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甘いお返しは僕で

CAST崎浜 梨瑚崎浜 梨瑚

作者:rina

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.03.14

3月14日って
何の日か知ってる?




女の子の気もちに
男の子がこたえる日なんだよ。









* ――― * ―――*





ワカナ「女の子はみんな
ソワソワしてるね~。
今日がホワイトデーだってこと、
男はちゃんと分かってんのかな?」





教室を見渡しながら
親友のワカナがそう呟く。





リコ「さあ、
どうだろうな~。
男は女と違って鈍感だし」





ワカナ「あ! そういえば!
リコはリョウくんに
チョコ渡したんだよね?
お返し来るんじゃないの~?
リョウくんってわりとマメな所あるし。
それか告白されちゃったりして!!
きゃーっ!」





リコ「ないって、それは。
まあお返しは
あるかもしれないけど・・・」





いまの会話を見れば
わかると思うけど





わたし崎浜リコは
同じクラスのリョウくんに
片想い中です。





チョコも喜んでたし
少しは可能性あるのかなって
期待したりもしたけど





もしそれで勘違いだったら
あまりにもむなしいから





お返しだけだって
言い聞かせておこうかなぁ。













・ ・ ・ ・ ・ ・





でも放課後になっても
リョウくんに呼ばれることは
なかった。





それどころか
一度も話していなくて





(やばい、不安になってきた。
忘れてるのかな・・・リョウくん)





ワカナ「・・・・だいじょうぶ? リコ」





心配そうに
ワカナは聞くけど





だいじょうぶなわけがない。





告白もしてないのに
まるでフラれた気分で





(チョコなんてあげなきゃ
よかったのかなあ・・・)





そんなことまで
アホみたいに考えている。





ワカナ「リョウくん、
忘れてるだけかもよ!
聞いてみよっか? 本人に」





するとワカナは
わたしに答える隙も与えず
リョウくんの元へ走っていた。





リコ「ちょっと、ワカナ・・・」





ワカナ「リョウくん!
今日がホワイトデーだってこと、
ちゃんとわかってる?」





聞いちゃった。





聞いてしまった・・・(ワカナが)





(なんて・・・
なんて答えるんだろう)





リョウ「わかってるよ、
それくらい」





ワカナ「だったらお返し、
リコにしてあげなよ。
せっかく今いるんだから」





リョウくんは一呼吸おくと





こちらに向かって
歩いてきた。





そして少し困りながら





リョウ「ごめん・・・
用意してないんだ」





リコ「そ・・・そっか」





リョウくんはホワイトデーだって
ちゃんと分かってた。





分かってて
お返しはなかったんだ。





リコ「・・・・何あやまってんの!
わたしは別にお返しがほしくて
あげたわけじゃないからさ。
うん・・・気にしなくていいよ。
こっちも気にしてないし」





(・・・うそ)





本当はすごく気にしてる。





泣きたいくらい気にしてる。





だってこれで
リョウくんの気もちが
分かったから。





(お返しないのも、
わたしが恋愛対象に
入ってないからでしょ・・・?)





わたしはそのまま
2人の表情も見れずに
教室を走り去った。





さっきまで
がまんしてた涙も
ついこぼれてしまって





誰もいない道が
やけにさみしく感じたんだ。





(明日はいつも通りにしないと・・・
いつまでも落ちこんでたら、
ワカナが心配するし)





そう涙をぬぐっても
拭いた先からまたあふれて





(現実、受け止めなきゃなのに・・・
リョウくんへの気もちなんて
簡単に忘れられないよ)





リョウ「リコ!」





呼ぶ声と同時に
つかまれた腕。





つかんだその手は





いつもぶっきらぼうに
わたしを引っ張ってくれる
大好きな彼の手だった。





リコ「帰る方向違うじゃん・・・」





涙を隠すように
わたしはそっぽを向いた。





リョウ「リコさ、俺のこと、
嫌な男だって思ってない?」





リコ「気にしてないって
言ったじゃん?
お返しする義務なんてないもん」





(お願いだから・・・
これ以上惨めな思い
させないでよ、リョウくん)





リョウ「そうじゃなくて・・・!」





ビックリした、





いきなり大声出すから。





思わずそちらを
向いちゃって





リョウ「泣いてるじゃん・・・
俺、好きな子には
嫌な思いさせたくないんだよ」





(・・・は?
ちょ、ちょっと待ってよ。
いまなんて言った?)





リョウ「好きな子には
喜ぶものあげたいから、
色々考えたんだけど、
時間かければかけるほど
分かんなくなっちゃって。
・・・ね、リコは何が好きなの?」





リコ「リコ・・・・って、わたし?」





リョウ「そうだよ、
何言ってんの?
リコのことなのに」





リョウくんは少し笑って
つかんでいた手を離した。





(リョウくんが好きな子は
わたしなわけで・・・
お返しがなかったのは
迷ってたからで・・・
こんなことってあるんだ)





リコ「いまからおかしなこと言うけど、
真剣だから笑わないで聞いて?」





リョウ「うん?」





リコ「さっき・・・
わたしが好きなのは
何か聞いたじゃん?」





リョウ「そうそう!
教えてよ。
すぐ用意したいからさ」





リコ「・・・・・わたしが好きなのは
リョウくんだよ」





(自分でも思う、
なんて大胆)





リョウ「俺・・・!?」





目を丸くさせるリョウくん。





(めっちゃ驚いてる・・・
さっきのわたしも
こんなんだったのかな)





リコ「用意・・・出来てる?」





リョウ「えっ?」





リコ「だーかーらーっ!
お返しの準備!
すぐに用意してくれるんでしょ?」





すると彼は
再び手を差し出して言った。





リョウ「ぜひ、
もらってください」





甘い甘いお返しは
大好きなキミ。









*END*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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