自分で、輝け！

CAST崎浜梨瑚

作者：えあ

2025.05.19

友達ができない
恥ずかしがりやの
普通の中学生、りこは、

下校中に偶然、
有名モデル・りりに出会った。

りこは、りりのことをあまり
知らなかったが、
モデルと聞いて驚いた。

りこは本当は芸能界に
憧れていて、
自分もキラキラ輝いてみたい！
と思っていた。

そして、りこがめがねを外すと、
りりとりこは、そっくり。

りりは、受験生で
モデルの自信もなくなってきて、
やめようか考えていたところで、

りこにしばらくの間、
りりの代わりをしてくれないかと頼んだ。

りこは憧れの世界だったため、
ドキドキする。

でも、『私は中瀬りりに代わるだけ。
自分じゃないし・・・』とＯＫした。

その日から、りこのモデル活動が
始まった。

＊　‐‐‐　＊　‐‐‐　＊

人気雑誌、『にこらび』の撮影では、
たくさんのモデルにキラキラ憧れた。

そして人気メンモ、りょうすけに
話しかけられる。

「今日もかわいい」と言われて、
少し照れていたりこだが、

あとから、自分に
言われていないことに気づいた。

少しモヤモヤした気もちで
挑んだ撮影。

でも、わかなにポージングを
教えてもらい、
なんとかやり切ることが
できたのだった。

しかし、どうやら
りりとライバルだったモデル、
あんなに、

「何にもできてないじゃん、
それでもピン表紙モデル？
やっぱり私がやった方が
よかったのに」

と、言われてしまった。

りりがピン表紙モデルだったことを知り
罪悪感を感じてしまったりこは、
休憩中、逃げ出そうとしたが、
わかなに止められ、
本当はりりではないことは伏せて、
話を聞いてもらった。

するとわかなは、

「あんなも本当にがんばってるからね。
でも今りり、ポーズがどうこうの前に、
なんか自分らしさがなくなってると思うよ。
何があっても、自分はひとり。
ひとりだからこそ、自分だからこそ、
輝けるんだから！」

そう言われて
りこはドキッとした。

「私ができないのはポーズが
下手とかじゃない。
自分じゃないからなんだ！」

そう気づいたりこは、
まっさきにりりへ連絡した。

『ごめんね。
わたし、やっぱりりりちゃんの役は
できなかった。
そのままのりりちゃんが、
１番輝いてるよ！
受験、がんばってね！』

そう連絡したりこは、
あんなのもとへ行った。

「あんなちゃん、
あの・・・ごめんね。
あんなちゃんは
本気でがんばってるのに。
わたし、あんなちゃんに
負けないくらい、がんばるね！
それでいつか、一緒に表紙しよう！」

そうりこが言うと、

「えっ・・・?!
あ、あの、私もごめん。
傷ついたよね。
約束だよ！
絶対２人で表紙しよう！」

あんなも約束してくれた。

そしてりりとりこは
元に戻った。

するとりりが、

「りこはモデル興味ないの？」
と言った。

「えっ!?　そんな、
私、りりちゃんじゃないし・・・」

と、りこはいったが、

「わたし、りこにすごく
勇気もらった。
大事なのは、
自分を信じてがんばることだよね。
大事なことを教えてくれたりこと、
一緒にモデルやりたいの！」

りりの言葉に感動したりこは、

「ありがとう、
がんばってみる！」

と、その日から、本当の
りこのモデル生活が始まった。

毎日キラキラで、
本当にたのしかった。

でもそれは、自分だったから。

自分らしくがんばれたからだと
りこは思っている。

りょうすけにも

「りこってさ・・・本当に
尊敬するし、好きかも・・・」

と言われ、
恋も芽生えはじめた。

いままで友達もいなかったりこだが、
モデルはもちろん、
学校でも、友達ができた。

りこの人生が変わったのは、
モデルになったからではない。

自分を信じることが
できるようになったからだ。

そして無事りりは受験に合格し、
卒業号では、りり、あんな、
そして、りこの３人で
表紙を叶えることができたのでした。

＊ｅｎｄ＊