恋転寿司
作者:ちぃ
えええええっ!
ユズ「てことで、
こちら、
幼なじみのレン」
レン「よろしく」
ユズ「あ、回転寿司に
行くって言ったら、
俺も行きたいって
なったから
連れてきたんだけど、
大丈夫?」
アンジ「い、いいけど。
それよりさ、ユズ。
ちょっとこっち来て」
私、アンジはユズを
引っ張って
席から離れた。
アンジ「ユズ!
ちょっと、
めっちゃびっくり
したんだけど!!」
ユズ「あ、ごめん。
やっぱり、
女子2人だけの方が
よかった?
レンに帰ってって言うよ。
あ、レン~?
やっぱり・・・」
アンジ「ちがう!
ちがう!
帰ってほしいどころか、
ずっといてほしい
くらいだよ!」
ユズ「どゆこと?」
アンジ「だから、
レンくんって・・・
すごいイケメンじゃん!
そんな幼なじみいたの?」
ユズ「あ、そういうこと?
イケメンとか
そんなことよりさ、
早く食べようよ」
ユズは席に
戻っていった。
私も席に戻る。
レンくんは、すでに
お寿司を食べ始めていた。
レン「めっはおいひい」
レンくんが、口の中を
お寿司でいっぱいにして
しゃべる。
ユズ「私お腹すいた~。
アンジ、早く食べよ」
アンジ「う、うん」
ユズ「あ、レン。
そのサーモンとって」
レン「はいよ。
あ、アンジちゃんだっけ?
何食べる?」
うわぁぁぁぁぁ!
な、名前呼ばれたぁ~!
アンジ「あ、あ、
えっと、
玉子寿司食べます!」
流れてきた
玉子寿司をとって、
一口で食べる。
アンジ「おいしーい!」
レン「ね!」
レンくんに正面から
見つめられて、
ドキッとする。
ユズ「なにこれ、見て」
ユズの声で
私とレンくんは
流れるお寿司に注目した。
アンジ「ほんとだ。
“コイ”?」
よく見ると、
マグロやツナマヨの間に、
“コイ”と書かれた
お寿司が流れている。
レン「“コイ”って、
池で泳いでる
赤とか金色の魚のこと?
回転寿司で見るの初めて」
ユズ「ちょっと食べるの
勇気いるね」
2人はそう
話していたけど、
私はちょっと
気になった。
どんどん流れて
行くのを見て、
私は思わず
“コイ”のお寿司を
手に取る。
ユズ「えっ?
アンジ、
食べるの?」
私はうなずいて、
見た目はサーモンみたいな
ピンク色のお寿司を
つまんだ。
おそるおそる
口に入れると、
口の中に甘ずっぱい
香りが広がる。
興味しんしんで
私を見つめている2人に、
感想をもらす。
アンジ「・・・意外と
いけるかも」
レン「ほんと?
アンジちゃんが
おいしいって言うなら、
俺も食べてみようかな」
えっ! 今、
「アンジちゃんが
おいしいって言うなら」
って言った?!
それって、
もしかして・・・
レン「ユズも食べる?」
ユズ「いや、私はパスで」
レンくんは“コイ”寿司を
一口食べるなり、
笑顔になった。
レン「おいしい」
その笑顔に、
私はドキドキ。
なんだかさっきよりも
レンくんがかっこよく
見える。
ユズ「お2人とも、
よく食べれるね。
私はネギトロ食べまーす。
とってくれる?」
私が取ろうとした時、
レンくんも同時に
手をのばした。
手と手が触れる。
レン「・・・」
アンジ「・・・」
ドキッ。
しかし1秒後、
私たちはすぐに
手を離した。
ほっぺをピンクに
染めたレンくんが、
ユズにネギトロを渡す。
ユズ「さんきゅっ・・・?」
その間、なんだか
恥ずかしくて、
私は残っていたもう一貫の
“コイ”寿司にパクついた。
顔をあげると、レンくんが
クスリと笑って
私のほっぺに
手をのばしてきた。
ドキッ。
レンくんの手が
ほっぺに触れる。
アンジ「え・・・」
真っ赤になりながら
レンくんを見つめる。
レン「あの・・・
ほっぺにご飯粒
ついてたよ」
な、なんだぁ。
びっくりしすぎて
心臓止まるかと思った。
アンジ「あ、ありがとう・・・」
ちょっとがっかり
しちゃった。
でもね。
帰り際、レンくんが
ほっぺをピンクに
染めながら、
言ってくれた。
レン「あ、あの・・・
LINE、交換しない・・・?」
アンジ「・・・うん!
もちろん!」
“コイ”のお寿司は、
“恋”のお寿司
だったのかもしれない。
みんなも回転寿司に
行ったとき、
見つけるかも、ね。
*end*
池端 杏慈

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