好きな気持ちに理由なんてない

CAST若林真帆

作者：rina

2019.03.22

あたしは、
一目惚れをした。

初めて会った時、
胸が締め付けられるくらい、
キュンとした。

・・・侑也だって、
そうでしょう？

「え、僕が真帆を
好きになった理由？」

「うん、聞きたいなぁーって」

ふと、自分が侑也を
好きになった瞬間を思い出して、
聞きたくなった。

そう言えば、
聞いたことなかったなぁ・・・
って思って。

「うーん・・・
どうだろう？
忘れちゃったよ」

「忘れちゃったよ、かぁ・・・」

「ごめんね」

「じゃあさ、」

「うん」

「あたしの、
どこが好き？」

ただ単に、侑也に
「好き」って言って
もらいたいだけ。

あたしは、侑也の
「好き」って言葉が・・・
好きだから。

「・・・ねぇ、真帆」

「ん？」

「好きになることに、
理由って必要なのかな？」

「え・・・？」

「どこが好きって、
詳しく考えなきゃ
いけないのかな？」

「そ、れは・・・」

「だってさ」

不意討ちで、
侑也にキスされた。

「僕は出会った時から
“若林真帆”という・・・
１人の人間が、
大好きなんだよ？」

「侑也・・・」

「じゃあ・・・
逆に真帆は？
僕を好きになった理由は？
どこが好き？」

侑也の言う通りだった。

あたしも”石田侑也”という、
１人の人間が・・・好き。

・・・理由なんて、
必要ないんだ。

今、一緒に居れるってことだけで、
奇跡的なものなんだから。

＊ｅｎｄ＊