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愛を探し求めて

CAST工藤 唯愛工藤 唯愛

作者:とも

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.06.15

恋がしたい、恋がしたい、
恋がしたい。





私は、恋に恋する
乙女JKユア。





初めて恋をしたのは
小学校1年生のとき。





同じクラスの
運動が得意な男子だった。





それからというもの、
私はいつも
誰かに恋してる。





いわゆる恋愛体質なんだろう、
きっと。





でも、その恋が実ったことはない。





好きな人の前に出ると
顔が真っ赤になって
頭が真っ白になる。





モジモジするばかりで
まともに告白できたことさえない。





ユア「あぁ、恋がしたい」





私は、放課後に立ち寄った
ファミレスのテーブルに突っ伏して
ためいきをついた。





ミサキ「心の声が聞こえてるぞ」





向かいに座っている
幼なじみでクラスメイトの
ミサキが言った。





デカいプリンパフェを
食べている、
お前は女子か。





ユア「だって、華のJKだよ、
恋くらいしたいじゃん」





ミサキ「恋くらい適当に
見つけたらいいじゃん」





ユア「私がしたい
恋はそんなんじゃないの。
もっと尊い真実の愛を
探し求めてるの」





ミサキ「はいはい」





ミサキは苦笑いして
プリンパフェをほおばった。





ミサキは外見は地味だし、
クラスでも目立つ方ではない。





でも、子どものときからずっと
一緒にいるから
緊張しない。





ミサキにはなんでも
正直に素直に話せる。





ユア「いま気になってるのは
ヤガミ君。
ほらサッカー部のキャプテンの。
カッコいいよね~」





ミサキ「ベタだな」





ミサキはまた苦笑いをした。





ヤガミはクラス1のモテ男だ。





ミサキ「その前は、また別の
男子じゃなかった?」





ユア「あれは
なかったことにした」





私は少しイラついた口調で
言った。





あのときは告白する寸前に
緊張し過ぎて逃げ出した。





ミサキ「恋をしたいのは
分かるけどさ、
ユアは恋に憧れてるだけで、
本当にその人のことが
好きなわけではないと思うよ」





ユア「つきあったことないから
そんなの分かるわけないじゃん」





私は口をとがらせた。





ユア「思い切って
ヤガミ君に告白しよう」





ミサキ「それでユアが
納得するならいいんじゃない?」





ユア「その他人事みたいな
セリフはなによ?」





ミサキ「がんばれ~」





ミサキは苦笑いを
浮かべながら言った。





言われなくても
今度こそは。





私は、念入りに
メイクとへアケアをして、
何度も鏡の前で
告白の練習をした。





そして、学校で
ヤガミ君に声をかけた。





部活の朝練で、朝早くに
登校するチャンスを狙った。





ユア「あ、あの!」





ヤガミ「はい?」





ユア「あなたのことが・・・」





ヤガミ「あ、恋愛体質の人だ」





ヤガミ君の悪気のない
屈託のない笑顔で
グサリと本心を刺されて、
私は真っ赤になった。





恥ずかしくて体が震えた。





いますぐ
逃げ出したい。





そのときヤガミ君を
押しのけて
誰かが私の手を引いた。





強い力で私を離さず、
私を引っぱってゆく。





ミサキだった。





ミサキは
少し離れたところにある
校庭のベンチに私を座らせた。





私は思わず
泣きじゃくった。





ユア「またダメだった」





私はミサキにまた
冷やかされると思った。





でも、違った。





ミサキ「僕はずっと昔から
ユアを見てる」





ミサキは私の頭を
やさしくなでながら言った。





私は少し驚いたけど、
なぜか涙があふれて
止まらなかった。





初めてミサキの顔を
ハッキリと見た気がする。





ミサキは、きれいな
まっすぐな目をしていた。





ユア「あれ? ミサキって
こんなにカッコよかったっけ?」





そう言って
私はすぐに後悔した。





また恋愛体質モードに
入ったみたいで
恥ずかしかった。





ミサキ「僕はミサキだ。
岬には灯台があって
いつも明かりを灯してる。
ユアが暗闇で道に迷ったときは
いつでも帰って来られるように」





私はミサキの胸で泣いた。





そういえばいつも
失恋すると
ミサキにグチってた。





いつも話を聞いてくれたのは
ミサキだった。





いつも、ずっと、
そばにいてくれた。





ミサキ「僕はずっと前から
ユアが好きだ」





ユア「私は愛を探し求めてた」





ミサキ「『灯台もと暗し』って言うだろ」





私たちはふたりで
笑い合った。





私の恋愛遍歴は
これでおしまい。





真実の愛を見つけたから。







*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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