私の命。
作者:りこ
――あなたは自分の命、
大切にしていますか? ――
* ‐‐‐ * ‐‐‐ *
あ、どうも。
ニコラ学園の
中学3年生です。
名前?
あー私は、稲垣クルミ。
普通に中学校生活
送ってます。
「クルミー!!
おっはよー!」
常に元気な私の心友、
リリカ。
クルミ「おはよー。リリカ」
「クルミーリリカー、はよー」
クルミ「ハルキ! おはよー」
リリカ「おはよー!!!」
ふらっ
クルミ「おっと、あぶなー」
ハルキ「最近よくふらつくよな」
リリカ「・・・・・」
ハルキ「また病気か?
病院行くだろ?」
クルミ「だ・・・だいじょうぶ!!
検査の結果が出るだけー!」
あのね?
私、ハルキやリリカには
言えないけど、
病気・・・が
また発症したっぽいの。
やだな・・・
――― 病院 ―――
先生「単刀直入に言います。
稲垣さんの体は非常に危険な状態で、
また発症しました。
100万人に1人の確率です」
クルミ「・・・先生・・・なんで、
なんでいつも私・・・
なんですか?」
先生「・・・残念です」
よく、運命とかって言うけどさ。
こんなのひどすぎる。
この病気は
100万人に1人の難病で
中1のときもなって。
あのとき、あんなに
苦しんだのに・・・
もう・・・やだ。
クルミ「学校には行けますか?」
先生「数日間なら・・・」
――― 学校 ―――
2人は、私の病気のこと
知ってて。
ハルキ「どうだった?」
クルミ「また・・・」
リリカ「クルミ!
元気出して!
うちらがついてる!」
クルミ「ハルキ、リリカ。
あのね? 私、多分もう、
学校来れない。
それに多分・・・」
死ぬ。
って、ことは話さなかった。
自分が苦しくて。
その気もちは変わらなくて。
リリカ「え・・・?
なんで・・・」
ハルキ「病気・・・か?」
私はうなずけなかった、
自分が死ぬってことを
認めたくなくて。
言い訳してるみたいで
つらかった。
クルミ「・・・うっ、
リリカ・・・ハルキ・・・」
リリカ「・・・ひっくうぇーん」
ハルキだって泣いてた。
ごめんね・・・2人。
――― 翌日 ―――
この日から私は
入院した。
もう、背いてなんて
いられない。
現実と向き合わなきゃ
いけないから。
ガラガラ。
先生「稲垣さん、
前回の検査で・・・」
クルミ「なんですか?」
先生「落ち着いて聞いてください。
このまま容体が急変しない限り、
余命1ヶ月もありません」
私の生きていられる時間が
決まってしまった。
頬に一滴の涙がこぼれた。
はぁ。
もう学校が終わる頃か・・・
ガラガラ
リリカ「クルミっ!」
ハルキ「クルミ」
クルミ「私の命、1ヶ月も持たない」
リリカ「何言ってるの?」
ハルキ「クルミ・・・
いままで言えなかった。
俺、好きなんだ・・・
クルミのことが」
クルミ「ありがとう」
ハルキの笑顔が
私を笑顔にした。
――― 1週間後 ―――
なんか調子が悪い。
だるくて。
バタッ
ピー
ガラガラ
先生「稲垣さんっ、稲垣さんっ」
クルミ「ごほっ、ごほっ」
わたしは一命を取り留めた。
リリカ「クルミ!」
クルミ「て・・・手紙」
――― 1週間後 ―――
私の体は、
限界を迎えていた。
そこには
みんなが来てて、
涙を流してる。
みんな・・・
さようなら。
ピー
先生「午後3時42分、
ご臨終です」
母「ハルキくん、リリカちゃん
これクルミから」
―――――――――――――――――――――――
リリカへ
リリカと、ハルキと私は
小さい頃から一緒だね。
悩んだときも、困ったときも、いっつもリリカが
そばにいてくれたから、のりこえられました。
病気になって迷惑かけたけど、
わたしは楽しい時間を過ごすことができました。
大好き。
クルミ
―――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
ハルキへ
好きって言ってくれてありがとう。
あのときは言えなかったけど
私もだーい好きだったよ。
ハルキの笑顔は私を
一回りも二回りも強くしてくれて
なんども勇気づけられたよ。
なんども言うけど、本当にありがと。
ばいばい。大好き。
クルミ
――――――――――――――――――
私ね?
「愛されてない」
「自分が嫌い」
っていう言葉を
なんども聞いてきた。
愛されてない子なんて
いるわけない。
愛情なんて
見えないから。
見えないのが
ドキドキしたり、
苦しくなったり。
もっと自分に
自信を持って。
私も、もっと早く
ハルキに好きって
言っていたら・・・
って、思ったけれど、
そんなの変わらない。
人を思う気もちは
大きさなんて関係ない。
思っているから
思う意味がある。
あきらめない気もちと
まっしぐらに進む勇気が
人間を強くする。
――あなたは自分の命
大切にしていますか。――――
*END*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
稲垣 来泉

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