ヒロインはハッピーエンドで終わると限らない

CAST青山姫乃青山姫乃

作者:ミニオン

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.05.04

はじめましてっ。
私の名前は、青山ヒメノ。





みんなからは、
ヒメノって
呼ばれてるよ~。





さっそくですが、
そんな私も恋してます。





相手は幼なじみの
今井ハルト。





私達は、ずぅーっと
産まれたときから一緒だし、





結ばれる運命だって
思ってる。





それにね、ハルトはモテて
今まで何回も付き合ってるけど、





イマイチ長続き
してないんだよね。





だから、やっぱり私が
1番あうはず。





とか思ってたら・・・





ユナ「ヒメノ。
私達、付き合うことになったの」





ヒメノ「えっ?!
ユナ先輩、年下ですよ?
しかも、アイツがどんだけ
テキトーな人か」





ユナ「知ってるよ。
だからこそ、頑張るつもり」





ヒメノ「・・・そうですか」





そんなの私が
認めるわけないじゃんっ。





どーせ、長続きしないけど。

















*....*....*....*





ヒメノ「・・・・・」





なんだかんだ言って、
もう3ヶ月も付き合ってる。
新記録だ。





ハルトは、長くても
1ヶ月しか付き合わないのに。





やだ。ほんとに、
ユナ先輩がとっちゃうかも。





そんなの、絶対ヤダよ!





ヒメノ「ねぇ、ハルト。
ユナ先輩のこと・・・どう思う?」





ハルト「はっ? いきなりなに」





ヒメノ「いや、
長続きしてるなーって
思って」





ハルト「うーん・・・
ユナは良いヤツだよ。
優しくて、思いやりがあって。
俺のことも、ちゃんと分かってくれてるし」





こんなハルト、
はじめてみた・・・





ハルト「だけど俺・・・」





ヒメノ「もう、いいよ。
分かった。お幸せに」





ハルトは、ユナ先輩が
好きなんだ。





やだ。何で?





ユナ先輩は、
年上だったけど憧れで
大好きな先輩だった。





大阪から引っ越してきたって
言ってたけど、
山形と比べたりしないし、
山形のいいところも
いっぱい知ってくれた。





不器用な私を、
何度も助けてくれた。





悩んでるときも、
相談に乗ってくれた。





私・・・きたない。





ユナ先輩とハルトが
結ばれるなら、





もうあきらめたら
いいじゃないか。





「ヒロイン」は、私じゃない。





ユナ先輩なんだから。





ヒメノ「ユナ先輩」





ユナ「ヒメノ」





ヒメノ「私、ユナ先輩を応援します。
ハルトのこと、
よろしくお願いしますね」





ユナ「ヒメノ!
違うよ。・・・違うの」





ヒメノ「えっ?」





ユナ「ハルトが好きなのは、
ヒメノだよ。
私、ハルトと付き合ってて分かった。
ハルトには、彼女よりも大事な
幼なじみがいるって」





ヒメノ「違うよっ。ハルトは、
ユナ先輩が好きなんだよ!」





ユナ「うぅん。
もう、ごまかしたりしない。
ハルトは、いつもヒメノのことを
考えてたんだよ。
私と付き合ったときも、その後も。
だからね、もう別れた」





ヒメノ「えっ」





ユナ「ヒメノ、頑張ってよ。
私のぶんまで」





ハルトが・・・
私を好き?





じゃぁ、
「ヒロイン」は・・・





けど、ユナ先輩を
こんなふうにしてまで、





自分が「ヒロイン」になって
ハッピーエンドなんておかしいよ。





ヒメノ「私・・・行かない」





ユナ「お願いっ!!!
ヒメノ!」





ヒメノ「ユナ・・・先輩」





涙だ。





もう、私は
行くしかないのかもしれない。





ヒメノ「ユナ先輩、すみません。
そして、気づかせてくれて
ありがとう!」





ハルトのもとへと走った。
たぶん、あそこにいる。





ヒメノ「ハルトっ!!」





ハルト「ヒメノ。
ユナから聞いたのか?
ははっ。俺、バカだよな。
ほんとバカだ。
ふられる前だってときに、
こんなとこ来たりして」





ここは・・・私達が
はじめて遊んだ公園だ。





ヒメノ「そうだよね。バカだよ。
もっと、ユナ先輩を
大事にしてあげたら良かったのに」





ハルト「・・・ごめん」





ヒメノ「私じゃなくて、
ユナ先輩に言ってあげてよ。
私さ、もうとっくにハルトのことなんか
好きじゃないから」





ハルト「・・・・・」





ヒメノ「だからさ、
ユナ先輩と頑張ってよ。
私は私なりに、ヒロインになるからさ。
こんなふうにして、ヒロインなんかじゃない」





ハルト「ヒメノ・・・
お前、意味不明。
ヒロインだのなんだの。
けど、ありがとう」





ヒメノ「うん」





それから、もう一度
ユナ先輩とハルトは
付き合い始めたらしい。





これで全部良かったって言ったら、
ウソになるけど、すっきりしてる。





ハルトのことはまだ好き。





だけど、私が自分で選んだ
道だから。





ヒロインは、
ハッピーエンドで終わるとは
限らない。





そのことは、
よく分かった。





だけど私には、
恋よりも大事なものがある。





そして、それを守れた。





だから、
ハッピーエンドなのかも
しれないね。







*END*

─ ニコ学名作リバイバル ─
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。

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