リアナリの花

CAST大月美空

作者：あんにゅうめん

2025.01.07

淡い桜の花びらが
ひらひら舞った時

確かに青空が
笑ったような気がした。

＊。　。・＊。　。・＊。　。・＊。　。・＊。　。・＊。

私は、大月美空です。

明日は、
小学校卒業の日。

そんな私には
保育園の頃から
片思いしている人がいます。

でも、その相手は
私とちがう
私立中学校に行くの。

涼「美空、おはよ」

それがいま
おはよって言ってきた涼。

何年間
片思いしてるんだっけ？

７年？

長すぎて
よくわかんないや。

涼「おーい、美空
どしたの？」

美空「あっ、ごめん。
考え事してた！」

涼「ｗｗ　美空らしいね」

明後日が
卒業の日だってことは
わかっている。

今日こそ伝えようって
思ってたら
すぐに明日が来て
その繰り返し。

授業中も涼の方ばっか見て
内容が頭に入ってこないの。

明日こそ絶対に
伝えようかな・・

でも、直接とか無理～

なんかいい方法
ないかな。

あっ！　そうだ。
あの子に聞いてみよ。

美空「ねえちょっと
助けてくんない？」

月海「何～」

この子は、クラスが同じで
よく恋愛マスターとかって
呼ばれてる。

この子、マジで可愛いの。
スタイルいいし
性格いいし。

じゃなくて！

美空「好きな人いるんだけど・・・
どう告ればいい？
手紙とか直接とかは
無理なの・・・」

月海「え!?　誰誰!?」

美空「でかい声
出さないでよ～」

月海「ごめんって。
で、誰なの？」

美空「えっと・・涼」

月海「まじ
意外なんやけど
えーそうだな
花言葉で伝えれば？」

「それいいね！
でも、なんの花に
すればいい」

「色々あるよ
向日葵とか・・
あとね、あっいいの
思いついた。
リアナリの花にしなよ」

りあなり？
初めて聞いた。
そんな花があったんだ、
やっぱりいざとなったら
月海たよろ。

「花言葉は？」

“この恋に気がついて”

「うん、それにする」

けど、その花見つけるの
大変だったんだよな。

やっと見つけたときは
うれしくて。

＋．．　＋．．　＋．．　＋．．　＋

ついにやってきた
卒業の日。

式が終わったあと・・・

「涼！
あのさ、これあげる」

「ありがと、美空」

涼「これあげる」

美空「これ何？」

涼「お前が小さい頃の
変顔の写真」

美空「なんで家に
とってあるんｗｗ」

『好きな人の写真だからに
きまっとるやん』

確かにあの時
涼がそういった気がした。

美空「え」

「ごめん、なんでもない」

それが、
涼と交わした
最後の言葉。

その写真の中に
１枚の紙が入ってた。

そこには

“ずっと好きでした”

そう書いてあった。

気がつけば
頬に涙がこぼれてた。

＊ｅｎｄ＊