
優しくしてくれるなんて
本当に優しいんだなあ。





ユイト「いいから
入ってけって」





カナミ「・・・あ、じゃあ、
お言葉に甘えて・・・」





これ以上断るのは
逆に失礼だ、と思った私は、
大人しく傘に入れて
もらうことにした。





自然に近くなる距離に、
心臓が苦しいくらい
ドキドキする。





ユイト「小林の家って
こっちだよな?」





カナミ「・・・うん」





ユイト「今日の数学の応用問題、
解けた?」





カナミ「・・・うん、一応・・・」





ユイト「昨日さー、
ずっとみてたドラマの
最終回で・・・」





カナミ「・・・うん」





・・・ああ、なんで私
「うん」しか
言えないんだろう。





ユイト君がせっかく
話しかけてくれてるのに、
つまらないヤツだと
思われてないかな。





ユイト「・・・・、っと、危ない」





カナミ「きゃっ・・・!」





・・・ユイト君は
びしょ濡れだ。





カナミ「ユイト君、大丈夫?」





ユイト「平気だよ、こんなの」





にこりと微笑まれて、
心臓が1つ
大きな音を立てた。





そういえばユイト君、
さりげなく車道側を
歩いてくれたり、
本当に優しいんだな~。





そう思うと
自然と頬が緩んだ。





ユイト「・・・やっと笑ったな」





カナミ「え・・・?」





ユイト君の予想外な言葉に、
私は思わずぽかんと
口をあけて
固まってしまう。





ユイト「俺さ、小林の笑顔が
好きなんだよ。
なのに今日は全然笑わないから、
嫌われてんのかと思った」





カナミ「え、き、嫌ってなんて・・・・!」





・・・っていうか今、
好きって・・・・!





意識した瞬間、
顔が熱くなってきた。





カナミ「・・・あの、好きって・・・」





どういう意味? と
尋ねようとした言葉は
悲鳴によって聞こえなかった。





カヤ「嘘、ユイトが
カナミちゃんと
相合い傘してる・・・?」





カノン「え、なんであの地味な
カナミちゃんと?
つりあってないじゃん・・・・」





車道を挟んだ
向かい側の歩道にいたのは、
同じクラスのカヤとカノン。





「・・・ユイト君、
傘ありがとう。
ここからは走って帰るよ」





ユイト「え? なんで・・・」





ユイト君が
引き止めようとしてくれてる。





駄目だ。
いま、そんな優しさに触れたら
泣いちゃいそうだよ。





カナミ「・・・だって私・・・
このまま一緒の
傘の中にいたら、」





顔を上げて、ユイト君を
まっすぐ見つめて言った。





カナミ「・・・ユイト君のこと、
好きになっちゃう、から・・・」





言い終わった瞬間に
涙が溢れてくる。





恥ずかしさで
爆発しそうだ。





言い終えて
うつむいていても、
ユイト君が驚きで
唾を飲むのがわかった。





顔上げられない。
もうどこからが雨で、
どこからが涙なのかも
わからないくらい
ぐしゃぐしゃで。





ユイト「え、ちょっと待って・・・
待って、」





そうだよね。
迷惑だよね、・・・





カナミ「・・・・じゃあ
私はこれで・・・」





ユイト「、ちょっと待って!」





腕を引き止められて
振り向く。





そこで私が
何も言えなくなったのは、
ユイト君の顔が
真っ赤だったからだ。





カナミ「え・・・」





ユイト「あ、のさ小林。
何か勘違いしてる
みたいだけど、」





ユイト君の傘を持つ腕が
軽く震えていた。





ユイト「俺、小林のこと
好きだから」





え、と口に出せないまま
固まる。





言われた言葉の内容が
上手く消化できなくて、
涙も引っ込んでしまった。





ユイト「本当に好きで・・・・
だから今日も、
同じ傘で帰れて
嬉しかった」





カナミ「、え、でも・・・
私、カヤちゃん達みたいに
可愛くないし、地味だし・・・・
何も取り柄もないし、
私なんか、」





私が切り目もなく
グダグダ言い続けていると、
ユイト君の声が
それと重なるように言った。





ユイト「だから言っただろ。
俺は、お前の・・・
カナミの笑顔が好きだって」





だから笑えよ! と言われて、
私の心臓がゴソッと音を立てた。





私、少しでもユイト君に
釣り合えるように
少しは笑って行こう・・・かな。





雨の日に君に恋をした。









*END*

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