運命の１本の傘

CAST若林真帆

作者：M☆Honeyworks

2018.05.08

１度離れた私と君。

それでも、
また重なる。

この傘の中で。

＊。・　学校　・。＊

タタタッ、

真「おはっよー！」

バッシ!!!!

わ「いってーな！
真帆！」

真「あははー！
イエイ！」

わ「イエイ！
じゃねーよ！」

真「まぁまぁまぁ、
気にしない！」

わ「お前が言うな！」

真「あははー！」

花「相変わらず
仲がいいですねー」

真・わ「「どこが！」」

花「ハモるとことか？」

杏「真帆ー、
先生呼んでるー」

真「おけ！
今行くー」

タタタッ、

花「あのこと、
真帆に言ったの？」

コソッ

わ「・・・いや、
まだ・・・」

花「もう、
明後日でしょ??」

わ「わーってるよ！」

花「もー！」

＊。・　放課後　・。＊

真「雨降ってるー、
傘ないなー」

花「わたじゅん！
真帆、傘ないって！」

コソッ、

わ「は??
だったらなんだよ！」

花「相合傘だよ！」

わ「////
なに言ってっ！」

真「ん？
なに話してんの？」

花「あ！　真帆ー？
傘ないの？
わたじゅんが
入れてくれるってー！」

真「ほんとー？
わたじゅん
たまには優しいねー」

わ「たまにはは余計だ！」

真「あはは！」

花「あ！
私、予定あったんだ！
先帰るねー！」

真「あ！
バイバーイ！」

花「じゃあねー！」

わ「じゃー、
俺らも帰るかー」

真「うん！」

＊。・　帰り道　・。＊

真「あははー、
でさー、」

わ「真帆、
話あんだけど、」

真「んー？
なにー？」

わ「俺さー、
明後日引っ越すんだ」

真「は？
引っ・・・越す・・・？」

わ「うん」

真「なんで
言ってくれなかったの？
わたじゅんなんて、
大っ嫌い!!!!」

ダッ

わ「真帆っ！」

＊。・　真帆家 LINE　・。＊

真《わたじゅんのこと、
知ってたの？》

花《・・・うん》

真《なんで
言ってくれなかったのか》

花《それは、
真帆が悲しむと
思ったからでしょ》

真《私のため・・・？》

花《そーじゃない？》

真《それじゃ、
私サイテーだ。
花南、
ありがと！》

＊。・　わたじゅん家前　・。＊

真「わたっーー」

わ「俺、引っ越したくないよ！」

わ母「なに言ってるの？
そんなの無理よ！」

真「・・・（戻ろう）」

＊。・　翌日　・。＊

真「わたじゅん・・・
昨日はごめん」

わ「あー、別に・・・
それにしても、
今日で最後かー。
向こうの学校は
どんなかな？」

真「なに言ってんの？
ほんとは辛いくせに！」

わ「え？
なに言って――」

真「私の前では
無理しないでよ！」

ダッ

わ「なんで分かんだよ・・・」

・＊・―――・＊・―――・＊・

花「そんなことが」

真「明日、
どーしよー・・・」

花「真帆が
わたじゅんのことが
好きなら、
やることは
ひとつでしょ？」

真「だよね！
ありがと！」

＊。・　翌日　・。＊

真「わたじゅん！」

わ「真帆??」

真「ずっと、
待ってる・・・っ！」

わ「ありがと」

ニッ。

＊。・　５年後　・。＊

真「雨かー。
雨だと、
５年前のこと
思い出すな・・・
あれっ？
傘、ないっ？」

？「真帆？
もしかして、
また傘ない？」

真「わたじゅん！」

わ「ただいま」

真「おかえりなさい」

わ「ほらっ、
おいで？」

真「ふふっ、
ありがと！」

・＊・―――・＊・―――・＊・

もう重なることなんて
ないと思ってた。

それでも、
重なる。

いつまでも。

＊ＥＮＤ＊