小さいようで大きいこの差

CAST崎浜 梨瑚崎浜 梨瑚

作者:あさひ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2024.05.18

神様。
中1と中3。この差2才。





この2才の差は、
小さいようでとても大きい。





そしてこの差は、
何をしても埋まらない。





なにやら2才上の彼に
恋をした私は、
運が悪かったようだ・・・。





あぁ、皆さん
紹介が遅れました。





ニコラ中学1年生の
崎浜リコです。





もう皆さん
お気づきでしょうが、
私には幼なじみがいます。





同じニコラ中学1年の
イルマ。





元々母親同士が仲良くて、
1歳くらいから
こいつとずっと一緒。





腐れ縁ってやつです。





いつもお調子者のくせに、
結構頼りになる。





――そんなアイツのことが、
私は好き・・・





なのではなく。





アイツのお兄ちゃんの
犬飼タイヨウさんが
好きなのです。





でも、私は中1、
タイヨウさんは中3。





どう考えても無理。





しかも、1ヶ月くらい前に、
私、タイヨウさんに
告白してしまったんです・・・。





だってワカナが
自分の思い伝えて! とか
言うから・・・。





タイヨウさんが寝てる時に
言ったんです。





あーーもおおお!!
なにやってんだ私。





あの時告白なんてしなければ
タイヨウさんに無視されなくて
すんだのにっっっっ!!!!!





・・・そうです。





告白した日から
タイヨウさんが私のことを
避けてるんです。





ガラスのハートの持ち主の私は
地味に傷ついています。





というわけで、数学の授業中
こんなことを考えている私と、





その横で
爆睡しているイルマ。





おーい、
先生がにらんでるぞーと
イルマの肩を揺らすが、





起きる気配0。





このままでは私も
先生に怒られるはめに
なってしまうので、
もう放っておくことにした。





案の定、





数分後に先生に怒られて
涙目になっているアイツ。





数学の時間が終わると、
私は席を立ち、鞄を持って
誰にも見つからないよう、
気配を消して屋上へ向かった。





え? なんで
屋上へ向かってるって?





そりゃぁお弁当を
たべるためですよ。





そんな独り言を言いながら
屋上のドアを開けようとすると、





ドアの向こうから
タイヨウさんの声が聞こえた。





どうやら電話だ。





よく聞こえないので、
静かにドアを開け、
物陰に隠れることにした。





タイヨウ「好きな奴?
いるわけないじゃん笑」





タイヨウ「は!? /// ばっ///
あいつはちげーよ////」





ここまでの会話を聞いて、
あぁ、タイヨウさんにも
好きな人がいるんだなぁ、って思った。





そりゃそうだ。





タイヨウさんだって中3だし、
好きな人くらいいても
おかしくない。





・・・タイヨウさんが
好きになった子かぁ、





きっとかわいい子
なんだろうな。





ま、別に私には
関係ないけど。





え? じゃぁ、なんで
私は泣いているの?





タイヨウさんが好きだから?





屋上が取られていたから?





・・・本当は涙の理由なんて
分かってる。





私がタイヨウさんのことが
好きだからだ。





よく皆が言ってた。





年下との恋なんて
ありえないって。





リコ「うっ・・・く・・・・
うあぁぁぁあ」





タイヨウ「!? リコ!
なんでここに!?」





リコ「たい・・・っよう・・・
さん・・・っ」





タイヨウ「どうした!?
先生呼んでこようか!?」





あぁ、やっぱり私は
タイヨウさんが好きだ。





怒ってるタイヨウさんも





笑ってるタイヨウさんも・・・





大好きだ。





リコ「すきっ・・・っ・・・・
だ・・・い・・すきっ」





タイヨウ「!!!!?」





リコ「たいっ・・・よう・・・さん・・・に・・
好きっ・・・な子が・・・
いるの・・・っ・・・は・・・
知ってい・・・ます」





リコ「だかっ・・・ら・・・
振ってく・・・だ・・・さってっ・・・
だいじ・・・ょっ・・・うぶ・・・
です・・・」





あぁ、これで終われる・・・
と思った刹那。





ぎゅっ





暖かい。





抱き締められてる
感覚がする。





もうなにがなんだか
わからない。





だって振られるはずが
抱き締められているんですから。





タイヨウ「俺はっ!!
リコがすきだよ!
えっと・・・
避けてたのは・・・
なんていうか・・・
恥ずかしかったっていうか・・・」





正直、めちゃくちゃ驚いた。
でも、ほんとにほんとに嬉しい。





リコ「今は・・・
もう・・・少しだけ・・・
このままで居させてください・・・」





タイヨウ「!!! ・・・うん・・・」





神様、どうやら
この小さいようで大きい2才差は
埋めることは出来ないけれど、





縮めることは・・・・・
出来るのかもしれません。







おしまい♪

─ ニコ学名作リバイバル ─
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。

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