お願い！魔女！

CAST吉岡優奈

作者：あいなん

2022.01.12

私の住む町・ラニコ町では、
１００年以上続く
都市伝説があった。

それは・・・
夜７時に隣町の松の木に行って、
「お願い！　魔女！」と唱えると、
魔女が出てきて
願いをかなえてくれるそう。

あくまでも噂だけどね・・・

・＊。・　学校　・。＊・

優奈「ふう、月曜日って
朝からだるいー・・・」

結良「それな。
まじで無理。
てかその顔の傷
どうしたの？」

優奈「ん？」

鏡を見てみると、
大きな目の形をした傷が
顔に赤くなっていた。

優奈「うわっ！
なにこれ!?」

ニヤッ

結良「もしかして・・・！
あの呪いじゃない!?」

そうこの街にはもう１つ
都市伝説があった。

人を傷つけて自分を高める、
つまり「自己中」の人がいると、
魔女が怒り、赤い目が
顔に出るというものだった。

優奈「そ、そんなこと
ないよね・・・」

結良「ゆ、結良ちょっと
あっち行ってくる」

その呪いは、
人にも伝染するものだと
言われているため、
みんなに避けられた。

優奈「何なの、本当に」

フワッ

ふと気がつくと、
そこには隣町の
大きな松の木があった。

優奈「あれ、
空が暗い・・・
７時!?」

そうだ、呪い！
みんなに避けられるの
なんかやだ！

優奈「お願い！　魔女！」

人がだれ１人もいない隣町に
大きな私の声が
やまびこになって帰ってくる。

星奈「ん－、何？」

ね・て・る!!!!!!!!!!!!!!!!

星奈「あー、はい。
なんですか？」

優奈「え、えっと・・・
魔女さんですか？」

星奈「あ、はい」

優奈「私、『赤い目』に困ってて」

星奈「あー、それは人から
恨まれてないと
つかないよ」

優奈「それは誰ですか!?」

星奈「仕方ないなぁ、
だれか見てあげる」

周りの星が
きれいに光る。

星奈「ああ、
近藤結良って人だね」

優奈「え・・・結良？」

星奈「もう時間だから、
バイバイ」

・＊。・　次の日　・。＊・

優奈「結良！」

結良「何？」

優奈「あなたが呪いを
かけたんでしょ！」

結良「・・・」

優奈「ちょっと！
なんか言ってよ！」

結良「・・・そうだよ！
お前がうざいから！
いつもみんなに告白されて、
私の好きなレン君まで・・・」

結良「そんなお前は
私に必要ない！
だから消えてもらうの！
赤い目は、誰かに・・・
（紙に『エンド』と書く）
といわれると消えるの！」

優奈「ちょっと待って！
レン君は、
結良のことが好きだから、
相談に乗ってたの！」

結良「どうせ嘘だ！」

ギュッ

優奈「私がそんな人に見える？
小学生の時から
ずっと一緒でしょ？」

結良「う・・・でもでもっ！
お前は嘘しかつかない！」

レン「お、おはよう。結良。
ちょっと話したいことが
あるんだけど・・・
俺、お前が好き。
付き合ってください」

結良「・・・はい///」

優奈「ね、言ったでしょ？」

朝にはこんなことがあり、
何とか終われた。

・＊。・　放課後　・。＊・

結良「今日はごめんね。
ありがとう」

優奈「いや、別に」

結良「まさか
ハッピー『エンド』で
終われるとは
思ってなかったよ！」

優奈「結良、
今なんて・・・！」

結良「！」

結良は口を手で隠す。

優奈「え、嘘・・・体が！」

結良「え・・・！
えっと、えっと、
ごめん！」

結良「そうだ！　呪文！
えっと、なんだっけ」

優奈「『お願い！　魔女！』」

結良「そうだ！
お願い！　魔女！
優奈を元に戻して！」

星奈「仕方ないなあ、
わざわざ松の木の下から来るの
めんどかったんだよぉ」

サラッ

優奈「よかった！
戻ってる！」

こうして私は何とか
消えるのを防ぐことに
成功した。

友達との縁も
消えないからね！

＊ｅｎｄ＊