幸せのホワイトクリスマス
作者:Luca
「クリスマス」
私にとって
とってもとっても大切で、
思い出の日。
・・・でも
アイツはこの日のことを
一体どう思っているんだろう。
*...・・・*...・・・*
こんにちは!
相沢いぶきです!
今ここは、
休み時間の教室。
その空気は全体的に
浮き足立っている。
それはなぜか。
「いーぶき! もうすぐ
クリスマスだね!!」
ズバリ、もうすぐ
学生の一大イベント、
クリスマスの日が
やってくるからだ。
ちなみに話しかけてきたのは
同じクラスの常盤まうみ。
面白い系の女子だけど、
実はすっごく優しい
自慢の親友。
ま、そんなこと本人には
絶対言わないけどね。
「ところでさぁ、いぶき、
今年のクリスマスは
やっぱイルマといるの?」
「・・・・・・わかんない」
そう、私は現在
安藤イルマとつき合っている。
1年前のクリスマスの日に、
私から告白して
両想いになった。
でも、クラス替えで
クラスが離れちゃって
最近では話すことも少ない。
「・・・まうみ、私とイルマって
ちゃんとつき合ってるのかな」
「え? 何それ?」
「だって、
いっぱいしゃべってたのが
つき合ったとたん、
あんまり話しかけて
くれなくなったし」
「・・・・・・」
「告白したのだって私からで、
もしかしたらイルマは
断れなかっただけなのかなって」
「・・・・・・」
「イルマは、私のこと、
好きじゃないのかな・・・」
「・・・・・・」
「まうみ?」
あんまりまうみが黙っているので
そっちの方を向くと、
なぜかまうみは笑うのを
こらえている顔をしていた。
「笑う要素、どこにも
なかったくない?」
「ゴメンゴメン。
いぶきもイルマも、
しょうがないなぁと思って」
「え? どゆこと?」
まうみはそれには答えずに、
さらに意味のわからないことを言った。
「大丈夫、イルマはちゃんと
いぶきのこと好きだよ」
「何を根拠に」
「私の素晴らしすぎるカン」
「・・・・・・」
まうみはたまに
こういうところがある。
といっても、
私はそういう点も含めて
まうみが好きなわけだけど。
って、そんなことよりも。
今年のクリスマス、
イルマは私と一緒に
いてくれるのだろうか。
家のベットの上で正座をし、
手に持っているのは
自分のスマホ。
その画面には
イルマとのLINEの
トーク画面が表示されていた。
悩んでいても仕方ない!
って、イルマを
クリスマスデートに
誘おうと思ったんだけど。
―――――もし断られたら。
そんな考えがよぎり
送信しようとするたびに
フリーズしてしまう私の指。
この状態でかれこれ
30分がたっていた。
さすがにこのままじゃ
だめだよね。
そう思い、意を決して
送信ボタンを押そうとすると、
「ぎゃっ!!!!!!」
突然イルマから
LINEが来た。
《クリスマスの日、あいてる?
あいてたらどっか出かけねぇ?》
・・・・・・え、マジ?
何度も何度も読み返し、
見まちがいでないことを確認する。
こ、これって、
デート、だよね??
え、イルマがデートに
誘ってくれた?!
マジで?!
え、ちょ、やばい!
嬉しすぎる!!!!
と、とととりあえず、
早く返信しなきゃ!
そうは思うものの、
頭の中はすでにお花畑状態で、
何も考えられない。
《うん、いいよ》
結局それだけ打って
送信する。
そして、突然の嬉しい出来事に
しばらく浸ってから気づいた。
この返事、めっちゃ
素っ気なくない?!
あぁしまった!
絵文字とか入れたほうが
絶対可愛かったよね?!
今からオッケー
スタンプだけでも
可愛いの送るとか?
いや、今からだと
わざとらしいか。
でもなぁ・・・・・・
モンモンと考えていると、
「いぶきー、
夕飯の支度手伝ってー」
お母さんの言葉で
思考は強制終了させられた。
*...・・・*...・・・*
クリスマス当日。
私は浮足立った気分で
待ち合わせの場所である
駅前のツリーへ急いだ。
今日の服は、私服がオシャレな
まうみに選んでもらったから
結構いい感じ。
普段はしないメイクも
雑誌を見ながら
がんばってやった。
イルマヘのプレゼントも
ちゃんとカバンの中にある。
ツリーのところへ行くと、
既にイルマが来ていた。
「ごめん、待った?」
「いや、別に」
と、突然ぷいっと
目をそらされた。
私、何かしたかな?
「じゃ、行こ」
イルマが歩き出したので
私もそれについて行った。
映画を見て、ご飯を食べた。
久しぶりにたくさん話せて
楽しかったけど、
イルマはなぜかあまり
目を合わせてくれない。
今は、これから
ライトアップされるツリーのところへ
また向かっているところ。
その間も、なぜかイルマは
こっちを見ない。
さすがに
我慢の限界だった。
「イルマ」
「ん?」
「今日なんで
目合わせてくれないの?」
「え?」
いきなりのことに
イルマは戸惑っている様子だけど、
私は構わず続けた。
「今日だけじゃないよね。
つき合い始めてから
あんまり話しかけて
くれなくなったし」
「え、ちょ、待てって・・・」
「イルマはモテるから、私のことは
どうでもいいんでしょ」
「はぁ?」
「私からの告白
OKしたのだって
ただ断れなかったから
なんじゃないの?」
「そんなわけないだろっ!!」
「じゃあどうしてっ!!」
気まずい沈黙が
2人の間に流れる。
「イルマが、私のこと
どう思ってるのか、
わかんないよ・・・」
涙が、こらえきれず
ひと粒こぼれて。
「いぶき!」
イルマの言葉を
背中で聞きながら
私はその場から逃げ出した。
しばらく走ってから
立ち止まると、
ものすごい後悔が
押し寄せてきた。
なんであんな言い方
しちゃったんだろう。
「ははっ、これでイルマにも
完全に嫌われちゃったかな・・・」
自嘲気味に笑ってみると、
今度は切ない気持ちが
あふれ出てきた。
イルマ。
好きだったのは、結局
私の方だけだったのかな。
イルマ、イルマ、
イルマ。
私は、君の名前を呼ぶだけで
こんなに苦しくなるのに。
イルマ・・・・・・
「いぶき!」
ふいに、後ろから
私を呼ぶ声が聞こえた。
この声だけは、
絶対に間違えない。
「イルマ?」
後ろを振り返ると、いきなり
心地よい温もりに包まれた。
それがイルマに
抱きしめられているのだと
理解するまで、たっぷり5秒。
「イ、イルマ?! いきなり何」
「いぶき」
私の言葉はイルマの
低い声にさえぎられる。
私の心臓は
どうしようもないくらい
ドキドキしていて。
イルマに聞かれちゃう・・・
「ちょ、イルマ・・・?」
「いぶき、俺の心臓の音、
聞こえる?」
「・・・・・・うん。聞こえる」
イルマの心臓は、私と同じか
それ以上に速いテンポで
ドキドキしていた。
大丈夫かと
心配になるほどに。
「いぶき。好きだ」
イルマの言葉が、
私の心に染みこんでいく。
「不安にさせて、ゴメン」
私は、イルマの胸に
顔をうずめる。
「じゃあ、なんで
つき合い始めてから
あんまり話しかけて
くれなくなったの?」
「・・・恥ずかしかった。
ていうか、どうすればいいのか
わかんなかったんだよ。
誰かとつき合うのも、
誰かのことをこんなに
大切に想えるのも、
初めてだったから」
「じゃあ、今日全然
目合わせてくれなかったのは?」
「お前が、か、かわいすぎだから・・・
てか、まともに直視できるわけねぇだろっ!」
逆ギレ気味に返してくる、イルマ。
それは、ただの照れ隠しだってことを
私はちゃんと知っている。
「告白の返事だって、
断れなかったからとかじゃない。
てかむしろ、俺は告られる前から
いぶきのことが好きだった」
「え、そうなの?」
「このデートに誘うときだって、
めっちゃ勇気いったし、
返事が来たときは
すっごく嬉しかった」
「私も、イルマに誘われとき、
すっごく嬉しかった」
2人で顔を見合わせて
笑いあった。
ツリーが一斉に、カラフルな光で
彩られていく。
そのとき、雪が降って
その白い雪に隠れるように
どちらからともなく
キスをした。
*end*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
相沢 伊吹

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