元旦のジンクス

CAST青山姫乃

作者：まるぱん

2025.01.11

私、ヒメノ。

突然だけど、
ダイジ先輩のことが
好きなんです。

ヒマリ「ヒメノー
ニコラ学園のとなりにある神社で
元旦に好きな人と鐘をならしたら
両思いになれるっていう
ジンクスがあるの、知ってる？」

ヒメノ「知らなかった！
やってみたいな」

ヒマリ「がんばれー」

ヒメノ「１人じゃ心細いから、
ヒマリも来て！」

ヒマリ「しょうがないなあ。
でも、２人がいいムードだったら
即、離れるからね？」

心強い味方も
一緒になりました！

ヒメノ「明けましておめでとう、
ヒマリ」

ヒマリ「あけおめことよろー」

おさい銭を入れて、
お祈りをする。

ダイジ先輩の
彼女になれますように。

ヒメノ「ヒマリ、
なんてお願いした？」

ヒマリ「ヒメノがダイジ先輩と
結ばれますように、って。
ヒメノも同じでしょ？」

それから、もちつきに参加して
できたてのおもちをたべて、
甘酒をふるまってもらって、
焼き栗を買った。

ヒマリ「すぐ行動できるように、
鐘のそばで食べよっか」

ヒメノ「私、ヒマリと
初詣に来れてよかった」

ヒマリ「私も、ヒメノと来れて
楽しいよ」

タイヨウ「モチも甘酒も
栗もうまーい！」

ダイジ「全く、
タイヨウの頭のなかは
食べ物のことしかないな」

ダイジ先輩が来た！

ヒマリが
アイコンタクトを
送ってくる。

ユアン「なんてお願いした？」

タイヨウ「おいしいものいっぱい
食べられますように！」

ダイジ「食い意地ばっかりだな」

ユアン「ダイジは？」

ダイジ「なんだっていいだろ」

３人がこっちに
近づいてくる。

ヒマリ「のど乾いたから、
近くの自動販売機まで
飲み物買いに
行ってこようかなー！
ヒメノはそこで待っててねー！」

ヒメノ「ヒマリー！」

ユアン（ダイジ、
さては好きな女の子いるな。
視線的に・・・ヒメノ!?）

タイヨウ「ねー、３人で鐘ならそー」

ユアン「たこ焼き買いに
行ってくる。
タイヨウも来い」

タイヨウ「やったー、たこ焼き！」

ダイジ「俺は？」

ユアン「ダイジは・・・
鐘でもならしとけ」

タイヨウ「ダイジも行こーよー！」

ユアン「馬鹿っ、タイヨウ！」

タイヨウ「俺は馬鹿じゃないー！」

ズルズルズル

タイヨウ先輩が
ユアン先輩に
引きずられていく。

ダイジ先輩と２人きりに
なっちゃった！

ヒメノ「えっと・・・
明けましておめでとうございます・・・」

ダイジ「あ、明けましておめでとう」

緊張しすぎて
心臓破裂しそう！

もう、２人で
鐘ならすのは無理だ・・・

私だけで鳴らそう・・・

持ち手をつかもうとしたとき、
足元にあった大きな石につまずいて、
体がかたむいた。

こける！

と、思ったけど、
衝撃は来なかった。

ダイジ先輩が後ろから
支えてくれていたから。

ヒメノ「あっ、ありがとうございます」

もう一度、鐘をならそうと
持ち手にふれる。

ダイジ「ヒメノは
危なっかしいからな、
俺もいっしょに鳴らしてやるよ」

私の手のうえに、
ダイジ先輩の手が
重ねられた。

ゴーン

ダイジ「ヒメノさあ、
いっつも俺のこと
見てただろ？」

ヒメノ「そっ、そんなことないですよ!?」

ダイジ「正直じゃないなあ」

ヒメノ「本当、ですよ!?」

ダイジ「それでさ、いつのまにか
ヒメノは俺にとって
気になる存在になってた。
これは、好きって気もちなんだ、って。
俺とつきあってほしい！」

ヒメノ「もちろんです！」

ダイジ「やっと正直になったな」

ヒマリ「ヒメノ、ダイジ先輩、
おめでとーございます！
初々しい新婚カップルで
あらせられまして・・・！
末長くお幸せにー！」

ヒメノ「ヒマリ、ありがと。
新婚カップルって、
新婚なのか、カップルなのか、
どっちなの!?」

ヒマリ「んー、どっちも？」

ダイジ「いずれそうなるかも
しれないしな」

ヒメノ「２人とも、
展開が早いなあ！」

ユアン「ダイジ、おめでとう」

タイヨウ「好きな人いたなら
教えてよね！」

ダイジ「ユアンは、
なんで分かったんだ!?」

ユアン「ダイジの視線の先？」

年の差がある恋愛も、
ジンクスの力で
何とかなりました！

さっき２人で鳴らした鐘が
幸せのはじまりを告げたような
気がした。

＊ｅｎｄ＊