じゃんけんポンで決まること

CAST相沢伊吹

作者：らにゅ

2025.12.13

こんにちは！
相沢いぶきです！

リヒト「おい！　いぶき！
早くしろ！　歩くのおっそ！」

こいつは、川上リヒト。
同じクラスで隣の席。

関係？
ケンカ友達かな。

いぶき「もー！
うるさいなー！」

今は学校の帰り道。

一緒に帰ってるから、
周りから「つきあってるの？」
なんて聞かれた。

・・・ないない。

今日は委員会があって、
同じ委員で、
同じ方向に帰るから、
たまたま一緒に帰っただけ。

リヒトとつきあうなんて、
ありえなーい。

リヒト「おい、いぶき！
コンビニ寄ろうぜ！」

いぶき「いいよー」

コンビニでお菓子を買って、
食べながら帰る。

リヒト「お、いぶきのうまそー。
１コちょうだい！」

いぶき「はぁー？　なんでよ！
リヒトもこの味、
買えばよかったでしょ！」

リヒト「だって
コッチもうまそうだしー」

リヒトは
うーんと考えてから、
ニヤリと笑った。

この顔。
何かたくらんでるな。

リヒト「じゃ、
俺がじゃんけん勝ったら、
１コちょーだい」

いぶき「はぁー!?　何それ！」

リヒト「いーから。
じゃーんけーん・・・ポン！」

う・・・負けた・・・

リヒト「イェーイ。俺の勝ち！
１コもーらい」

もー！　くやしーい！

次は負けない！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

リヒト「いぶきー！
俺、今日誕生日！」

いぶき「はいはい。オメデトー」

リヒト「で、あのさー」

ニヤニヤ笑っている
リヒト。

今度は、なに？

リヒト「俺に、
プレゼントちょーだい！」

いぶき「やだー！」

リヒト「じゃあ、
俺がじゃんけん勝ったら
ちょうだい。
じゃーんけーん・・・」

いぶき「ちょっ・・・まっ・・・」

リヒト「ポン！」

また負けたー！

いぶき「ちょっとー！
今のは心の準備が・・・」

リヒト「そんなの
関係ありませーん。
明日までに準備しろよ！」

ムカつくー！

次はわたしが
じゃんけん勝って、
何かしてもらう！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

いぶき「はい。プレゼント」

リヒト「やったあー！」

なんでこんなに
喜んでんだろ。

ま、今日は反撃だ！

いぶき「で、リヒト。
お願いが・・・」

リヒト「ん？」

いぶき「わたしが
じゃんけん勝ったら、
壁ドンして！」

リヒト「は!?」

いぶき「いっくよー。
じゃーんけーん、ポン！」

やったあー！
わたしの勝ち！

いぶき「やったー！　勝った！
リヒト、早く！」

リヒト「いいよ」

ちょっと顔を赤くした
リヒトが近づいてくる。

・・・ドン。

クラスの女子が
キャーッと騒ぐ。

うう・・・
自分で言っといて、
恥ずかしい。

顔をあげると
リヒトと目があった。

お互い勢いよく目をそらす。

ま、仕返しは
成功ということで！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

それからも、わたしたち２人は
じゃんけんで勝負をしてきた。

ほとんどはお菓子をかけて
勝負してきたけど、

たまーに、
「アゴくいして！」とか、
「後ろからギュってして！」など、

ラブシチュエーションをかけて
勝負もしてきた。

リヒトも、
「あーんってして」とか、
「手ぇつないで！」とか言ってきた。

このやり取りをしていると、
リヒトへのドキドキが
どんどん大きくなっていく。

そして、わたし、
気づいちゃったんだ。

このドキドキが、
恋だって。

そして、１つ決めた。

もし、次じゃんけんで
わたしが勝ったら、

リヒトに「キスして」って
頼んでみる。

それでもしリヒトが
キスしてくれたら、
リヒトに告白するって。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

今は学校の帰り道。

隣にはリヒト。

勇気を出して
言うことにした。

いぶき「リヒト！　じゃんけんしよ！
もしわたしが勝ったら、キスして！」

リヒト「は!?」

いぶき「じゃーんけーん・・・ポン！」

わたしの勝ち！

顔を赤くして、
下を向いたリヒト。

お願い。
いいよって言って。

リヒト「ゴメン。ムリ・・・」

そうだよね。

わたしとキスなんて、
したくないよね。

分かりきっていたことなのに、
スゴく胸が痛い。

涙がでてくる。

いぶき「ゴメンね。
わたし帰るね、バイバイ」

走って帰ろうとしたら、
リヒトに腕をつかまれた。

リヒト「待てよ！
・・・俺、じゃんけんをすれば、
いぶきといっぱい話せて、
これでいいと思ってた。
でも、だんだんそれだけじゃ
足りなくなってきた。
いぶきともっと話したい。
じゃんけんなんかで、いぶきとキスしたくない。
ちゃんと・・・いぶきに告白してから
キスしたい。
いぶき！　好きです！
俺の彼女になってください！」

いぶき「・・・はい！」

２人の顔が
近づいていって・・・

わたしたちはキスをした。

最初はありえないって
思ってたけど・・・

今はリヒトが
大好きだよ。

リヒトの彼女になれて、
本当に幸せです。

＊ＥＮＤ＊