1番に伝えたいのは

CAST若林 真帆若林 真帆

作者:真帆ちゃんLove

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2018.10.20

みなさん、こんにちは。
私、二コラ中学校に通う
若林真帆です。





???「マホ~、
いまから図書室?」





マホ「うん。
サキちゃんは部活?」





サキ「そうなんだ!
もうすぐ試合だから
頑張ってくる!」





バタバタと走って
サキちゃんは
部活に行きました。





サキちゃんは
先輩がたくさんいる
バレー部の中で、
試合のレギュラーに
選ばれているんです。





私とは全然ちがうんです。





マホ「こんにちは」





こんな私の唯一の楽しみは、
図書室での仕事を
手伝いしながら
青春小説を読むことなんです。





こんな私にも
きっと運命がくるって
信じて・・・





カシャ!!!





・・・へ?





今、カメラの音が
聞こえたような・・・





顔を上げると、
カメラをもった男の子が
立っていました。





マホ「あ、あの・・・」





???「あ、ごめんね?
さっき、すごくいい顔
してたから」





マホ「は、はあ」





何なのでしょう、
この人は。





写真を撮るために
図書室へ来たんでしょうか?





いえ、きっと
本のことですよね。





マホ「あの、何か本のことで
聞きたいんですよね?」





???「そうそう!
この本の3巻は
あるかな?」





世界写真展作品集・・・?





この人、
写真部の人?





すごい本を
読んでいるんですね。





マホ「えっと、3巻は
今貸し出し中ですね」





???「そっか。
じゃ、返ってきたら
連絡して」





マホ「は、はい。
でもどうやって?」





???「う~ん。。
あ、LINE交換しよっか」





なんだか、ちょっと
軽いのでしょうか?













—–△▲▽▼—–





~翌朝~





サキ「ええええー!!!」





マホ「ちょっとサキちゃん、
声が大きいよ!」





サキ「だってだって、
マホがあのレオン先輩の
LINE交換したなんて!」





マホ「え、サキちゃん、
あの人のこと知ってるの?」





サキ「も~マホ!
あの人どころじゃないって!
レオン先輩、この学校で
1位を争うくらいの
イケメンだって有名だよ!!」





マホ「へーそうなんだ」





サキ「へーじゃないって!
もー、マホ
わかってないんだから」





サキちゃんがぶつぶつ
言ってますけど、
私にはよくわかりません。





あれ、なんかメッセージが
入ってます。





マホ「あ、レオン先輩からだ」





サキ「きゃ!
マホ、見せて見せて!」





サキちゃん、
1人で楽しんでます。。





マホ「昨日言ってた、
本のことだよ。
私が本が返ってきたって
連絡したから、
今日借りにくるんだって」





サキ「マホ、
これはレオン先輩と
仲良くなれる
チャンスだよ!」





サキちゃん、
私、先輩のこと
好きじゃないんですよ?













—–△▲▽▼—–





~放課後~





レオン「マーホちゃん!!」





マホ「わわ!
レオン先輩!
本、返ってきてますよ」





レオン「お、ありがと!」





レオン先輩、
すごく真剣に
読んでいます。





あらためて見ると
やっぱりイケメンかも・・・?





ジーッと見てると、
レオン先輩が
こっちを見てきました!





ずっと見てたの
気づかれちゃいましたかな?





レオン「・・・」





マホ「え、えーっと・・・?」





レオン「マホちゃん、
あのさ・・・」





マホ「は、はい・・・?」





なんでしょうか、
ものすごく真剣な目で
見ているんですけど・・・?





レオン「マホちゃん!
これに出てみない!?」





マホ「・・・へ?」





なんだ、
こんなことか・・・





え、ちょっと待って!





さっき私、ちょっと
がっかりしていませんでしたか?





な、なんででしょうか?





レオン「で、どう?
マホちゃん」





あ、忘れてました。
そういえば先輩が
言ってたのって
なんだろ?





マホ「モ、モデルオーディション!?」





レオン「そ。
ま、新人カメラマン
オーディションも
なんだけどね」





マホ「え、なんで、
私ですか・・・?」





レオン「俺がさ、
マホちゃんの写真を
勝手に撮っちゃったとき、
マホちゃんほんとに
いい顔してたんだ。
それ見てたら、俺までなんか
うれしくなってきてさ。
それ思い出して
マホちゃんに頼んだんだ」





マホ「そうだったんですか」





レオン「うん。
で、どうかな?
俺と一緒に受けてみない、
オーディション?」





先輩の目、
すごく真剣です。





このオーディション、
先輩にとっても
大事なオーディション
なんですよね。





だったら、もう
受けるしかない!!!





マホ「わかりました。
先輩と一緒に受けます!」





レオン「ほんと!?
じゃ、撮影日は・・・」





わ、本当に受けることに
なっちゃいました。





今さらですけど・・・
どうしましょう!?













—–△▲▽▼—–





~撮影日~





サキ「はあー。
うらやましいな、マホ。
先輩とオーディション
受けるなんて!」





マホ「いやいや!
私みたいなメガネっ子の
おさげな地味ーズが、
モデルオーディションだなんて」





サキ「そんなこといわないの!!
少しでもかわいくなりたいから、
今こうしてるんでしょ?」





うう。
確かに今、サキちゃんに
ヘアメイクしてもらってるんです。





だって、先輩に
撮影してもらうなんて、
緊張します。。





私、あの日から妙に
先輩のこと意識してます。。





なんででしょうか?





サキ「うわ~、我ながら
とてもかわいくできたよ、
マホ!」





マホ「ほ、ほんと・・・?」





鏡を見てみると、
知らない女の子が
うつっていました。





マホ「サキちゃん、
この子、誰・・・?」





サキ「マホだよ!
マホなんだよ、
この女の子は!!」





マホ「え、私なの・・・?」





鏡にうつっている私(?)は、
メガネをはずして
コンタクトをしていて、
かたく結っていたおさげが外れて
きれいなウェーブが
かかっていました。





ほんのりチークが
塗られていて、
グロスで唇が潤っています。





サキ「マホ、
服も見て!」





マホ「わ!
これって、この前、
雑誌に載ってた服だ・・・!」





サキ「そ。学校中探したんだ。
そしたら1人だけ持ってて、
頼んだら貸してくれたの」





うう、サキちゃん
優しすぎます・・・!





マホ「サキちゃん、
ほんっとにありがとう!
大好き」





サキ「いいの、これくらい。
マホだって、私のために
いつも尽くしてくれる。
いつものお礼だと思って!」





マホ「本当にありがとう」





サキ「さ、行って。
もうすぐ時間だよ?
頑張ってきて!」





マホ「うん!」













—–△▲▽▼—–





~図書室~





わ、先輩もういます。





遅刻しちゃいました。





マホ「すみません。
遅れました」





レオン「え、マホちゃん・・・?」





マホ「はい・・・」





どうしよう、
やっぱり私なんかには
似合ってなかったですか?





レオン「いつもと全然
雰囲気違って
わからなかった。
・・・うん!
似合ってる!」





あ、今やっと
わかりました。





私、先輩のことが
好きみたいです。





先輩のこと考えると
胸がトクン、って
ときめくのも、





先輩と話すと
胸が苦しくなって、
だけどそれ以上に
幸せなこの気持ちが。





レオン「よっしゃ、
始めよっか」





マホ「はい!」





パシャ!!!
パシャ!!!





レオン「うん、いいね」





レオン「もう少し脚、
前に出してみよっか」





レオン「首、傾げてみて」





初心者で、
なにもわかってない私を
先輩は優しく教えてくれました。





先輩、このオーディションで
もし、もしだけど、
合格したら、
先輩に私の気持ち、
伝えてもいいですか・・・?













—–△▲▽▼—–





~合格発表~





私と先輩は、お互い無事に
書類審査を抜け、
最終審査まで進みました。





今日はその、
合格発表の日です。





オーディション会場で
封筒を渡されて、
そこに合格者の名前が
書いてあるそうです。





そして、今、
封筒をもらい、
家で自分の机に
向かっています。





マホ「お願い、あって。
私の名前・・・」





深呼吸しましょう。





緊張してきました。





マホ「よし」





封筒から取り出したのは
白いB4の小さな紙。





たった4人の名前が
書いてあるだけ。





そして、
私の名前は・・・





マホ「・・・」





私は駆け出しました。





1番に伝えたいのは、
あの人だったからです。





地味っ子の
私の写真を撮って、
いいと笑顔で言ってくれたのは、
あの人だったからです。





こんな私とオーディションを
受けてくれたのは、
あの人だったからです。





恋をしたことがない私に、
恋を教えてくれたのは、





あの人だったからです。





伝えたい、
伝えたい・・・!!!





1番に、あの人に・・・!!!





マホ「先輩!!!」





レオン「マホちゃん!?」





マホ「先輩、
合格したんですね。
管理の方から聞きました」





レオン「うん。
マホちゃんは、どうだった?」





マホ「私は・・・」





先輩に伝えたかったんです。
この気持ちを。





マホ「合格しました・・・!!」





言ったとたん、
なんだか涙が出てきました。





やだな、
先輩に見られるの。





恥ずかしいです。。





ギュッ。





え?





先輩から
抱きしめられてる・・・?





マホ「先輩・・・?」





レオン「好きだ」





「ほんとは、
すぐに言おうって思ってた。
だけど、俺とマホちゃん、
オーディション受けてたし、
今から事務所入ったら、
恋愛とか禁止になるかもしれない。
だけど、それでもいい。
俺がマホちゃん好きだって、
1番に伝えたかった」





マホ「先輩」





レオン「うん?」





マホ「私も、先輩のこと好きです」





あれ、また涙
出てきちゃいました。





レオン「泣きすぎだ、マホ!」





初めて呼び捨てで
よんでくれた先輩の目は、
とても優しかったです。





マホ「よろしくね。
・・・レオン!」







*end*

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