私だけの・・・

CAST池端 杏慈池端 杏慈

作者:さくらんぼ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2023.04.13

チャラい、チャラい、
チャラすぎる。





私は思った。





あ、申し遅れました。
池端アンジです。





「チャラい」というのは、
密かに好きな人、
レンのこと。





ココロの中では
レンと呼んでいるけど、
本人には、ウチダくんと
呼んでいる。





チャラいと思うのと同時に
好きって思う、私の恋。





でも、わたしは
レンの癖を知っている。





あの日、部活帰りの私は
レンとユラが話しているのを見た。





ユラ「レンのこと、好きだよ」





するとレンは、
すっとぼけた表情で
「ヘ」と聞き返した。





私は、なぜかこれは
演技だと確信した。





結局、レンは
告白を断っていた。





でも、ガッツの塊のユラは、
「見返してやる!!」
とますます可愛くなった。





私は、ユラみたいになれる
自信がない。





だから、告白は、しないんだ。





キモチを伝えるよりも、
傷つく方が、怖いから。





この恋を、台無しに
したくないから。





そんなことを、
ぼんやりと考えていると、





「きゃっ!」





階段を踏み外してしまった。
落ちる。落ちる。落ちる。





「イケハタさん。大丈夫?」





涼しい声で
私を助けてくれた本人は、
そう言った。





「ウチダくん」





そして、彼と私は
しばらく話した。





・・・あれ、意外と誠実。





わたしはレンの一面を
知れたみたいで嬉しかったし、
わたしだけ知れたような気がして、
「好き」が爆発した。





ぼんっとハートが
爆ぜた音がした。





私は、思わず言ってしまった。
考える前に、私の舌は
忙しなくまわっていた。





「私、ウチダくんのこと、
好きなんだよね」





すると彼は、案の定、
とぼけた表情をした。





そういうところも好き。





でもこの恋は、
きっとかなわない。





「・・・俺が言おうと
思ってたのに」





え。
私が口をパクパクしていると、
彼は、じれたように





「だから、俺も好きって
言ってるんだけど」
と言ってきた。





そして、
私たちは結ばれた。





彼は、私だけに、
その誠実なところも
ベビーフェイスも
見せてくれる。





また、
「あ・ん・じ」
と、あま~い声で、
名前を呼んでくれる。





それは、私だけの特権なんだ。







*end*

Like

この物語に投票する

池端 杏慈が主人公の物語が主人公の物語

NEWS!NEWS!

nicola TVnicola TV

おススメ!おススメ!

物語募集

「ニコラ学園恋物語」では、ニコ読の
みんなが書いたニコモを主人公にした
オリジナルラブストーリーを大募集中!

応募する

主人公別 BACK NUMBER主人公別 BACK NUMBER

  • nicola TV
  • 新二コラ恋物語 恋愛小説を大募集!