すれ違いチョコ
作者:ゆっきん
バレンタイン。
あなたは誰にあげますか?
私はね・・・
・*・―――・*・―――・*・。
私はいぶき!
元気もりもり中学生です!
「おはよ~、いぶき!」
いぶき「みく、おはよ!」
この子はみく。
私の大大大大親友!
なんでも話せる大切な子。
みく「あ、ほらあそこ」
いぶき「ん?」
みくが指した方向には・・・
いぶき「ハル!?」
みく「いっておいで!
私、先いってるから」
いぶき「うん!」
ハルは私の好きな人。
同じクラスなんだよ~。
「あっ! アースカ!」
いぶき「リュウト先輩!
おはようございます!」
リュウト「おはよ~」
リュウト先輩は学校一
モテるといわれている先輩!
バスケ部の先輩で
私はマネージャーなの。
よく面倒みてくれる優しい先輩。
ちなみにハルもバスケ部。
リュウト「一緒に体育館行こうよ」
いぶき「えっ」
ハル・・・
でも先輩からのお誘いを断ったら
ダメだよね・・・
いぶき「いいですよ~。
いきましょ!」
リュウト「そういえば
もうすぐバレンタインか~。
今年は大会と重なっててよかったわ」
いぶき「なんでですか?」
リュウト「だって学校あったら
大量すぎてもって帰れねーもん」
いぶき「あ~。
毎年どうしてるんですか?」
リュウト「ちゃんと食ってるよ」
いぶき「えぇー! すごい!
優しいですね」
リュウト「普通だろ笑」
いぶき「いやいや、
なかなかできないと思いますよ?」
リュウト「そうかなー。
いぶきに言われるとテンション上がるわ」
いぶき「そうですか?笑」
リュウト「うん!
いぶきは誰にあげるの?」
いぶき「えっ・・・」
リュウト先輩に
ハルが好きだなんて言えない・・・
いぶき「いやぁー決まってないです」
リュウト「まじ!?」
リュウト先輩は明るくいった。
いぶき「なにかたくらんでます~?」
リュウト「ばれた? 俺にちょーだい!」
いぶき「いつもお世話になってますし・・・
もちろんいいですよ!」
リュウト「そうじゃなくて!
本命、俺にちょうだい?」
いきなり顔をのぞきこんで言われた。
こんなカッコいい先輩に見つめられたら
困るぅぅぅ。
いぶき「そ、そういう冗談はやめてくださいっ」
リュウト「・・・冗談じゃないのに」
― 朝練終了後 ―
「準備終わった? 教室いこ」
いぶき「あ、うん!」
毎日決まって
ハルと教室に行く。
この時間がだーいすき。
ハル「今日、リュウト先輩と来たんだね」
いぶき「え? あぁー、たまたま会って」
ハル「楽しそうにしてたじゃん」
いぶき「あれは大会の話してて」
ハル「ふーん。ま、俺には関係ねーけど。
どうせバレンタインもリュウト先輩にあげるんだろ?」
いぶき「ちがうけど」
ハル「隠すなよ。
好きなんだろ?
リュウト先輩のこと」
なんで・・・?
どうして冷たい言い方するの?
― 教室 ―
みく「どうだった~?
今朝のスウィートタイムは」
いぶき「・・・・・」
私は少しうつむいた。
みく「え、なんかあった?」
いぶき「みくがいなくなったあと
リュウト先輩に声かけられて」
みく「あのリュウト先輩?」
いぶき「うん。
それで朝はリュウト先輩と行って、
部活のあと、ハルに冷たくされちゃって」
みく「そんなことがあったのか」
いぶき「うん。でも絶対
ハルにチョコあげるんだ!」
みく「そうだね!」
― 放課後 ―
いぶき「今日も疲れたー!」
リュウト「アースカ!」
いぶき「きゃっ、リュウト先輩?」
リュウト「送ってくよ」
いぶき「いえ! そんな、大丈夫です!」
リュウト「いいよ! 暗いし、危ないし」
いぶき「えっと・・・
ありがとうございます」
またハルに見られて
冷たくされたら嫌だな・・・
― 翌日 ―
正直、昨日の帰りのことは
よく覚えてない。
ずっとハルのことを
考えてたんだもん。
ハル「いぶきいこ」
いぶき「あ、うん」
ハル「リュウト先輩と付き合ってんの?」
いぶき「付き合ってないよ?」
ハル「じゃあなんで一緒に帰ってるの?」
見られてたんだ・・・
いぶき「あれは、
送ってくれるって言われて・・・」
ハル「あっそ、
リュウト先輩ならいぶきのこと
幸せにしてくれるんじゃね?」
いぶき「・・・んで」
ハル「ん?」
いぶき「なんでそんなこと言うの?
わたしの気持ち知らないくせに!」
そう言って私は走り去った。
バレンタイン2日前の出来事だった。
・*・―――・*・―――・*・
みく「・・・ぶき! いぶきってば!」
いぶき「え? あーなに?」
みく「なにってチョコ早く作ろ」
いぶき「あーうん」
今日はバレンタイン前日。
みくの家で一緒に作るの。
でもテンションがいまいち上がらない。
みく「もう・・・
作りながら話きくよ?」
いぶき「うん・・・」
昨日のことをすべてみくに話した。
みく「あちゃー
そんなことになってたとは」
いぶき「自分でもびっくり。
もうあきらめようかな」
みく「あきらめるか、あきらめないかは
いぶき次第だけど・・・
リュウト先輩のことはどうなの?」
いぶき「どうなのって?」
みく「好きじゃないの?」
いぶき「えー? 好きだよ?」
みく「へ!?」
いぶき「だって
めっちゃ優しい先輩だもん!」
みく「そうじゃなくて」
いぶき「え?」
みく「いや、なんでもない!
ほら、作ろ!」
― いぶき宅 ―
はぁー。
結局ハルの分作っちゃった・・・
いぶき「どうしよー」
ピコん。
ん? LINEだ。
リュウト《明日チョコくれるー?笑》
いぶき《作りましたよ~》
リュウト《まじ!? めっちゃ楽しみ!》
いぶき《返品はダメですからね?》
リュウト《うわぁー、
腹壊したらどうしよ笑》
いぶき《もう、あげませんよ?》
リュウト《うそうそ! 楽しみにしてる。
じゃあね》
いぶき《おやすみなさい》
私はハルとのトーク画面を開き、
文字を打ちかけて結局閉じた。
― バレンタイン当日 ―
試合前、
リュウト先輩が来た。
リュウト「さみぃー」
いぶき「ちゃんと体動かして
あっためてください~」
リュウト「はいはい笑」
いぶき「ほら、早く行ってください!」
と、リュウト先輩の背中を押す。
リュウト「いぶき」
いぶき「はい?」
リュウト「頑張ってくるわ」
いぶき「はい!」
そうしてやっと先輩は
アップに向かった。
あ、ハルだ。
いぶき「ハル・・・」
私が声をかけようとしたのを遮って
ハルは言った。
ハル「楽しそうだな。
今日、リュウト先輩にあげんだろ?」
こないだのことなんか
なかったかのように言われた。
目も合わせずに・・・
・*・―――・*・―――・*・
優勝することができた。
でも私はモヤモヤしていた。
― 帰り ―
リュウト「いぶきー送ってくよ」
いぶき「え、はい」
リュウト「今日はなんとか優勝できてよかったわ」
いぶき「そうですね!
リュウト先輩すごかったです!」
リュウト「まじ?
いやーいぶきのチョコのために頑張った笑」
いぶき「あ、これおいしいはずなので!」
リュウト「待ってましたー!」
いぶき「そんなにですか?笑」
リュウト「うん!」
もう、ハルにはあげれない。
そう思ったとに
私の体が温もりに包まれた。
いぶき「え・・・?」
リュウト「そんな顔すんなよ」
リュウト先輩の声が耳元で聞こえ、
抱きしめられていることに気づく。
リュウト「俺じゃダメ?
絶対いぶきのこと悲しませたりしない」
ぼろぼろと涙があふれる。
いぶき「でも私は・・・」
リュウト「知ってる。
ハルが好きなんだろ?
ほんとはチョコあげたいんじゃないの?」
いぶき「え? なんで・・・」
リュウト「カバンに入ってるの見えたんだ。
だから・・・」
と、私を解放したリュウト先輩は。
リュウト「行っておいで」
と、私の目を見て
涙をためながら言ってくれた。
私は涙をふいた。
いぶき「ありがとうございます!」
リュウト「場所わかる?」
いぶき「はい! 行ってきます」
リュウト「うん」
リュウト先輩は私の背中を
押してくれた。
今日の試合前
私がリュウト先輩にしたように・・・
ハルが行く場所は
絶対あそこ。
いぶき「ハル!」
ハル「いぶき?
リュウト先輩と帰ったんじゃないの?」
いぶき「ハルに会いに来た」
ハル「なんでここにいるってわかったの?」
いぶき「ハルが教えてくれたから」
前にハルときたこの公園。
いぶき「ハルのお気に入りの場所でしょ?」
ハル「うん」
いぶき「これ、バレンタイン」
ハル「え?」
いぶき「本命だから。
私が好きなのはリュウト先輩じゃない。
ずっとハルだよ」
ハル「うれしい」
そういいながら私の前にきた。
ハル「俺もこれ」
と、渡されたのは。
いぶき「なんでチロルチョコ?笑」
ハル「逆チョコ」
いぶき「え?」
ハル「いぶき、好きだよ」
何度もすれ違ったけど
やっぱり1番ハルが好き!
今までも・・・
これからも・・・
えんど。
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
相沢 伊吹

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