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ずっと君のそばに

CAST工藤 唯愛工藤 唯愛

作者:みずき

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.11.28

医者「大変申し上げにくいことですが、
工藤さんの体は
あと5年もつか分かりません」





ユア「そんな・・・」









*。・ 4年と8か月後 ・。*





ユア「おはよう」





ハルト「うす。ユア。
あのさ、今日さ
放課後一緒に帰らないか」





ユア「え。なんで?」





ハルト「ちょっと、
話したいことがあるんだ。
今日なんか用事あるのか?」





ユア「まぁいいか。
じゃあ帰り、
校門で待ってるね」





うれしかった。





私は、ハルトが好きだ。





小1の時に
一目ぼれだった。





ひまり「ねぇ、ユア。
ハルトと一緒に帰るの?
よかったね。
でもだいじょうぶ?
無理はしないでね。がんばれ」





ひまりは少し
悲しそうな目だった。





ひまりは親友。





私の秘密も4年前に
ひまりに言った。





ユア「だいじょうぶ。
ありがとね」















*。・ 放課後 ・。*





ハルト「おーい。ユア」





ユア「ハルト。おまたせ」





ハルト「待ってる、
とか言ってたくせに
俺が待ってたぞ」





ユア「ごめんごめん。
って、ハルトが一緒に帰ろうとか
言ってきたからでしょ」





ハルト「それもそうだな。
ハハハ。ごめん」





彼の笑った顔が好きだ。
楽しいな。





ユア「それで、話って何?」





ハルト「ユアはさ、
好きなやつっているの?」





ちょっと真剣そうな顔で
聞いてくる。





私は、ハルトが
好きなんだよ。





ユア「さぁ、どうだろうね?」





言えるわけない。





ハルト「俺は、ユアが好きだよ。
出会ったころから。
ずっと好きだよ」





彼はとても
まっすぐな瞳で言った。





うそでしょ。やめて。





そんなこと言わないで。





今、ずっと言ってほしかった言葉は
言わないで。





ユア「何そのジョーク。
ウケるんだけど」





無理して笑う。
ねぇ、私ちゃんと笑えてる?





ハルト「冗談でこんなこと
言うわけないだろ。
俺とつきあってくれないか」





やめて。





そんなにうれしくなること
言わないで。





だって、私はもう・・・





ユア「ばっかじゃないの。
私、もっと身長高いほうが好きだし、
ハルトのことあんまり好きじゃないし、
つきあえるわけないでしょ。
じゃあね」





そう言って私は、
家に向かって走る。





我慢していた涙が
あふれてきた。





止まらない。





最低なことを
言ってしまった。





これで嫌われたと思う。





これでいい。





そう思った瞬間
意識が飛んだ。















*。*。*。*。*。*。*。*。





ピピピ・・・





何か音がする。





気がついたらそこは
病院のベットの上だった。





それから2日後、





医者「病気が悪化しています。
おそらく、あと1週間持つかどうか」





ユア「そうですか」





病室に戻った。





わかっていたことだ。





今さら、どおってことない。
どおってこと・・・





涙が止まらない。





なんで。





ひまり「ユア。だいじょうぶ?」





ひまりは泣いていた。
目を真っ赤にはらして。





ユア「私ね、ハルトにひどいこと言ったの。
一緒にいられないことが分かってたから、
突き放したの。その罰かな。
あと、1週間だって、短すぎるよ。
だからね、ひまりにお願いがあるの。
・・・・してくれないかな」





ひまり「わかった。絶対約束する」















*。*。*。*。*。*。*。*。





1週間後、
ユアが亡くなった。





ハルト「ユア。どうして」





俺は何も知らないで。





ひまり「ハルト、ユアから、
もしも自分に何かあったら渡してって、
言われて」





そういって、
手紙を渡した。





一瞬悲しそうな眼をして、
何も言わずにその場を去った。





胸がドキドキとうるさい。





震える手で手紙を見る。





―――――――――――――――――――――――
―――――

ハルトへ

ハルトがこの手紙を読んでいるころは
私はいないんだね。
ちょっと難しい病気でね。
ごめんね。

ハルトに好きって言ってもらって
すごくうれしかった。
私もずっと前からハルトが好きだったよ。
でも私は、ハルトのそばに居られない。
ハルトの未来には私はいない。

ひどいこといって突き放してごめん。
私は、ハルトのそばにずっと居たかった。
ハルトの隣で笑っていたかった。
ハルトの笑った顔大好き。
だから、私の分までたくさん笑って。
がんばって生きてね。
私のことたまには思い出してくれるといいな。

ちゃんと私じゃない人を幸せにして、
ハルトも幸せになってね。
あぁあ、ハルトのそばにずっと居たかったのにな。
だから、あなたのこと大好きだった女の子が
いたことを覚えていてください。

              ユアより

―――――
―――――――――――――――――――――――





ハルト「忘れるわけないだろ。
ユアのバカ。
悲しいこと言うなよ」





涙があふれた。
泣きじゃくった。





?『笑って』





ハルト「えっ、ユア?」





ユアの声が気がした。





ハルト「そうだな。笑わないとな。
でも、お前がいないとうまく笑えねえよ」





いきなり強い風が吹いた。





すると、ユアが立っていた。





彼女は微笑んで
俺を抱きしめた。





ユア『ねえ、笑って、
ハルトが好き。ありがとう』





ハルト「ユア。
もうどこにも行くな。
ここにいろ」





ユア『ダメ。できない。
ハルト、笑って。
笑ってほしいな』





俺は涙でぐちゃぐちゃになった顔を
一生懸命動かして、笑顔を作った。





ユア『ありがとう。大好きだよ』





彼女の大きな瞳から
一粒の涙がこぼれた。





するとまた、風が強く吹き、
気がつくと彼女は消えていた。





ハルト「俺、つらいことがあっても、
ユアのこと思い出して、
笑って生きるよ。
俺も大好きだぜ。ユア。
ありがとう」





そう言った彼の笑顔は
とても美しかった。







*end*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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