勉強会は放課後に。

CAST若林 真帆若林 真帆

作者:かき氷のシロップ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2019.01.20

先生「テスト返すぞー」





あちこちから
悲鳴の声がする。





先生「数学、理科のトップは・・・
若林!」





私は、慣れたように
立ち上がる。





マホ「はい」





「マホちゃんすごいよねー」
「前もじゃなかったっけ?」





先生「理科97点
数学100点!」





「やばー!」





テストを受け取ると
席に着く。





だけど、
気分がいいのは
ここまで。





だって・・・、





先生「次、国語と英語の
トップは・・・懸樋!」





やっぱり、懸樋だ・・・





オオゾラ「はい」





先生「英語が97点、
国語が100点!」





やっぱりすごい・・・













・゜°・ 。・:・゜☆・・゜°・ 。・:・゜°・☆*





リナ「英語18点、
国語21点・・・」





わああっ!





休憩時間になると、
リナがやってきた。





マホ「リナ!
声出して読まないでっ!」





私がそう言っても、
リナはペースを乱さない。





リナ「不思議。
マホ、数学と理科完璧で、
社会は82点で安定だけど、
国語と英語がそんなにも
ボロボロなの?」





うっ・・・わかんないよー
そんなの。





マホ「数学と理科は好きだけど、
国語と英語は、苦手だな」





リナ「普通、逆でしょ」





普通、女子は文系、
男子は理系ができないと
いけないらしい。





リナ「ということは・・・、」





リナはニヤッと笑う。





リナ「マホは、
リケ女なのねぇ」





理数系女子を略して
リケ女と言う。





最近流行っている?
らしい。





うーん。
リケ女か・・・





先生「若林ー、懸樋ー、
ちょっと職員室にこーい」





よ、呼び出しっ!?





私は、ぞっと血の気が
引くようだった。





リナ「マホ、
呼び出しじゃん」





点数のことで、
ついに、怒られるっ!





先生も、中々上がらない点数に、
イラついてたのか・・・





でも、なんで・・・





オオゾラ「わ、わかりました・・・」





懸樋も一緒なんだろうか。





そう思いながら
懸樋を見た。





目まで隠れそうな黒髪に、
黒縁メガネ。
おとなしい性格。





数学も理科も、
トップじゃなくても、
懸樋は、優等生だから
点数いいのでは・・・?





私は、ありえるけど、
どうして懸樋も
呼び出しなのか。





リナ「いってらー」





リナは相変わらず
表情を変えず、
私にひらひら手を振った。





リナに適当に対応すると、
懸樋がすすっとやってきた。





隣で歩いている懸樋は、
意外と背が同じぐらいだった。





職員室に着くと、
先生が出てきた。





先生「おぉ、来たか。
で、今回のテストなんだが・・・」





やっぱり・・・





先生「若林と懸樋は、
できる教科は
毎回トップクラスなのに、
出来ないものは
最下位すれすれ」





えっ!





懸樋、苦手な教科あるんだ!





隣にいる懸樋は、
私が文系が出来ないことを
驚いていた。





先生「次の次の週に、
復習テストがあるんだ。
また、嫌いな教科で
あんな点とりたくないだろ?」





まぁ、
それはそうです。





先生「得意科目のノートまとめは
うまいし、いい意見も出すと
それぞれの教科担当の先生から
聞いたんだ。
それなら、教え合えばいいと思って、
来週の1週間の放課後、
2人で勉強会をして、教え合うこと」





ええええっ!?





懸樋とは接点ないし!
喋ったことないし・・・!





ましてや、
2人で勉強なんて・・・!





きっと懸樋も、
焦っているだろうと
思ったけど・・・





オオゾラ「わかりました。
苦手な教科、
克服するために頑張ります」





懸樋は、姿勢を正したままで、
そう言った。





苦手な教科を
克服するためか・・・





・・・やってみようかな。





マホ「私も同じです。
頑張ります」





そうして、私たちの
1週間が始まった。













*・゜°・ 。・:・゜☆・・゜°・ 。・:・゜°・☆





・勉強会1日目・





なんか、
無駄に緊張するな。





ガラガラッ





教室の中には、
懸樋が1人勉強していた。





オオゾラ「あ・・・若林さん・・・」





懸樋は、
私に気づくと
顔を上げた。





マホ「・・・懸樋、早いね」





オオゾラ「えっと、うん」





シーーーーン





会話終了。





何を話せばいいのか・・・





私は無言で懸樋の机の前に
机をくっつけて座った。





マホ「い、今、
何やってるの?」





オオゾラ「す、数学・・・」





懸樋は、わからないところを
飛ばしていて、
ほとんど空白だ。





答えを書いているところも
間違えだらけ。





マホ「そこ、公式暗記すれば
案外簡単だよ」





オオゾラ「そうなんだ。
数学、ほんと苦手で・・・
解けるかな」





懸樋、真面目だし、
すぐに覚えられるはず。





マホ「大丈夫!
こんなの簡単だと思えばいいよ。
ゆっくり教えるから!」





私は精一杯の笑顔を見せた。





んー、うまく笑えてるかな?
懸樋は私をじっと見ていた。





オオゾラ「・・・」





えっ!
なんかおかしかった!?





マホ「か、懸樋?」





オオゾラ「・・・っあ!
ごめん」





マホ「どうかした?」





オオゾラ「・・・僕、おとなしい方で、
あまり友達関係うまくないから、
若林さんみたいな人、
初めてだったから・・・」





マホ「そういえば、
喋るの初じゃないかな」





オオゾラ「・・・そうかも」





マホ「はじめまして・・・は、
おかしいか・・・えーと、
まぁ、1週間よろしく!」





オオゾラ「・・・うん。よろしく」





懸樋って、無口だけど、
ただ表現が苦手なだけで
いい人じゃん。





初めは、戸惑いもあったけど、
日が経つと一緒に、
いつでも自然な会話が
できるような・・・、





そんな感じに、
仲良くなれたらいいな。













・゜°・ 。・:・゜☆・・゜°・ 。・:・゜°・☆*





・勉強会2日目・





その日は私の方が
早く来ていた。





空気がなんだがぬるい・・・





私は、窓を少し開けた。





冬だから、
風は冷たかったけど、





風が吹くと
自然の香りがして、
気持ちよかった。





ガラガラッ





オオゾラ「あ、遅れてごめんっ・・・」





私がいることに気づくと、
ぺこっと頭を下げた。





マホ「ううん。
私が早く来ただけだよ」





オオゾラ「そうなんだ、
良かった」





マホ「勉強始めよっか」





オオゾラ「うん」





席に着くと懸樋は数学、
私は国語に取り掛かった。





マホ「あっ!」





オオゾラ「えっ!
どうしたの?」





マホ「昨日、
私が言った公式で解けてるし、
答えも合ってるよ!」





ちゃんと私が言ったこと、
試してくれたんだ。





オオゾラ「若林さんのおかげだ。
ありがとう・・・!」





その時、窓から入ってきた冬風に
前髪が乱れて
2つの瞳が見えた。





ドキッ





その目が、なんとも
優しそうだった。





懸樋の目をじっと見たの
初めてかも・・・





よくみると、
顔整ってるな。





オオゾラ「若林さん?」





わっ!
じっと見つめ過ぎた!





変な人って
思われたかな・・・





マホ「うん!
役に立ってよかった!」





そういうと、
懸樋はまた微笑んだ。





良かった・・・





なんとも思われてない
みたいで。





オオゾラ「あ・・・」





マホ「へっ!
な、何?」





オオゾラ「そこ、間違ってる」





マホ「あ、そうなの?」





オオゾラ「ここはね・・・」





私は清少納言の枕草子の言葉を
現代語に訳す問題をしていた。





オオゾラ「『火桶の火も
白き灰がちになりてわろし』、
のわろしは面白いとか、
笑えるって意味じゃなくて、
好ましくない、
とか好きじゃないって意味なんだ」





そうなんだ!





マホ「昔の言葉って今とじゃ
意味は結構変わるんだね」





オオゾラ「ガラッと変わるものも
あるけど、
百人一首の中で、
『奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の
聲(こえ)きくときぞ秋は悲しき』
って言うのがあるんだけど、
若林さん、意味訳してみて」





えっ!
・・・えーと、





マホ「山の奥で紅葉を踏み分ける・・・
えーと・・・鹿の声を聞くと
秋は悲しく感じる?
って感じかな?
違うよねー」





オオゾラ「合ってるよ」





えっ!?





オオゾラ「意味があんまり
変わらなくて、
わかりやすいのもあるんだよ」





へぇー!





マホ「懸樋、百人一首
全部暗記してるの?」





懸樋は照れながらも
嬉しそうに、





オオゾラ「1つ知ったら、
どんどん覚えたくなったから・・・、
気づいたら、全部・・・」





マホ「すごい!
すごいね懸樋」





オオゾラ「・・・ありがとう。
そんな反応してくれたの
若林さんだけだよ」





ドキン





マホ「私も、
教えてくれてありがと・・・
っくしゅん!」





オオゾラ「大丈夫?
・・・っはくしょん・・・!」





私と懸樋は、
目を合わせて笑いだした。





オオゾラ「なんで窓開けてたの?」





マホ「冬風が
気持ちよかったからなんだ。
ほら、懸樋こっち来て!」





私は窓の近くに寄ると、
手招きをした。





オオゾラ「ほんとだ気持ちい~」





マホ「帰り、
寒くなりそうだね」





と、私が言うと、
肩に何か掛かった。





オオゾラ「これ、
着て帰ってもいいよ・・・」





懸樋のブレザー・・・だ。





オオゾラ「あ、僕、
そろそろ帰るね・・・!
また明日」





と言って、
素早く帰っていった。





マホ「ふふっ照れ過ぎ」





見た目に合わない
男らしい懸樋の行動に
思わず笑いが溢れる。





窓が開いたままで寒いのに、
なぜか心はポカポカだ。





それはきっと、
懸樋の優しさに、
心がときめいたからだ。





あれ?
なんだろう、
この気持ちは・・・













*・゜°・ 。・:・゜☆・・゜°・ 。・:・゜°・☆





・勉強会3日目・





こんにちは、
懸樋オオゾラです。





僕は今週から若林さんと
2人で勉強会をしています。





若林さんはあまり喋らない僕に
ゆいいつ優しく
接してくれた人だ。





そんな若林さんは
理系ができて、
文系はできないらしい。





僕はその逆・・・





マホ「懸樋!
お疲れ~」





噂をすれば若林さん。





オオゾラ「若林さんもお疲れ」





いつも笑ってて
感じがいい。





マホ「今日も天気が良いな。
ね、窓開けていい?」





僕が頷くと、
嬉しそうに窓を開けた。





時々、若林さんの横顔に
ドキッとする時がある。





同級生にはいない
大人っぽさ。





大きな瞳には
笑みを含んでいる。





目が合うと
ついそらしてしまう。





どうして女子の方が
先に大人になるのだろう。





僕は昨日のことを
思い出しながら思う。





僕も早く
大人っぽくなりたいと。





でも・・・、





マホ「ん?
懸樋どうしたの?」





あ、また目をそらしてしまう。





うーん・・・
まだまだ先かなぁ・・・













・゜°・ 。・:・゜☆・・゜°・ 。・:・゜°・☆*





・勉強会4日目・





リナ「マホー」





勉強会に行く準備をしていた
私にリナが声をかけた。





マホ「どしたの?」





その日のリナは
珍しかった。





リナ「今日さ、
ママに頼まれ事してて、
遅れたらやばいんだけど、
それを忘れてて、
委員会の仕事入れちゃってさ。
変わってくれない?」





放課後は、
懸樋と勉強会・・・





懸樋、先いっちゃってるし・・・





だけど・・・、





マホ「わかった、いいよ」





リナには色々恩があるし。





リナ「ありがと。
ママ、怒らせたらやばいから、
もう行くわ」





と、慌てて教室を
出ていった。





リナの弱点は
ママなのね。





リナらしいや。





委員会の仕事に行く前に、
懸樋に伝えとかないと。





ユウヤ「あれ?
若林、黒坂見なかった?」





石田君とリナは
委員会が一緒だったっけ。





マホ「リナ、
用事があるらしいから、
私が代理になった」





ユウヤ「えっ!
あ、そうなの!?(やった!)」





マホ「うん」





ユウヤ「あ、急がないと、
遅れるから行こう!」





どうしたんだろう。
石田君、
テンションが上がってる?





まぁいいや。





私は、走り出す石田君の後を
慌てて追った。





私はこの時、
懸樋に言っとくことを
忘れていた・・・





私と石田君は、
特別教室の掃除をしていた。





ユウヤ「若林ってさ・・・」





マホ「何?」





石田君は緊張気味に
聞いてきた。





ユウヤ「好きな人とか、
い、いるの?」





ドキン!





なんでここで、
懸樋が思い浮かぶの?





マホ「そんなの、いないよ?」





ユウヤ「俺、若林のこと、
ずっと気になってた。
好きな人いないんなら、
俺のこと好きになってほしい」





マホ「え・・・?」





石田君の突然の告白に
戸惑いが隠せなかった。





マホ「私・・・」





キーンコーンカーンコーン





はっ!





マホ「ごめん! 石田君、
先帰っていい?」





ユウヤ「えっ!?」





完全に忘れていた、
懸樋のことを。





まだいるといいけど・・・





マホ「懸樋っ!」





いつもの教室には、
誰もいなかった。





もう、帰ったのかな。





どうしよう・・・





私は急いで
靴箱に向かった。





そこに懸樋がいた。





マホ「懸樋っ!」





懸樋は、
体をビクつかせたけど、
振り向かなかった。





オオゾラ「なんで、
来なかったの」





マホ「あ・・・、」





懸樋の声が暗い。





そりゃ、怒るよね。
約束破ったんだもの。





オオゾラ「若林さん、
彼氏いたんだね」





え・・・?





オオゾラ「階段降りる途中、
石田君と若林さんが
見えたから」





マホ「それはっ!」





懸樋はゆっくりと
振り向いた。





その目は私を
突き放すようだった。





オオゾラ「勉強会、
楽しいと思ってたの、
僕だけだったんだ」





と言って、
懸樋は走り出した。





マホ「懸樋っ!」





バカだ・・・私・・・





気づけば泣いていた。





私、懸樋が好きなんだ・・・













*・゜°・ 。・:・゜☆・・゜°・ 。・:・゜°・☆





・勉強会最終日・





6時間目が終わると、
私はすぐさま懸樋に
声をかけようとした。





だけど、懸樋もすっと立つと、
教室を出て行ってしまった。





マホ「誤解なのに・・・」





ユウヤ「若林さん。
昨日のことなんだけど」





私、ちゃんと言わないと。





マホ「ごめん!
私、やっぱ
好きな人がいるんだ!」





好きな人、
それは懸樋だ。





私は、いつもの教室に
向かった。





懸樋なら、
きっと来てくれる。





勉強会、
最後の日だから。





すると・・・、





ガラガラガラガラ・・・





マホ「懸樋・・・」





オオゾラ「昨日は、
一方的に気持ちぶつけてごめん」





マホ「悪いのは私だから。
でも、それは、誤解なの。
好きな人は懸樋だから」





懸樋は、一気に
顔を赤くする。





マホ「昨日ね、友達に頼まれて、
石田君と委員会の仕事してたんだ。
それで、懸樋との約束
忘れてたんだ」





オオゾラ「そうだったんだ・・・
決めつけてごめんね」





マホ「だからもう一度言うけど、
私が好きなのは懸樋だから」





懸樋は、また
顔を赤くする。





その反応が面白くて、
つい笑ってしまった。





マホ「昨日、懸樋が
勉強会楽しいと思ったの
僕だけって言ったじゃん。
あれ、私も一緒だから」





オオゾラ「僕との勉強会、
楽しかったって
思ってくれるの?」





マホ「懸樋だったから、
楽しかったの」





オオゾラ「あ、あの、
ぼ、ぼぼ、僕も若林さんのこと、
好きです」





えっ!
りょ、両思いっ!?!?





マホ「ふふっ!
なんか、面白いね」





オオゾラ「な、なんで?」





マホ「懸樋は文系でおとなしいのに、
私は理系で活発で、
真逆って言えるぐらいの2人が、
好き同士なんてね」





オオゾラ「本当だ」





マホ「あ、そういえば、
この1週間、
勉強、そんなにしてないよね・・・」





オオゾラ「本当だ・・・」





マホ「やばいなぁ。
来週テストだよ」





オオゾラ「い、今から、
勉強し・・・」





キーンコーンカーンコーン





マホ、オオゾラ「あっ・・・」





私と懸樋は、
ナイスタイミングな
チャイムに笑っていた。





マホ「帰らないとね」





オオゾラ「うん」





帰り道は、
冷たい風が当たって
寒かったけど、
なぜかポカポカだった。





それはきっと、
好きな人と
手をつないでいるからだ。













・゜°・ 。・:・゜☆・・゜°・ 。・:・゜°・☆*





・復習テストの返却日・





先生「テスト返すぞー」





あちこちから
悲鳴の声がする。





先生「数学、理科のトップは・・・
若林!」





私は、慣れたように
立ち上がる。





マホ「はい」





「マホちゃんすごいよねー」
「前もじゃなかったっけ?」





先生「理科97点
数学100点!」





「やばー!」





テストを受け取ると
席に着く。





だけど、
気分がいいのはここまで、





だと思う・・・





だって、





先生「次、国語と英語のトップは・・・
懸樋!」





オオゾラ「はい」





先生「英語が97点、
国語が100点!」





やっぱり!





リナ「マホは英語20点、
国語24点で、
懸樋は数学21点で
理科23点って、
2人、教えあったんじゃないの?」





それを聞いた先生は、





先生「若林ー! 懸樋ー!
直ちに職員室にこぉーいっ!」





やっぱり私はリケ女で
懸樋は文系男子なんだね。





私は、懸樋と見つめあって
笑って思った。





今週もまた勉強会、だな。





まあ、懸樋と2人なら、
どんなことも楽しいだろう!







*・゜°・ 。・:・゜☆・・゜°・ 。・:・゜°・☆ HAPPY END!

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