雪のように儚く、雪のように美しい

CAST小林 花南小林 花南

作者:ひよこ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2020.11.01






雪はすぐに
消えてしまう。





でも、見せてくれる景色は
何より綺麗。





そんな景色を
見せてくれた人を、





私は今も
忘れられません。













・*・―――・*・―――・*・





あむ「あたしさー、
戸部くんのこと
好きなんだよね?」





未来実「まじで?
D組の安村さんも
戸部のこと、
好きらしいよー」





あむ「やば!
安村さん?!
でも、俄然
燃えてきたわー!!」





未来実「あむ、頑張れ!」





1人で本を読んでいる
私の近くで、
恋バナをして
盛り上がっている
深尾さんと池さん。





あむ「ねぇねぇ、小林さんは
好きな人とかいないの?」





花南「え・・・」





未来実「いるわけないじゃん、
小林さんは人見知りで
男子と喋れないんだから!」





あむ「そっかー、
ごめんね、小林さん!」





花南「あ、うん」





またしゃべれなかった・・・





私、小林花南は
高校1年生にもなってまだ、
極度の人見知り。





池さんの言う通り、
私は男子と喋るどころか
女子とだって
まともに喋ることができない。





花南「好きな人か・・・」





でも、好きな人と言われて
いつも脳裏に浮かぶ人がいる。













花南の回想 ――――――
―――――――――
――





中学生の頃。





今と変わらず、
人見知りで
友達もいなかった。





そんなある日。





先生「転校生を紹介します。
入ってきてください」





空人「大倉空人です!
よろしくお願いします!」





大倉くんが
転校してきた。





大倉くんは、
フレンドリーで明るく、
すぐにクラスの
人気者になった。





大倉くんが転校してきて
何ヶ月か経ったときにした
席替えで、私は大倉くんと
隣の席になった。





空人「小林さん、
よろしくね!」





花南「よろしく、
お願いします」





空人「あははっ」





花南「??」





空人「そんなに
緊張しなくていいのに!
もしかして、人見知り?」





これが私と大倉くんとの
初めての会話。





大倉くんは、私のことを
何かと気にかけてくれた。





友達のいない私を、
一緒に弁当を食べようと
誘ってくれたり、
移動教室に一緒に
移動したり。





だんだん距離が
縮まっていった。





大倉くんと
喋るようになってからは、
他のクラスメイトとも
少しずつ喋れるようになった。





空人「小林さんは
国語が得意なんだよ」





大倉くんが
そう言ってくれたから。





女子A「小林さん、
ここ教えて!」





女子B「小林さん、
お弁当一緒に食べない?」





女子C「てか、小林さんって
かたくない?
花南ちゃんって
呼んでいい?」





大倉くんが色々な場所に
連れて行ってくれた。





遊園地、水族館、
イルミネーション・・・





花南「イルミネーション、
綺麗・・・」





私がイルミネーションに
見とれていると、
大倉くんが微笑んで、





空人「ねぇ、
俺も小林さんのこと、
花南って呼んでいい?
小林さんも俺のこと
空人って呼んでいいからさ!」





花南「う、うん!」





空人くんは、私1人では
見ることのできなかった景色を
たくさん見せてくれた。





そして気づけば私は





空人くんに
恋をしていた。







でも・・・





手を洗って教室に
戻ろうとしていたとき、
男子のコソコソ話が
聞こえた。





男子A「小林さん、
空人に遊ばれてて
まじでウケる!」





男子B「それな!」





男子C「勘違いにも
程があるって感じw」





目の前が
真っ暗になった。





そうだよね。





空人くんは私で
遊んでるだけなんだ。





じゃなきゃ、
私みたいな人に
構ってくれるわけない。





ましてや、私のことを
好きかもなんて・・・





そんなこと
あるわけないのに・・・





それから私は
大倉くんのことを
避けるようになった。





空人「花南?」





空人「どうかした?」





花南「もう、
大丈夫なので」





立ちつくす大倉くんを背に、
私はその場から立ち去った。





目から涙がこぼれた。













―――― それから1週間後





男子「先生、空人は今日
いないんですか?」





先生「大倉くんは・・・
転校することになりました」





みんな「えっ・・・?」





さっきまで
うるさかった教室が、
一瞬で静まり返った。





まるで時が
止まったように。





先生「お母様が倒れられて、
東京の大きな病院に
入院することになり、
大倉くんも一緒に
東京に移ることになりました。
もう東京の学校に通う
手続きは済んでいます」





先生「もうこの学校に
来ることはありません」





頭が真っ白になった。





心が空っぽになった。





自分から
避けていたはずなのに、





もう会えないと思うと
息が詰まりそうなくらい
寂しくて
切なくて
苦しかった。





あの時に、教室の時が
止まってから





私の心の時も
止まってしまった。





女子A「花南ちゃん・・・
大丈夫?」





花南「うん・・・
大丈夫だよ」





いくら私に友達が増えても、
大倉くんを失った傷は
癒えることがなかった。





クラス替えをしてからは、
また人見知りの私に
戻ってしまった。







回想終わり――――――――











・*・―――・*・―――・*・





学校からの帰り道。





女子「ねぇ、一緒に
イルミネーション行こ?」





男子「いいよ、
何時にする?」





あの2人は
付き合っていると
聞いたことがある。





花南「イルミネーションか・・・」





そういえば今日は
クリスマスだ。













帰宅後 ――――





母「花南ー、駅前で
クリスマスケーキ
買ってきてくれる?」





花南「分かった!」





母「暗いから、
気をつけてね!」





花南「うん」







ケーキ屋。





店員「ご来店
ありがとうございました」





無事にケーキを買えた。
弟が喜ぶだろうな~。





花南「!」





イルミネーションだ。





ケーキ屋に入る前は
ついてなかったのに。





花南「やっぱり綺麗・・・」





大倉くんと
一緒に来たな・・・





あの笑顔が
頭から離れない。





私はまだ
大倉くんのことが
好きなんだ。





花南「あっ!」





雪だ!





広げた手のひらの上に、
雪が乗る。





手のひらの上の雪は、
あっという間に溶けて
なくなってしまう。





雪は、夢みたいに綺麗な
景色を見せてくれるのに、
すぐに消えてなくなってしまう。





花南「大倉くんみたい・・・」





??「誰だって?」





振り返った私の
目の前にいたのは・・・





花南「大倉くん!!」





あのときと同じ笑顔で、





あのときより
少し背が高くなって、





あのときより少し
大人っぽくなった
大倉くんがいた。





花南「なんで!?」





空人「母さんの病気が
治ったから、
戻ってきた」





花南「そう、なんだ」





空人「それだけじゃないよ」





花南「えっ?」





ふわっ





大倉くんの髪から
いい香りがした。





少し温かい。





私が、大倉くんに
抱きしめられていることに
気づいたのは3秒後だった。





花南「えっ??」





空人「花南に
会いたかったから」





花南「だって、大倉くん
私のこと遊んでたんでしょ?
私は、私は、大倉くんのこと
本気で・・・っ!」





空人「遊んでなんかない。
俺は、花南を
ひと目見た時から
花南にぞっこんだったよ」





花南「!!」





空人「花南、好きだよ。
・・・もう一度、
俺のこと空人って呼んでよ」





花南「・・・うん!」





それから私は、
空人くんと一緒に
イルミネーションを見た。





空人くんは
私にたくさん
微笑みかけてくれた。





あのときと同じ微笑み。





ううん、
あのときよりずっと
綺麗な微笑み。







――――――――――――end

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