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キミとなら生きていける

CAST稲垣 来泉稲垣 来泉

作者:ゆっきん

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2026.03.09

――私はキミを好きになっちゃいけないんだ――





こんにちは。
稲垣来泉です。





小さい頃から体が弱く
学校に行くことも難しかったけど





今ではだいぶよくなってきた。





ピンポーン。





毎朝、私の家の
チャイムが鳴る。





その音を聞くたび
胸が高鳴る。





その高鳴りは普通だったら
恋をしていて幸せな
高鳴りなんだろう。





私は違う。





恋ではある。





でもこの恋は叶わない。





そして体の弱い私を
命の危険まで突き落とす。





?「くるみ。行こっか」





くるみ「うん」





やさしく声をかけてくれたのは
幼なじみの八神遼介。





私の恋の相手。





リョウスケは体の弱い私のために
毎朝迎えにきて
ゆっくり歩いてくれる。





ゆっくり歩くから
当然朝早くに家を出ないと
間に合わない。





それなのにリョウスケは
文句ひとつ言わずに
毎朝迎えにきてくれるんだ。





きっと迷惑を
かけているんだろう。





そしてリョウスケの彼女にも
迷惑をかけているんだろう。





そう。
リョウスケには彼女がいる。





だから私はキミを
好きになっちゃいけない。





好きという気もちを伝えたら
もっと迷惑をかけてしまうから。





リョウスケ「だいじょうぶか?
辛かったら言えよ?」





くるみ「全然だいじょうぶ」





そんな風にされたら
あきらめられるものも
あきらめられなくなっちゃうよ。





もっと好きになっちゃうよ・・・













・*。・ 教室 ・。*・





?「くるみ! おはよ!」





くるみ「ルナ、おはよ」





この子は心友、白尾留菜。





こんな私と
仲よくしてくれている。





そしてリョウスケの彼女。





好きな人の彼女が
心友なのです。





リョウスケ「おいおい。
彼氏の俺にはないの?」





ルナ「あら? いたのー?笑」





リョウスケ「いましたよーだ!」





ルナ「気づかなかったわー。
失礼失礼」





くるみ「クスクス」





ルナ「くるみ~! 笑うなよ~」





くるみ「面白いもん」





このふたりのやり取りを
みるのは辛い・・・





辛いけど
やっぱり面白い。





心も痛むけど。





いやいやいやいや!





私はふたりが幸せなら
それでいいんだ!





?「稲垣、ずっとひとりで
首ふったりしてなにしてんの?」





くるみ「へ? 北島くん?」





こりゃびっくり。





とてもとてもモテる
北島岬くん。





リョウスケの心友。





ミサキ「ずっとひとりで
首ふったりしてるよね?
リョウスケ」





リョウスケ「確かに笑」





くるみ「うそ! はずかし!」





リョウスケと話してる時間が
ずっと続けば・・・





じゃないだろ私!





ルナとリョウスケには
ずっと幸せでいてもらわなくちゃ。













・*。・ 休み時間 ・。*・





ルナは委員会の仕事に
行っちゃったから、今はひとり。





ミサキ「稲垣!」





くるみ「北島くん?
どうかしたの?」





ミサキ「いや・・・
話しに来たよ!」





くるみ「私なんかと?」





ミサキ「ぶぶー!」





くるみ「え?」





ミサキ「私なんかとじゃないよ。
稲垣とだよ!」





くるみ「いやいやいやいや、
私は私なんかでじゅうぶん」





ミサキ「じゅうぶんじゃないよ。
俺は稲垣じゃなきゃ嫌だ」





くるみ「・・・わかった」





ミサキ「よし! いいこだね」





そう言いながら北島くんは
私の頭をくしゃくしゃとなでた。





ミサキ「あー!
くるみの髪の毛ボサボサ!」





くるみ「北島くんのせいでしょ!
・・・ん? 今くるみって・・・」





ミサキ「くるみってよんで
いいでしょ?」





くるみ「うん・・・!」





ミサキ「じゃあくるみも俺のこと
名前でよんで?」





くるみ「ミ、ミ、ミ、ミサキくん!」





ミサキ「ミ多すぎ笑
でも良くできました!」





くるみ「あー! もう!
またボサボサにして!」





ミサキ「いいじゃん!」





くるみ「///」





リョウスケ「・・・・・」





ルナ「あれー、
リョウスケどーした?」





リョウスケ「お! ルナ。
委員会の仕事終わったの?」





ルナ「うん!
てか、ミサキとくるみ
いつの間に仲よくなったのよ」





リョウスケ「さー?」





くるみ「あっ・・・」





ミサキ「どーした?」





くるみ「いや・・・」





リョウスケとルナしゃべってる・・・





いやいやいや!





カップルなんだから
当然でしょ!













・*。・ 放課後 ・。*・





ルナ「ねー! くるみ!」





くるみ「どーしたの?」





ルナ「あのね、今度リョウスケと
デートしたいんだけど
ふたりじゃ恥ずかしいんだよね・・・
だから4人で遊ばない?」





くるみ「リョウスケとかルナがいるなら
だいじょうぶだと思う!
・・・4人って誰?」





ルナ「やだなー!
ミサキだよ!」





くるみ「なんでミサキくん?」





ルナ「なんでって、くるみは
ミサキが好きなんでしょ?」





そんな風に見えてたのか。





リョウスケはどうせ
あきらめるしかないんだ。





だったらミサキくんが
好きってことにしておこうかな。





辛いけど・・・





くるみ「そうそう!
さすがルナ!」





ルナ「当たり前じゃん!
じゃあばいばい!」





くるみ「うん!」





・・・リョウスケとルナのデート
見なくちゃいけないんだ。





ふたりの姿を
しっかり目に焼きつければ
リョウスケをあきらめられる。





ミサキくんが好きってことに
なっちゃったし。





どっちにしろ私は
恋なんかしちゃいけない。





私はいつこの世から
いなくなるかわからない
人間なんだもん。





気づいたら涙が出ていた。





そしたら。





ガラッ。





教室の扉が開いた。





リョウスケ「くるみ帰ろー。
あれ? くるみ、どーした!」





リョウスケが机とかを押しのけて
駆け寄ってきてくれた。





リョウスケ「どっか痛むのか?
苦しいのか? 立てるか?」





くるみ「ううん。
どこもなんともないよ。帰ろ!」





リョウスケ「本当にだいじょうぶ?」





くるみ「もちろん!」





リョウスケ「それならよかった」





リョウスケは
ほっとした顔をしている。





私になにかあったら
リョウスケが責められちゃうもんね。





家が隣ってだけでママに
私をよろしくって
頼まれちゃったんだもん。





そのことをわかってるから
ルナもなにも言わない。





リョウスケが心配してくれたのが
私のことを本当に心配してくれた訳じゃなくて
ママに頼まれたからなんだって思ったら
悲しくなった。





リョウスケ「さっきルナに
遊ぼって言われたんだけど
お前遊べるの?」





くるみ「リョウスケ達がいれば
だいじょうぶだと思う」





リョウスケ「そっか楽しみだな!」





くるみ「うん」





リョウスケ「じゃーな!」





くるみ「ばいばい!」













・*。・ くるみ宅 ・。*・





くるみ「ママー」





ママ「どーしたの?」





くるみ「今度リョウスケくん達と
遊びにいくね」





ママ「リョウスケくんがいるなら
安心だけど・・・
無理はしないでね」





くるみ「だいじょうぶだよ」





無理しないのは簡単だから
だいじょうぶだよ。





でも、心はだいじょうぶじゃない。





ルナとリョウスケが
ラブラブしているところ
目の当たりにしなきゃいけないんだもん。





がまんしなくちゃ。





あきらめなくちゃ。













・*。・ 翌日 ・。*・





ルナ「遊ぶの今週の日曜日はどう?」





ミサキ「いいよ」





リョウスケ「俺も!」





くるみ「私も~」





ルナ「決まりだね!」





くるみ「うん!」













・*。・ 日曜日 ・。*・





ドクンドクンドクン。





今日は心臓の調子が
あまりよくないかも・・・





でもルナとリョウスケのデートを
見守らなくちゃ。





ピンポーン。





ママ「くるみー。
リョウスケくん来たわよ」





くるみ「今いく」





ママ「体調はどう?」





くるみ「心臓の調子が
あまりよくないけど、だいじょうぶ」





ママ「本当に?
一応リョウスケくんに伝えようか?」





くるみ「ううん!
言わないでっ!」





くるみ「・・・?」





くるみ「はぁはぁはぁ。
ごめん大声だして。
だいじょうぶだから。
・・・行ってくるね」





ママ「気をつけてね」













*・*・・・*・・・*・*





くるみ「お待たせ!」





リョウスケ「おう。
大声聞こえたけど、どうかした?」





くるみ「ううん、なんも!」





心臓の調子がよくないなんて言って
リョウスケに心配かけられないよ。





リョウスケには楽しんでもらわないと
いけないんだから。





リョウスケ「じゃあ行くか!」





くるみ「うん」





ふらっ。





リョウスケ「おっとだいじょうぶ?」





少しふらついた私を
支えてくれた。





くるみ「うん。
昨日楽しみすぎて
眠れなかったの笑」





リョウスケ「遠足前の子どもかよ。
まぁ危ないから手、つなぐか」





くるみ「ちょっとなに言って・・・」





リョウスケは私の言葉も聞かずに
手をつないできた。





でも、それがただうれしくて
私はそれ以上なにも言わなかった。













・*。・ 待ち合わせ場所 ・。*・





私たち以外
まだ誰も来ていなかった。





ルナに手をつないでるところを
見られなくてよかった。





リョウスケ「あそこにベンチあるから
座って待ってようか」





くるみ「うん」





リョウスケのやさしさが
あたたかかった。





しばらくして
ルナとミサキくんが来た。





ルナ「じゃあ行こっか!」





やたらとテンションが高く
すたすたと行ってしまうルナ。





ゆっくりとしか歩けなくて
全く追いつけない私。





そんな私にあわせてくれる
リョウスケ。





さっきから何を考えているのか
わからないミサキくん。





私のせいで迷惑かけてるな。





ルナ「リョウスケ来てきて!」





リョウスケ「ルナ! ちょっと待って。
くるみが・・・」





くるみ「私はだいじょうぶだから
行ってあげて」





リョウスケ「でも・・・」





ミサキ「俺がついてるから安心して」





リョウスケ「わかった。ルナなに?」





ルナ「これすごくない?
あっ! あっちも!」





くるみ「ルナとリョウスケ楽しそう・・・」





ミサキ「うらやましいの?」





くるみ「え?」





まさか声に出てた?





ミサキ「くるみって
リョウスケが好きなの?」





くるみ「まっさかー!
あるわけないじゃん」





ミサキ「へー。
俺さ、くるみが好きなんだよね」





くるみ「へー。・・・ん?
わ、私!?」





ドクンドクンドクン。





びっくりして心臓が・・・





くるみ「うっ・・・」





ミサキ「くるみ? だいじょうぶ?」





くるみ「うん。だいじょうぶだいじょうぶ。
心配かけてばっかりでごめんね」





ミサキ「だいじょうぶだけど・・・
あそこのベンチで休もっか」





くるみ「うん」





ミサキくんは私の手をひいて
いってくれた。





ルナとリョウスケが
こっちに向かって戻ってきた。





あっ、ルナがリョウスケの腕に
抱きついてる。





つきあってるんだもん。
当たり前か。





こんな光景も見る覚悟で
来たんだから。





ドクンドクンドクン。





苦しい・・・





頭が変な感覚に
襲われてる。





リョウスケ「お待たせ・・・くるみ!?」





くるみ「はぁはぁはぁ」





リョウスケ「くるみ、俺のことわかる?」





リョウスケがベンチに座ってる
私の目線に合うようにかがんでくれた。





くるみ「はぁはぁはぁ。
リョウス・・ケ・・・」





リョウスケ「そう。リョウスケだよ。
どーした?」





くるみ「・・・くる・・・しい・・・」





リョウスケ「だいじょうぶ。
俺がついてるからな」





リョウスケのその一言を聞いて
私の意識は途切れた。













・*。・ 病院 ・。*・





くるみ「んんっ」





ルナ「くるみ・・・わかる?」





くるみ「ル・・ナ」





ルナ「そうだよ。ルナだよ」





ルナが泣きそうな顔して
私を見つめている。





ミサキ「くるみ、だいじょうぶか?」





くるみ「なん・・・とか」





ガラガラ。





病室の扉が開いた。





ルナ「リョウスケ!
くるみ目覚ましたよ」





リョウスケ「本当か!
悪いんだけどルナとミサキ、
くるみとふたりにしてくれる?」





ミサキ「わかった。ルナ行こう」





ルナ「うん」





・・・・・・・・・・・・・





リョウスケ「くるみ」





くるみ「ごめんなさい」





リョウスケ「なんで無理したの?」





くるみ「無理はしてない。
もともと今日は心臓の調子が
よくなかったの。でもね・・・」





リョウスケ「でも?」





くるみ「びっくりしたり
辛かったりが続いて
心臓に負担をかけちゃったの」





リョウスケ「びっくりしたことって?」





くるみ「・・・ミサキくんに告白された」





リョウスケ「ミサキに!?」





くるみ「うん」





リョウスケ「辛かったことは?」





くるみ「教えない」





リョウスケ「なんでよ」





くるみ「嫌だもん。
リョウスケがルナと何があったか
教えてくれたらいいよ」





リョウスケ「俺は・・・」













・*。・ くるみが倒れる少し前 ・。*・





ルナ「見てみてリョウスケ!
これかわいいよ!」





リョウスケ「うん。
ルナ、そろそろ戻ろうよ。
くるみのことほっとけないよ」





ルナ「くるみならミサキとふたりで
仲よくしてるじゃん」





リョウスケ「それが嫌・・・」





ルナ「私ね!
リョウスケがずっと好きだよ。
私たちつきあってるよね?
なのにどうしてくるみばっかりなの?
好きじゃないんでしょ?
じゃあふたりの時くらい、私のこと見てよ!」





リョウスケ「ごめんな.
くるみのお母さんに頼まれてるんだよ」





ルナ「そんなの関係ないよね?
自分の気もちわかってるんでしょ」





リョウスケ「・・・ごめんな」





ルナ「もうもとには戻れないよ。
今日で終わりにしよう」





リョウスケ「うん」





ルナ「そのかわり!
今日は今までの分ラブラブして
終わりにしよう!」













・*。・ 現在 ・.*・





リョウスケ「っていうわけ」





くるみ「私のせいだね。ごめん。
だから別れないでよ!」





リョウスケ「もう決めたことなんだ。
で、辛かったことは?」





くるみ「・・・リョウスケとルナが
ラブラブなところ見て
辛くなった・・・」





リョウスケ「俺もミサキとふたりでいるのが
嫌だった。
告白されたって聞いて、辛くなった」





くるみ「それってどうゆう・・・」





リョウスケ「くるみのことがいつの間にか
好きになってたんだよ」





リョウスケの顔が
真っ赤になってる。





くるみ「私も・・・
私もリョウスケが好き!
でもつきあえないよ」





リョウスケ「どうして?」





くるみ「私がいつこの世から
いなくなるかわからないじゃん。
いなくなったらリョウスケ、
悲しくなっちゃう」





リョウスケ「お前はいなくならない!」





くるみ「そんなこと・・・」





リョウスケ「くるみはいなくならない!
俺が絶対に守るからそんなこと言うな!
だからつきあって」





くるみ「うん・・・!(泣)」





ぎゅっ!





私はリョウスケに
抱きついた。





リョウスケ「よしよし。泣き虫くるみ」





そんな私をやさしく
包みこんでくれるリョウスケ。





くるみ「泣き虫じゃないもん」





リョウスケ「はいはい」













――誰かを好きになっちゃいけない――





そんな人は絶対にいない。





私たち人間はたくさんの愛で
溢れている。





『好き』





そんな思いを
閉じこめてはいけない。





なにがあっても
前を向いて歩いていく力を
私たちは持っている。





大切な人と生きる力を
持っている。





この世に生まれてきたことを
悔やまずに





何があろうと
前を向いて歩いていこう。





リョウスケと出逢えて
この世に生まれてきて
よかったと思えた。





体は弱いけど心を強く
生きていきたい。







*end*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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