このアオハルに悔いはない!
作者:コザクラちゃん
もうすぐ卒業式。
この日を、「運命の日」に
したかった。
私は、みく。
中学3年生で、バリバリ部活などで
アオハルしてきた。
でも恋愛のアオハルは
したことがない。
だから卒業式の日、恋愛を・・・
告白を決めたのだ。
私が好きになった男の子の名前は
ハル。
初めて同じクラスになった
男の子。
なんかいまだに
小学生感が抜けていなくて・・・
一言で言うと小動物。
特にハムスター。
ハル君を見ているとかわいい。
給食を食べていると
ほっぺにぎゅうぎゅうに
なるほどものを食べて・・・
ふくれたほっぺが
まじでハムスター。
思わずかわいい・・・
といってしまいそう。
授業をしているときも、
男子だけが校庭体育を
しているときも、
ずっとハル君を見てしまう。
「みくーっ! またハル君
見てるの~?」
と私の友達、ゆうりが言う。
ゆうりは私の恋を応援してくれて
アドバイスをしてくれる
いわゆる、「恋愛マスター」だ。
「あと5日で卒業式だよ!?」
「なによ、いきなり
プレッシャー!」
思わず声をあげてしまった。
ざっと目線がこちらに来る。
・・・やめて。
体に穴が開いちゃう!
ハル君もこっちを見ている。
忘れていた。
・・・ただいま授業中だ。
キーンコーンカーンコーン
やっと授業が終わった。
「さようなら」
と、ホームルームが終わり
ぞろぞろと教室から出ていく。
私もマフラーを巻き
下駄箱へいき、
靴を履いて校門をでる。
「ただいま・・・」
しんとした空気。
響く自分の声。
親2人とも出張中。
私ひとりか。
さっさとご飯を食べて
お風呂に入って寝よう。
今日はなんか疲れた。
ご飯をモグモグ
食べている時も
お風呂にブクブク
入っているときも
頭の中にあるのは
ハル君だけ。
しかもハムスターの。
寝るといつもと同じ
ハル君とデートをしている夢。
・・・なんか私、キモいかな?
と思いつつ眠りについた。
........*
チュンチュンと
小鳥のさえずりが聞こえる。
体がだるい。
おでこに手を当てる。
「やば・・・熱ある・・・」
頭によぎる。
風邪かもしれない。
起き上がれない。
眠気が襲ってくる。
そのまま目を閉じた。
* ‐‐‐ ゆうり ‐‐‐ *
「みく遅いなー」
と、他の友達と話しながら。
「1回メッセージしてみれば?」
と言われ、してみるが
既読がつかない。
先生がガラガラと
ドアを開ける。
「出席確認・・・みくは??
どこにいる?」
急にハル君が立ち上がった。
そして廊下にでる。
教室は一斉にざわつく。
「こらー! ハル!」
先生もハル君を追いかけていた。
まさかハル君は、みくのために・・・
と思いながら
自分のスマホを見ていた。
みくが見てくれるまで。
・*。・ ハル ・。*・
みく・・・みく
どうしたんだ、
あいつが休むとは
何かあったに違いない!
と思いながら
俺は走る。
みくの家は分かる。
ゆうりが教えてくれた。
家について
インターホンを押すが
反応がない。
玄関のドアの取っ手に
手をかけると、開いていた。
靴を脱ぎ、みくを探す。
「みく! どこだ!」
と大きい声を出すと
「ハル・・・君・・・」
と、弱々しい声が聞こえた。
部屋を探し回って
みくを見つけた。
「私・・・熱出てるから
近づかないで」
と言って、布団を深く被った。
「お前、飯食ってないだろ」
と言って俺は
さっとお粥を作る。
「食えそうだったら
これを食べろ」
といって、俺は外に出た。
*........
私は熱を出し
卒業式当日まで
学校に行けなかった。
今年の卒業式は
卒業証書授与式のみ。
全員が受け取り終わると
集合写真を取った。
ハル君を探す。
あのときのお礼を言うために。
告白するために。
ハル君はたくさんの
男の子に囲まれ
話をしていた。
その様子をちらっと見ていると
目があった。
ハル君は「俺、少しあっちにいくわ」
と言って、私の方へ来てくれた。
「この日まで来れなかったから、
教室見て回ろう」
と誘ってくれた。
思い出の体育館。
音楽室。
これも見れるのは
最後かもしれない。
ゆっくり、ぐるぐるとまわる。
沈黙が続く。
気まずい空気の中
私たちの教室へ向かった。
「あの、ハル君」
「みく」
声が重なった。
「先にみくからいいよ」
といってくれた。
「ハル君・・・あの時、
私が風邪を引いたとき
お粥を作ってくれてありがとう。
美味しかった。それと・・・」
また沈黙が続く。
「私ね、ハル君のことが・・・」
目をつぶって言う。
少し時間がたったあと、
ハル君は私に近づき
「俺のことがどうした?」
と耳元で言う。
彼の声が頭の中に
響いている。
そして私は言う。
──「ハル君が好きです」──
どれぐらい
時間がたっただろうか。
ハル君は、黙りこんでしまった。
「先こされた」
と言って、私を軽く
抱きしめてくれた。
そして離れて
しゃがみこんだ。
右手にはペンを
持っていた。
私の机の足にイニシャルと
一言メッセージを書いていた。
みくのMと書いて
隣に「大好き」と書いていた。
私もつられてハルのHと書いて
大好きと書いた。
そして立ち上がり、
キスをした。
ひゅぅぅぅぅっと音がして
バンバン!! と花火が上がる。
私達を祝福して
いるようだった。
そしてお互い声をあわせて
「あなたのことが大好きです」
と言った。
*end*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
大月 美空

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