アオハルのヒトカケラ

CAST白水ひより

作者：まるぱん

2024.10.10

私、白水ひより。
中学３年生。

今日は、
最後の体育祭！

赤、黄、青の
３つのブロックに
分かれて戦うんだ。

私は、青ブロック。

心友のアンナと一緒で、
メンバーが神ってる
青ブロックだよ！

仲良しの後輩のリコちゃんは
体育祭の数日後に
リコちゃんの好きな人、
イルマに告るんだって!!

私がするわけじゃないけど、
ドキドキ緊張するし、楽しみー！

水風船運び、借り人競走、
二人三脚、綱引き、
玉入れ、パン食い競走、
ダンス、ときて、

今から体育祭の一大ベント、
ブロック対抗リレーが
始まるよー！

アンナ「がんばってね」

ヒヨリ「ありがとう！
アンナがハチマキ
結んでくれたから、
私、最強だよ!!」

男子３人、女子３人で
組んでるんだよ。

赤ブロックは
ユナ、タイヨウ、ミオコ、
ナツ、ルミ、ハルト。

黄ブロックは
ミアン、リョウ、レイナ、
ミサキ、コハナ、ダイジ。

青ブロックは
ヒメノ、リョウスケ、
ヒマリ、テルノスケ、
ヒヨリ、イルマ。

なんと！

私、イルマにバトン
渡すことになったんだ。

しかも、イルマ、
アンカーだし。

リコちゃん、
イルマの勇姿を
見届けろよー（笑）

パァン

リレーが始まった。

ヒメノ、速い！

１位で来た！

リョウスケも
間隔を維持して到着。

ヒマリも追い詰められつつ
あるけど、逃げきった！

あっ。

テルノスケ、
赤ブロックのナツに抜かれた！

黄ブロックのミサキも
後ろにいるけど、僅差すぎる！

やばい。

そのとき、イルマに
話しかけられた。

イルマ「ヒヨリ、
絶対に１位で来い。
ヒヨリ、任せたぞ。
ヒヨリ、頼んだ。
ヒヨリ、がんばれ!!」

ヒヨリ「うんっ！」

“ヒヨリ”って、
言いすぎでは・・・？

前にルミがいる、
抜かなきゃ！

前にいたルミを抜いた。

運動場が、大歓声に包まれた。

アンナがハチマキ結んでくれた。

リレーに出ない
青ブロックの子たちが
応援してくれている。

アンカーの戦いは
接戦になるだろう。

イルマが余裕をもって
走れるようにしなきゃ。

だから、私がここで
負けるわけにはいけない。

ビュンッ

一気に加速して
最後の直線を走りきって、
イルマにバトンを渡した。

接戦となった
アンカーの対決。

会場は、

「ハルトー！」

「ダイジー！」

「イルマー！」

の応援合戦。

そのなかを突っ走って、
イルマが１番でゴールした。

＊．．．・・・＊．．．・・・＊

数日後。

私はリコちゃんと一緒に
イルマに会いに行った。

私は、体育祭のリレーのときに
応援してくれたお礼、

リコちゃんはついに
こっ、告白するんだって!!

ヒヨリ「体育祭では
応援してくれてありがとう。
正直、イルマに１位でバトン
渡せるか不安で、自信がなかった。
だけど、応援してくれたお陰で
１位でバトン渡せたよ！
本当にありがとう！
じゃ、バイバイ、リコちゃん！」

イルマ「あっ・・・待って・・・!!」

イルマが何か言いかけてたけど、
まあ大丈夫か！

＊．．．・・・＊．．．・・・＊

次の週の月曜日。

リコ「振られた・・・」

ヒヨリ「よしよし、
がんばったね。
また、新しい恋、探そ！」

リコ「うん・・・！」

リコちゃんが
帰っていったあと。

イルマ「この前、言いかけてたこと
なんだけどさ・・・」

そういえば、
何か言いかけてたね。

イルマ「俺、ヒヨリのことが好き！
体育祭のリレーで
ヒヨリのこと応援したのは、
がんばれって意味はあったけど、
半分はアンカーで
自分が負けたくなかったから。
それでも『ありがとう』って
言ってくれて、うれしかった。
自分勝手な俺でごめんだけど、
付き合ってくれる？」

ヒヨリ「はいっ！」

＊．．．・・・＊．．．・・・＊

放課後。

ヒヨリ「リコちゃん、ごめん！
私、イルマに告られて、
イルマと付き合うことになった。
リコちゃんの恋を応援してたら
いつのまにかイルマが気になる
存在になってて・・・
本当にごめん！」

リコ「いえいえ！
私も振られて、気持ちの整理は
できてたので！
イルマ先輩と付き合った人が
ヒヨリ先輩でよかったです！
他の女だったら私、その女に
手を下してそうです（笑）」

ちゃんと話してよかった！

これからもリコちゃんと
仲良しでいられそう！

早くリコちゃんにも
彼氏ができますように。

リコちゃんはいい子だし、
可愛いから、すぐにできると
思うけどね！

＊ｅｎｄ＊