私の心の打ち上げ花火

CAST青山姫乃

作者：nanapu☆

2024.08.02

こんにちはっ！
私は、青山ヒメノです。

新しいクラスにも慣れて、
もう安心・・・

できない!!!!!

だって、好きな人が
できたから。

私の好きな人は、
久野ナツくん。

モテモテって
わけではないけど、

やさしくて。

少し、
おっちょこっちょいで。

告白・・・したいけど、
できないんだ。

それには、
わけがあるの。

――――――　数週間前　――――――

（教室にて）

「ヒメノ、今日の放課後、
あの場所来て」

「あ、わかった！」

あんな軽い返事
しちゃったけど

心の準備が////

今、私は、
ナツ君に言われたとおり
校舎裏にいる。

告白!?
だったら、どうしよ。

「ごめん！
まったよね？」

ナツが、
息を切らしている

「ううん！　大丈夫だよ。
話って？」

「おれ、
好きな子がいるんだ。
ミサキちゃん・・・」

「・・・知ってたよ！
ナツくん、
わかりやすいもん（笑）
応援するよ」

「ありがと・・・
よろしくおねがいします」

―――――――――――――――――

（教室）

私があの時、
想いを伝えてれば・・・

「ひーめーのー？
どーしたの、ボーっとして」

ミサキだった。

「うそ！
ぼーっとしてた？
やだぁ～」

そうだ。
２人をくっつけなきゃ。

「ね。花火大会、
ナツくんとミサキと私で
いかない？」

「い―ねえ！
じゃ、ユアンくんも
さそおーよ」

ミサキはユアン君が
気になってるらしい。

「おっけー!!　たのしみ～」

―――　花火大会当日　―――

待ち合わせ場所には、
私とユアン君が
先についていた。

「ユアンくんって、
ナツ君の好きな子、
しってる？」

「うん」

「そっか・・・」

２人では
あまり話したことが
なかったので、
会話が続かない。

「・・・・・・」

「あそこ。
あの２人じゃない？」

びっくりした。

ユアン君から
話しかけてくれるなんて。

その指先には、
ミサキとナツくん。

「ちかくで様子、
見てみるか」

そういわれたので、
お店の裏から２人を見ていた。

「おれ、ミサキちゃんが
好きです」

告白現場。

好きな人が友達に・・・

「え」

そういいながら、
ミサキは泣いている。

「よろしくお願いします」

あーあ・・・

胸に何かが刺さった。

喜びたいけど、喜べない。

サイテーだ、私。

そう思うと、
涙がこみあげてきて
目からこぼれた。

「おまえっ！」

ユアン君は、
私が泣いていることに
気がついて、
抱きしめてくれた。

「おまえ、ナツのこと、
好きだったんだな？」

答えられずに、
わたしはずっと泣いた。

「俺は・・・」

その瞬間、
足がふらっとして
近くのベンチにすわった。

ユアン君は、
私の前に立っている。

「お前が好きだ」

ッ。
ばーーーーーーん!!

大きな花火があがった。

私の胸の中にも
大きな花火があがっていた。

「えっ」

驚きのあまり、声が出ない。

けれど。

いつも私を
見守っていてくれたのは、
ユアンくんだった。

教室でも目があったり、
やさしくしてくれたり。

「はいっ。
おねがいしま・・・」

唇に、何かがふれた。

この夏、
１つの恋が終わり、

もう１つの恋が
動き始めた。

☆ＥＮＤ☆