私の好きな人。彼の好きな人。

CAST吉岡 優奈吉岡 優奈

作者:わかなっち

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.09.23

── 叶わない恋でも
 あきらめなければ
 涙では終わらない ──





* ‐‐‐ * ‐‐‐ *





私は、叶わない恋を
してしまった。





先生を好きになると
いうことは、





それなりに、覚悟が
必要ってこと。





私はそれを
甘く考えていた。













―― 教室 ――





ミオコ「ユナ!
いぬりんが、呼んでたよ」





ユナ「犬飼先生が??
行ってくるね」















→→資料室





ユナ「なんですか?」





タイヨウ「よく分かったね」





ユナ「話って・・・」





タイヨウ「俺。彼女できたんだ」





ズキッ





ユナ「なんで、それを
私に言うんですか」





タイヨウ「わからない。
でもお前に
言いたかったから」





ユナ「さいてーだよ」





タイヨウ「あ、待って!」



















→→校舎裏





ユナ「はぁー・・・」





ミオコ「どーしたのっ?」





ユナ「先生、彼女できたって」





ミオコ「はぁ!? いぬりんが?!」





ユナ「うん・・・」





ミオコは、私が
先生のこと好きって
知ってる。





いつも相談にのってくれて
頼りになる、大切な
家族みたいな心友。





ミオコ「でも、あきらめちゃ
ダメだからね?」





ユナ「私さ、初めてミオコに
先生が好きって相談したとき。
本当は全然、好きじゃなかった」





ミオコ「うん」





ユナ「私、両親いないでしょ?
だからさ、その悲しさ埋めるために
先生を好きになったの」





ミオコ「・・・うん」





ユナ「でもね。私の中で、
犬飼先生がどんどん大きな存在に
変わっていって、彼女ができたって
言われたとき、泣くの我慢してたんだ・・・」





ミオコ「泣いてもいいよっ!」





ユナ「うっうわーーんっ!泣」





ミオコ「ユナの中にも、
環境の変化があったんだね。
彼女がいたとしても、
いぬりんの彼女になれなかったとしても、
あきらめなければ、
笑顔で終われると思うよ」





ユナ「あきらめない・・・
うん! あきらめない!」





ミオコ「それでこそ、ユナだ!」





ユナ「ごめんね!
教室戻ろう」



















―― 放課後 ――





ミオコ「ユナ帰ろー!」





ユナ「うん!」



















→→帰り道





ミオコ「ねぇねぇ。あれ、
いぬりんじゃない?」





ユナ「え? どこ?」





ミオコ「門のところにいる人」





ユナ「本当だ」





ミオコ「いぬりんー!!」





ユナ「ちょっ! 声デカイよ笑」





タイヨウ「どーした?」





ミオコ「じゃあ、頑張って」





ユナ「えぇ?! なに!?」





タイヨウ「さっきは、ごめんな」





ユナ「いいえ。私こそ、
キレてごめんなさい」





タイヨウ「夫婦喧嘩みたいだな笑」





ユナ「ですねっ!笑・・・」





タイヨウ「やっぱ元気ないね」





ユナ「彼女さんと
幸せになってくだ・・・」





?「タイヨウー!」





タイヨウ「え? ミアン?
なにやってんの?」





ミアン「たまたま近く来たから、
迎えにきたよ」





タイヨウ「あぁ、紹介するね。
こちらは俺の・・・」





ユナ「さ、さよなら!!汗」





タイヨウ「??」



















―― 翌日 ――





気まずいなあ・・・





ヴヴ、何かフラフラする。





まあ大丈夫か!



















→→教室





さっきより
フラフラする・・・





あぁ。倒れそう。





バタッッ。





ミオコ「ユナ!? ユナ!! ユナ!!」





タイヨウ「吉岡! おい、しっかり」





ミオコ「いぬりん、
私もついてく!」





タイヨウ「じゃあ、保健の先生
呼んどいて」





ミオコ「おっけー!」



















→→保健室





保健「軽い貧血ね」





ミオコ「よかったあ」





保健「じゃあ、後はよろしく。
犬飼先生」





タイヨウ「はい!」





ミオコ「じゃあ、よろしくね。
いぬりん」

















→→1時間後





ユナ「?
ここは・・・保健室?」





タイヨウ「あ、起きた?」





ユナ「・・・なんか不思議」





タイヨウ「?」





ユナ「足が動かない」





タイヨウ「え?!」





ユナ「なんで・・・
動かない・・・泣」





タイヨウ「保健の先生
呼んでくるよ」





ユナ「ヤダ。行かないで」





タイヨウ「なに言ってんの」





ユナ「わ、わかった」



















→→5分後





保健「吉岡さー・・・
吉岡さんは!?」





タイヨウ「え? いませんか!?」





保健「手紙だ」





タイヨウ「教室戻るって・・・
どうやってだよ、あのアホ」



















―― 廊下 ――





ユナ「ううっ」





タイヨウ「おい、アホ」





ユナ「歩きたいの。
もう思い出したくない」





タイヨウ「なにを?」





ユナ「はぁ・・・
ちょっと座ります」





タイヨウ「こっち」



















→→階段





タイヨウ「なにを
思い出したくないの?」





ユナ「・・・まだ先生が、
この学校にくるまえ・・・
両親を亡くしたんです」





タイヨウ「っっ!」





ユナ「父親のほうは足を切断して、
その直後に亡くなったんです。
だから思い出しちゃうと
死にたくなる」





タイヨウ「そんなこと・・・
なんで、
言ってくれなかったの?」





《先生が好きだから》
なんて言えない・・・





「伝えたいことは、
言葉で伝えないと」





どこかから、
そんな声がした。





ユナ「・・・先生が、好きだからです。
彼女がいることも、
認めたくなかった・・・
でも、もう良いんです。
これで笑顔で終われます」





ギュッ。





ユナ「彼女いるのに、
そんなことしたら
ダメですよ」





タイヨウ「俺、彼女にフラれた」





ユナ「え?」





タイヨウ「ちゃんと考えたんだ。
俺が好きなのは、誰かって・・・
結果が、これだ」





ユナ「え? 私?」





タイヨウ「そう。
俺と、付き合って」





ユナ「・・・私で良ければ」





そして見つめ合い。
笑った。



















―― 5年後 ――





今日は、結婚式。





ミオコ「ユナ、きれー!」





ユナ「へへへっ」





みんなにも、
例え叶わない恋だとしても、
全力でがんばってほしい。





“失恋”っていう形で
終わったとしても、





それが全力で
頑張ったっていう証拠。







*end*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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