嘘の自分の恋

CAST池端杏慈

作者：みかん

2023.11.19

「杏慈、二重人格ってことか？
彼に会うときだけ変？
まぁ杏慈が恋なんてするわけないか」

その時、
ドアが開いた。

杏慈「こちら、彼について
まとめた資料です」

美優「あっ、ありがと」

聞かれていた・・・？

杏慈「では、これで」

美優「あなた隣のクラスの、
３年２組でしょ？」

杏慈「はい」

美優「ふぅん」

美優、
そう、彼女も二重人格！

彼に会うときだけ
ニコニコしてるが
裏ではスパイのような人物！

私と親友なんだけどね。

それより！

杏慈「はぁ～。どうしよう！
『彼』は諒に違いない。
私は諒に恋をしている・・・
に違いない！
自分に嘘はつきたくないな」

ふたば「どうした？」

杏慈「あっ！」

私はふたばに驚きすぎて
物を全部落としてしまった。

ふたば「変なの。
私、急いでるからごめんね」

ふたばは、そういって
逃げた。

私も授業に遅れる。

焦っていた時だった。

諒「えっ、すご。
答え全部合ってる・・・！
賢いね」

振り返ると
私のプリントを持った
諒がいた。

杏慈「ちょっと」

プリントを勢いよく
奪い取って、
落としたものを拾う。

諒「俺も拾うよ」

杏慈「いい。
授業、行ってて」

諒「それ、持つから貸して」

諒も重い教科書を
持っているのに。

杏慈「・・・ぁりがと」

諒「声ちっちゃ。
授業遅れるよ」

杏慈「・・・」

もしかして私と一緒に
移動教室へ向かうのか？

諒「行こ」

はぁ。

諒「あっ、待って」

私は後ろを振り返った。

諒「放課後
体育館裏に来て」

杏慈「・・・ん？」

告白？

でも告白じゃないかも。

確認のため、言っておこう。

杏慈「言いたいことが
あるんだったら
ここで言って」

諒「・・・」

何か言いたげそうだが、
黙っていた。

愛の告白ではなく、
ただの告白のようだ。

残念な告白かも。
はぁ。

その時・・・！

なぜか私は急に
とても暑く感じた。

そしてめまいがし・・・
倒れて・・・っいない！

どういうことだ。

まだめまいがして
前が見えない。

誰かに支えられているような。

目を開けているのに
見える光景は真っ暗。

そして、大量の汗が
急にくる。

ぼやけてわからない。

そして、意識が徐々に
離れていった。

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杏慈「っん。うん？」

目が覚めると
私はベッドで
よこになっていた。

眩しい。

目の前にある
時計の時刻は４時。

左を見ると窓。
夕焼けの空。

ということはみんな、
帰ったんだ。

とにかく状況を
把握しなければ。

右を見た。

杏慈「えっ!?」

私は起き上がった。
そこには諒がいたからだ。

諒「杏慈、４限目、
移動するときに
貧血で倒れて保健室行って、
今の状況」

杏慈「・・・私が保健室に
行ったんだっけ」

諒「ぃゃ・・・
ぉれがはこんで」

杏慈「声ちっちゃ」

なんて言ったのか
本当に聞き取れなかった。

諒「放課後、体育館裏来てって
いったけど
こんな状況になってるから、
今、言うね」

その時、徐々に
記憶がよみがえってきた・・・！

諒「杏慈のことが好きです。
だから、付き合ってください！」

諒は手を差し伸べた。

私も、いつの間にか、
諒のことを好きになっていた。

私は諒の手に手を乗せた。

杏慈「・・・ぃぃょ」

諒「声ちっちゃ」

杏慈「いいよ！」

・・・廊下で
彼女らも聞いていた。

ふたば「よかった～。
てか、いいよじゃなくて
いいけどって言うかと思った」

美優「まぁ本当の気持ちを
出さなきゃ
恋は成立しないからね。
私に嘘の諒の資料を
渡してきた時から
杏慈が諒のこと好きって
わかってましたけど」

ふたば「（笑）作戦成功だね！」

美優「そうね。
まっ私は
次の男を決めなきゃ」

こうして、私は
生まれ変わったみたく
人が変わって
心の底から楽しいと思える
大切な高校生活を過ごせました！

＊ｅｎｄ＊