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霊感少女は幽霊に好かれる

CAST相沢 伊吹相沢 伊吹

作者:M

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.03.11


・*。・ 相沢イブキ  ・。*・





「私、霊感があるんです」





私、相沢イブキは
決死の告白をした。





「視えてしまうんです」





私が振り返ると、





背後には・・・
足が透けた少年。





「この人は・・・誰・・・?」





「ふんふん、なるほど」





相談相手になってくれている
神社の巫女さんは、
笑みを浮かべた。





「彼、あなたに
一目惚れしたそうですよ」













・*。・ 学校 ・。*・





「まじか・・・
私にはさっぱり
視えないけどなぁ」





「・・・幽霊から好かれても
うれしくないんだけど・・・!」





「ってか、その幽霊って
男子だよね? イケメン?」





面白半分で話しているのは
親友の松尾ソノマ。





「まぁ・・・顔は悪くないけど、
四六時中つきまとわれてるんだよ?」





「イケメンでも嫌だよ・・・」





「ねーあなた、名前は?
なんで死んだの?」





「・・・・・・」





「・・・北島・・・
ミサ・・・キ・・・」





「えっ、しゃべった!?」





ダメ元で質問したら、
まさかの返事がかえってきて驚く。





「交・・・通事故・・・」





「! そ、そっか、交通事故で・・・
って、きゃあああああ!!」





目の前に突然現れたのは、
迫り来る車輪。





私に突っこんでくる自転車。





「あぶ・・・な・・・い!」





ドンッ





衝撃はなかった。





謝りもせず
去っていった自転車。





うずくまった、
ミサキくん。





「! だいじょうぶ!?」





「大・・・丈夫・・・
俺、死んで・・・るし」





彼が、私を身をていして
守ってくれたのだ。





「・・・相沢さん・・・は、
・・・だいじょうぶ・・・?」





「私は、だいじょうぶだよ!」





しかし、それは
まだ始まりだった。





「きゃあああああ」





「あぶ・・・な・・・い!」





「きゃあああああ」





「あぶ・・・な・・・い!」





「きゃあああああ」





「あぶ・・・な・・・い!」





その日のうちで計4回も
私は自転車にぶつかられそうに
なったのだった・・・













・*。・ 神社 ・。*・





「それは、まずいね・・・」





いつもの巫女さんに相談すると、
彼女はきびしい顔をした。





「ミサキくんの体が
死にそうになっているのかも」





「?
・・・どういう、ことですか?」





「ミサキくんはもう
死んでいるから幽霊に・・・」





「いいえ。
彼の体は、まだ生きている」





「ただ、魂が、迷子になって
しまっているのね」





「迷子?」





ミサキくんを見ると、
彼は静かに首を振った。





「俺・・・わからない・・・」





「いいえ。
忘れているだけ」





巫女さんは、
ミサキくんを強く見た。





「思い出して。
いまなら、間に合う」





「あなたの体は・・・
どこにあるの?」





「!!! ・・・!」





急にハッとしたように、
ミサキくんは口を動かした。





「病・・院・・・俺・・・」





「ずっと、・・・事故から
・・・眠って・・・!」





巫女さんは、
ほっとしたように笑った。





「帰りなさい。
あなたの体が、待っているから」





「・・・俺・・・」





「行って! 早く!」





「私、実体のある
あなたに会いたい」





「ほら」





私は、手を差し出す。





ミサキくんの手は、
私に触れようとして・・・
空を切った。





「手を握れるようになって」





「また会おう」





「! うん・・・!





俺・・・イブキが・・・
好きだ・・・!」





そう言って、
彼は消えた・・・





「本当に危なかった」





「ミサキくんが死の世界に
近づいていたのに、
相沢さんも
引っ張られていたんだよ」





「そうだったんだ・・・」





「ありがとうございました、
えっと・・・」





名前を言おうとして
声が詰まった。





(・・・あれ?
巫女さんって、
なんて名前だっけ?)





「北島ヒマリです」





「あ、北島さん・・・って、」





「えっ!?」





「北島ミサキの姉なの」





「ミサキってば、私って
全く気がつかないんだから・・・」





「でも・・・」





「でも、相沢さんのおかげだよ」





ピロン、と
メールの着信音が鳴り、
巫女さんは涙を浮かべた。





「いま、ミサキの意識が
戻ったって・・・」





「私、お見舞い行きますね」





「お願い!
あ、あとそのとき」





「手を握るのも忘れずに」





クスリ、と笑った
巫女さんに、





思わず赤面してしまう
私だった・・・











・*。・ 数日後 ・。*・





「久しぶり」





「・・・イブキ!」





私は、ミサキくんの手に、
手を重ねる。





温かく、私より少し大きい
その手は・・・





実体があった。













・*。・ 松尾ソノマ ・。*・





「ついにイブキにまで
彼氏ができてしまった・・・!」





頭を抱えて絶叫する。





私、松尾ソノマ。
14歳。





彼氏いない歴も
14年・・・





「リア充爆発しろー!」





「私、リア充ですが?」





親友、相沢イブキの
ツッコミに、
私はイブキにすがりついた。





「うわーん
置いてかないで~」





「でもソノマ、
モテるじゃん」





「まぁ~
それはそうですが?」





イブキにドヤ顔しつつ、





「でもさー、
好きじゃない人に
モテてもねー」





「でも、彼氏作りたかったら
いつでも作れるじゃん!」





「理想の人が現れればねー。
現実はギャップありすぎて、無理」













・*。・ 昼休み ・。*・





「げっ、お弁当忘れた!」





「ええっ」





いつも通り、イブキと
机を並べていた私は、
リュックをあさり、青ざめる。





「お、おおお俺、
弁当2つありゅから
いりましゅか!?」





(噛んでる・・・)





顔を赤くして私に
お弁当を差し出したのは、
クラスメイトの松瀬ダイジ。





「ほんと? いいの!?」





「つまらないものでしゅが!」





(・・・また噛んだ)





「ありがと・・・!
また何かおごるね」





受け取った弁当は
キャラ弁だった。





「かわいい・・・
しかもおいしい・・・」





「女子力高いね」





「てか、松瀬くん
絶対ソノマのこと好きでしょ!」





「2回告られた」





「えっ、2回も!?」





「そう。いまも多分
好意を持ってくれてるんだろうけど・・・」





「松瀬くんって
勉強もスポーツもできるし
やさしいし
料理までできるし・・・
めっちゃいいじゃん」





「そういう問題じゃない」













・*。・ 放課後 ・。*・





「好きですっ
つきあってください・・・!」





「ごめんね、
まだ恋とかわからなくて」





(この人、誰?)





断りながら、
内心首をかしげる。





(話したことないよね?)





(・・・話したこともなくて、
知らない人同然の私のことを)





(どうやって
好きになれるんだろ)





答えは知っていたけど。





・・・認めたくなかったから。





「要は、顔が好きだったって
ことでしょ」





「キッツー
まぁ一目惚れとかは
そうだよね」





イブキは苦笑い。





「なんか嫌なんだけど」





「え?」





本当に、嫌だった。





「だって、‘私’を
好きなんじゃなくて」





「‘私の顔’を
好きになられてばかりいてさ」





「顔だけしか見てないくせに、
それで‘私‘が好きって言われると」





「恋って何?、
私は顔だけの人間なの?
って、なんか虚しくなってくる」





顔がタイプだったら、
人を好きになるの?





(違う)





(私の理想の人は・・・)





「私の理想の人ってね、
私自身のことを
好きになってくれる人なんだ」





「顔じゃなくて、私の中身を」





「・・・全然高くない理想だと
思うんだけどなぁ・・・」





「高くない理想を
高くしているのは・・・
この顔だ」





ずっとモヤモヤしていた。





かわいく生まれて、
恵まれていると思う。





かわいい自分を、
誇りにも思っている。





だけど、ときに
普通がうらやましくなる。





「じゃあさ、いっそ
崩しちゃえ」





イブキが言った。





「え?」





「かわいくなる反対。
メイクで、
顔を崩してみるの」





イブキの提案に、
私はつい、
いたずらっ子のように
目をキランとさせてしまった。





「何それ。
めっちゃおもしろそう!!」













・*。・ 翌日 ・。*・





目の下に濃いブラウンの
アイシャドウで作った、クマ。





唇は紫色のリップを
塗りたくり、
髪の毛はボサボサ。





廊下で、昨日
告白してきた男子と
ばったり会った。





「!?」





男子は、驚きを見せたのち、
慌てたように
早足で去っていった。





(・・・小澤・・・
1年だったんだ)





記入されていたスリッパで、
名前と学年を知る。





「松尾さん!
・・・あの、今日も俺、
お弁当2つあって、
よかったら・・・」





振り返ると、松瀬ダイジ。





「! ・・・ど、どうしたんですか・・・
その、顔・・・」





(・・・どうせ、
かわいくない私になんて、
興味ないよね)





「別に?
フツーだけど?」





「何か、悩みごととか・・・
あるんですか?」





思わぬ言葉。





「えっ?」





「おお俺でよければ
相談に乗りまひゅよ!」





(・・・噛んでる)





少しあきれながらも、
自然と顔がほころんだ。





(なんだ)





(いつもと、
変わんないじゃん)





「あのさ、
私のどこが好きなの?」





「ええっ!」





「え、えっと、その、
明るくて・・・
見てたらなんか
元気をもらえて・・・」





「・・・美味しいものを
食べてるとき、
すごくうれしそうにしてるとこが
しゅきでしゅ!」





「噛みすぎ!(笑)」





「でも・・・」





心の底から、笑う。





「めっちゃうれしい!」





(顔じゃなかった)





(この人は、‘私’を
好きになってくれていたんだ)





「・・・そだ、
今週末、空いてる?」





「えっ?」





「昨日のお弁当のお礼!
一緒になんか食べに行こ!」





「は、はい・・・!」





「あと、なになに
今日もお弁当2つあるの?」





「お昼もいっしょに
食べちゃお!」













・*。・ 小澤テルノスケ ・。*・





「好きな人できた!」





俺、小澤テルノスケが言うと、
友達の今井ハルトは
あきれ顔をした。





「テルノスケ、たしか先月に
一目惚れした先輩に
振られたばっかりじゃなかったけ?」





「今回はガチで
好きになったの!」





「・・・はいはい、
毎回それ言ってるけど(苦笑)」





「そんなんだと
ヒメノちゃんに怒られるぞ?」





「んだよ、ヒメノは
関係ないじゃん」





思わぬところで
幼なじみの名前を出され、
ポカンとすると、





「・・・鈍いやつめ」





ハルトは、
ため息をついた。





「ヒメノ~
国語の教科書貸して!」





「いいよ。
次、私のとこも国語だから
すぐ返してね」





「おう、リョーカイ」





「・・・ところでさ、
ヒメノと同じチア部に
十文字ヒナノっていう
かわいい子いるだろ?」





「なに、今度は
ヒナノのことが
好きになったの?」





「実は、そうなんだ(照)」





「十文字さんって、
彼氏とかいたり・・・」





「自分で聞いて!」





ムッとした表情のヒメノは
そう言い放つと、
パシャリとドアを閉めた。





「んだよ、あれくらい
教えてくれたっていいものを・・・」





「あのー
これ、落としたよ?」





カッカしながら振り返ると、
そこには消しゴムを差し出す
十文字さんの姿が。





「! あ、ありがとう!」





「ううん。じゃあ・・・」





「ま、待って!」





「え?」





「あの、そだ、
お礼、お礼したい!」





それから、
俺と十文字さんは
ときどき話す仲になった。













・*。・ とある休日 ・。*・





「ごめん、待った?」





「ううん、
俺もいま来たとこ」





「ごめんねー急に。
ちょっと相談したいことが
あってさ・・・」





「全然!
俺、ヒマだから。
カフェにでも入ろうぜ」





昨日の突然のライン。





相談があるということだけど、
十文字さんからの誘いに、
俺はすっかり舞い上がっていた。





(よっし、カフェにさそう、
クリア!)





カフェのガラスで、何気なく
ヘアセットを確認する。





(最近、十文字さんとも
いい感じだし、)





(今日、告白するんだ!)





「俺、おごるよ」





「えっ、いいの!?」





「じゃあパンケーキ
いっちゃおうかな~」





「ところで、相談って・・・」





「──実はさ、私、
好きな人ができて!」





(えっっっ)





「その人の誕生日に
プレゼント渡したいんだけど、
何にしたらいいかわからなくて」





「アドバイス、
もらえないかな?」





「も、もちろん、いいよ・・・」





「ちなみに・・・
その相手って・・・」





少しの期待。





・・・多大なる不安。





「今井くん!」





(ハ・・・ハルト・・・!?)





「きゃー、言っちゃった!
秘密にしててね!」





「お、おう・・・」





半ば魂が抜けてしまって、





その後の会話は
よく覚えていない・・・











・*。・ 月曜日、放課後 ・。*・





「ほら、テルノスケ
元気だしなって!」





「な・・・なんで
ハルトなんだ・・・」





「あーもう!
ウジウジしちゃって!」





「んだよ、ヒメノに
この辛さがわかるかよ」





「わかるし」





「・・・私にだって、
好きな人くらい
いるんだから・・・」





「!」





予想外の反応に驚き、
ヒメノを見る。





少しすねたように
そっぽを向いた彼女の頬が、
赤く染まっていた。





(・・・あれ?)





(なんか・・・)





「ヒメノ・・・お前、
女子だったんだな」





「!? はぁ?
どういう意味!?」





ひじで小突かれ、
やっぱり気のせいかと思い直す。





(ヒメノが、かわいく見えたなんて)





「よっしゃ
こうなったらやけだ!」





「10時間カラオケで
熱唱してやる!」





「10時間!?」





「ほら、ヒメノもつきあえ!
俺、おごるから!」





「・・・もう、仕方ないなぁ」





ヒメノの手を握んで。





俺たち2人は、
カラオケに向かって走り出す。





「ちょっ、速いって!」





「いーからついてこーい!」





「・・・やっぱ、あの2人が
お似合いだよな・・・」





そんな2つの背中を見つめて、
今井ハルトは
すこし寂しげにつぶやいた・・・







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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