シンデレラストーリー。
作者:あやちゃん
私は、相沢いぶき!
中学3年生。ということは・・・
そう。受験生なのです。
学校の宿題は、めちゃめちゃ増えるし!
運動不足で太るし。
いいことないなー。
勉強大キライっ。
そんな私は、友達に
おいてきぼりにされることくらい
わかっていたけど、塾に通うなんて
絶対嫌だったんだ。
でもね・・・無理矢理
ママに入れられてしまいましたー。。・・・(泣)
ありえなーいっ
友達と遊べないじゃん!
《この時の私はまだ知らなかった。
塾に通うことが
こんなに楽しみになるなんて》
・*。・ 塾1日目 ・。*・
いぶき「マジありえない・・・」
小さな塾だから
知ってる子もいないだろーな・・・
私、どうなっちゃうんだろ。
?「いぶき!」
うつむき加減で教室に入った私は、
いきなり呼ばれて心底びっくりした。
いぶき「えっ? まうみ?!」
そこにはいるはずのない私の親友、
常盤まうみが!
いぶき「まうみ! なんで?」
まうみ「前言ったじゃん!
塾入れられるって」
いぶき「ここの塾だったんだーっ。
私もママに無理矢理入れられた・・・」
まうみ「一緒だねーっ!
私は今日が初任務! いぶきも?」
いぶき「うん、そーだよ!
よかったー。まうみがいて!」
まうみ「私もいぶきがいてよかったよ!」
?「ちょっと、どいてくれる?
邪魔なんだけど」
いぶき&まうみ「えっ?」
振り向くと、いかにもガリ勉って
感じの人が、私らを見下ろしてた。
そこで初めて、私らが
ドアの真ん前で話しこんでたことに
気がつく。
?「聞いてる? どいて」
その威圧感にたじろいだ。
でも・・・
この胸のざわめきはなんだろ・・・?
いぶき「・・・ごめんなさい・・・」
?「・・・」
その人は、無言で通り過ぎて行った。
私らは女子トイレに場所を変えた。
まうみ「ちょっと怖かったね」
いぶき「・・・うん」
まうみ「ガリ勉っぽかったね」
いぶき「・・・うん」
まうみ「背高かったね」
いぶき「・・・うん」
まうみ「でも声高かっ・・・
いぶきどうした?」
いぶき「・・・へっ?」
まうみ「心ここにあらずって感じ」
いぶき「・・・なんでもないよ?」
まうみ「うそ。私ら親友だよ?
いぶきのうそなんて、すぐわかるよ。
どうした?」
いぶき「・・・多分・・・・・・れした・・・」
まうみ「ん?」
いぶき「多分さっきの人のこと
好きになった。
・・・一目惚れした・・・」
まうみ「! ・・・ほんとに?
でもあの人ガリべ・・・ううん。
そっか。協力する!」
いぶき「ありがとう。
私、一目惚れとか初めてだよ。
しかも私みたいな勉強嫌いが
ガリ勉に・・・」
まうみ「イケメンならまだしも
ガリ勉に一目惚れって・・・」
いぶき「私もそう思う・・・」
いぶき&まうみ「・・・ぷっ。アハハっ」
ひとしきり笑った後、
いぶき「そろそろ戻ろっか」
まうみ「そうだね」
教室に帰ってびっくり。
隣の席があの人だったから。
ガタ・・・
・・・何か話さないと。
いぶき「さっきはごめんね。お名前は?」
?「・・・人に名前を聞くときは
自分から名乗るものだろ?」
いぶき「・・・! ごめんなさい。
私は、相沢いぶき」
?「川上リヒト」
いぶき「・・・どっか海外の人みたいな
名前だね」
リヒト「よく言われる」
いぶき「川上くんはさ、どこの中
「みんな席つけーっ」
・・・あ。先生」
学校は聞けなかったけど
名前は聞けたし、よかった!
――――・・・
川上くんはやっぱり頭がよかった。
ものすごく。
私は・・・相変わらず。
先生「忘れ物ないようになー。
あと、ここで自習するやつらは
しっかりしろよー。サボんなーっ」
―――――――帰り道
まうみ「川上くんっていうんだね!」
いぶき「聞いてたの?」
まうみ「あんな小さい教室だもん。
聞こえてないほうがおかしいよ」
いぶき「確かに」
まうみ「いぶき、照れてて
マジかわいかったー」
いぶき「ちょ・・・っ、やめてよ~っ」
まうみ「アハハー
ってか、私ら以外全員男子だったね」
いぶき「私ら含め全員で
6人しかいなかったけどね」
まうみ「こんな小さな塾に
私ら相談もなしに
偶然一緒に入っただなんて・・・
絆だわぁ! 赤い糸だわぁ!」
いぶき「だよねーっ」
まうみ「じゃー! 私、こっちだから!」
いぶき「また明日ー」
?「相沢っ」
・・・この高い声。
いぶき「川上くん?」
リヒト「忘れ物。
先生忘れ物するなって
言ってたのに・・・」
その手には、見覚えのある
私の愛用シャーペン。
いぶき「あっ・・・ありがとう!
わざわざ追いかけてきてくれて・・・」
リヒト「いや、僕ん家こっちだから」
・・・僕・・・?
・・・僕っ子だ。
高い身長。
声変わり途中の声。
・・・僕っ子。!
いぶき「かわいい・・・」
リヒト「・・・は?」
いぶき「なっ・・・なんでもない。
あの猫かわいいなって!」
リヒト「猫好きなの?」
確かに、猫は好き。
いぶき「うんっ」
リヒト「僕もっ」
・・・笑った。
いぶき「かわいい・・・」
リヒト「え?」
あ・・・つい・・・
でも、後には引けない。
いぶき「川上くんって、かわいい!」
リヒト「///」
ちょ・・・っ照れてるよ・・・
かわいいよ・・・
今日だけで色んな川上くんを知れて、
すごくうれしい。
あぁ、やっぱり私って
川上くんのこと・・・
いぶき「好きなんだな」
リヒト「・・・」
いぶき「・・・」
リヒト「・・・かわいい・・・」
いぶき「え?」
リヒト「相沢さんこそかわいいよ!」
いぶき「何言って・・・//」
リヒト「・・・」
いぶき「・・・」
いぶき&リヒト「・・・・・・ぷっ」
リヒト「家どこ?」
いぶき「3丁目!」
リヒト「僕もだよっ」
いぶき「うそーっ
ご近所さんだったんだーっ」
リヒト「次からは一緒に帰ろうなっ」
いぶき「うんっ」
・・・え?
・・・私、いま川上くんと
一緒に帰る約束した?
やったー。
あっ・・・まうみ!
いぶき「途中までまうみも
一緒だけど、いいよね?」
リヒト「ん? あぁ。いーよ!」
いぶき&リヒト「・・・」
会話が・・・
途切れてしまったーっ!
なんでもいいから
話さなきゃっ。
いぶき「・・・今日靴下がさーっ」
リヒト「ん?」
やばい・・・
続きが浮かばない・・・
いぶき「な・・・なんでもない・・・」
リヒト「え? 気になんじゃん!
そーいえばさっきも・・・
何か〈好きなんだな〉って」
いぶき「・・・猫・・・」
リヒト「・・・じゃないだろ」
いきなり真剣な表情になる
川上くん。
いぶき「・・・犬・・・」
リヒト「ほんとにそうか?」
いぶき「・・・」
リヒト「・・・自慢じゃないけど、
僕、感覚は鋭いんだよね。
・・・気づいちゃったかも。
違ってたらごめんけど」
いぶき「川上くん」
リヒト「ん?」
いぶき「川上くん」
リヒト「何?」
いぶき「さっきの答え。川上くん。
・・・私が好きなのは・・・
猫でも・・・犬でもなくて・・・川上くん。
・・・猫も犬も好きだけど。
・・・一目惚れ」
リヒト「・・・やっと聞けた」
いぶき「でも、川上くんは
今日会ったばかりの私なんか
恋愛対象としても見てないでしょ?」
リヒト「好きでもねぇやつのために、
わざわざ自習さぼって
シャーペン届けたりしねぇし、
一緒に帰ろうとも言わねぇよ」
いぶき「え?」
リヒト「僕も一目惚れ。
相沢さんが好きだよ」
いぶき「私も・・・好き」
リヒト「相沢さんはどうしたい?
その・・・つきあうとか・・・」
・・・///
いぶき「つ・・・つつつつつきあいたいでしゅ!」
リヒト「プッ・・・どもりすぎだし
噛んでるし」
いぶき「だって・・・
今日初めて会って、一目惚れして、
その日につきあうことになるなんて・・・
夢みたい。
こんなシンデレラストーリーが
あっていいの?」
リヒト「こっちが聞きたいよ。
でも、現実なんだから」
いぶき「うん。
まだ川上くんのこと全然知らないけど、
これから沢山知っていくから!
よろしくねっ」
リヒト「こちらこそ!」
いぶき「とりあえず、ライン教えてよっ」
・*。・ 次の日 学校 ・。*・
まうみ「つきあうことになっただー?」
いぶき「うん」
まうみ「おめでとうっ。
でも、どういう成り行きで?
・・・川上くんて意外とチャラ男?」
いぶき「違うと思うけど・・・
ガリ勉だし・・・」
まうみ「眼鏡とったらイケメンとか?」
いぶき「そんなドラマみたいなこと・・・」
まうみ「シンデレラストーリーには
ドラマチックなことがつき物よっ。
次確認しなさいっ」
いぶき「次ってことは、来週か・・・」
まうみ「はぁ? ありえないわ!
学校知ってるでしょ?
迎えに行くのよっ」
いぶき「あっ・・・」
まうみ「なによっ」
いぶき「学校知らない・・・」
まうみ「ほ、ほんとありえないわっ。
Lineくらいは知ってるでしょ?
Lineしなさいよっ」
いぶき「わ・・・わかったよっ」
〈いまさらだけど、学校どこ?〉
――3分後――
〈ニコラ学園だよ!〉
・・・え。
いぶき&まうみ「ええええーっ」
うそっ一緒じゃん!
直ぐさま返信。
〈私もだよっ〉
まうみ「ちょっ・・・ちょっと!
今から探しに行くわよっ」
いぶき「えぇ?」
まうみ「彼氏の眼鏡の下の素顔。
気になるでしょ?」
いぶき「・・・うん。
でも何組か知らな」
〈うそっ! 僕5組!〉
まうみ「5組行くわよっ」
いぶき「えっ待ってよーっ」
・*。・ 5組 ・。*・
まうみ「川上くんいますかー?」
川上くんは席で本を読んでいた。
リヒト「わっ」
まうみが不意打ちで眼鏡を取る。
いぶき&まうみ「!
・・・イケメン・・・」
リヒト「え・・・」
まうみ「・・・おそるべし・・・
シンデレラストーリー・・・ね」
・・・私、まだ川上くんのこと
全然知らないな。
学校一緒なのも知らなかったし。
・・・クラス遠いもんな・・・
でも・・・塾では隣同士!
塾に無理矢理入れられ、
嫌がってた昨日の私は
どこに行ったのだろう。
《あの時の私はまだ知らなかった。
塾に通うことが
こんなに楽しみになるなんて》
これから川上くんのこと
沢山知っていくからねっ、
覚悟しなさいよっ。
*終わり*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
相沢 伊吹

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