肖像画の君と

CAST組橋 星奈組橋 星奈

作者:秋浜ユカ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2020.10.01






私の名は、
組橋星奈。





部活終わりに帰ると
辺りが暗くなってしまった。





廊下を歩いていると
化け物がやって来ました。





一見、人にも見えますが
口裂け女といった所でしょう。





化け物に遭遇するのは
日常茶飯事だったので
驚くほどでもないですが





危険であることに
変わりないので逃げます。





先程言った通り
日常茶飯事なので
逃げ足は普通の人より速いです。





なのに、速すぎます。





いつもなら逃げ切れるはずが
3mくらい近づいていて
ピンチです。





腕を掴まれました。
大ピンチです。





近くで見ると怖さ倍増の
口裂け女の口が
大きく開いて万事休す。





そこに





「ちょっと待てー!!!!!!」





という大きな男の声。





口裂け女は
私をほっぽりだし
男を襲います。





「情熱的な女は嫌いじゃねえが
乱暴するやつは許さねえ!!!」





男は口裂け女を
撃退してしまいました。
蹴りで。





「大丈夫か。
怪我とか傷とか
骨折とかしてないよな!」





まるでカッコつけてみたけど
冷静になると恥ずかしいと
言っているような
赤い顔をしたこの男。





まるで告白されているのかと
勘違いしてしまうくらいだった。





「落ち着きな!」





女子トイレから現れた、
長髪に眼帯をつけた
セーラー服の女の子。





「花子!
あ、紹介するよ!」





と私を見る。





「こちらは花子。
女子トイレに
住み着いている幽霊」





「襲われることがあったら
私に言いなさい。
何とかするから」





「助けてくれるんですか?」





「悪霊は生きた人、死んだ人
関係なく襲って来るし、
悪霊に倒されたら
消滅してしまう。
だから幽霊は
刃物を持っているのさ」





物騒だな。





「あ、俺も言っておこうかな。
俺はルートウィッヒ。
簡単に説明すると
動く肖像画って所かな。
名前は花子につけてもらった」





「ベートーヴェンの肖像画だから
ルートウィッヒとつけただけよ。
肖像画といっても
幽霊に変わりないけどね」





道理で格好がベートーヴェン
みたいだなと思った。





「組橋星奈」





驚く花子さん。





「あら、本名を覚えている
幽霊なんて初めて見たわ。
珍しいわね」





「だから私
幽霊じゃないんですけど」





「幽霊は最初は生きていると
勘違いするものよ!
それに、こんな時に
生きた人がいるわけないでしょ」





どうやら私は幽霊だと
勘違いされているようです。





「私、帰りますね。
ルートウィッヒさん
助けてくれて
ありがとうございました」





「あら、屋敷持ちだとは
知らなかったわ!
よかったらここ(学校)に
住んでもいいのよ!」





「遠慮させていただきます」





これが出会いであった。





それから私は部活終わりに
彼らと会うようになり、
仲良くなっていった。





花子はアイドルグループの
ファンであり、その話は
熱中すると止まらず。





ルートウィッヒは
図書室の漫画に影響されやすく、
漫画のセリフをよく口にしていた。





私は、花子に
疑問をぶつけてみた。





「ねぇ、最初に会った時
本名を覚えている幽霊は
珍しいって言っていたよね。
あれ、どういうことなの?」





「あぁ、そうね。
本来幽霊は記憶を
無くしがちなのよ。
花子もルートウィッヒが
つけたのよ!」





「名前つけたお礼にな!
女子トイレの幽霊といったら
花子さんだからな!」





「だから、本名を
覚えているなんて
珍しいと思ったのよ」





そもそも幽霊では
ないんですけどね。





でも、私の正体を知ったら
どうなるんだろう。





そんなこんなで、1ヶ月は
すぎていたある日
私は知ってしまいました。





ずっと続くわけないと。





何故かいたのは
ルートウィッヒだけだった。





「あれ? 花子は?」





「・・・・・・・・・」





何も言わない
ルートウィッヒ。





「星奈、1つ言わないと
いけないことがあるんだ!」





「言わないと
いけないことですか?」





今までのルートウィッヒ
とは程遠い。





重い現実を
突きつけられたような
顔をしていた。





「俺、成仏しそうなんだ。
だから、星奈とは会えなくなる」





わかっていた。
生まれたときから
幽霊を見ていた私は
会っては別れの繰り返しだった。





「いつ、成仏するの?」





「明日」





「え」





「今まで、すごく楽しくて。
それで、忘れていたことを
思い出したんだ。
だから、もう後悔したくない!」





「俺は星奈が」





ドガッシャーン





「な、何?」





驚くルートウィッヒ。





「今すぐ逃げて!!!
早く!!!」





どこからか花子が。





そこにいたのは
悪霊でした。





包丁を何本も持っており
呪いの藁人形を
いくつもぶら下げている
女性の姿が。





危険すぎる。





「ここは俺に任せて
早く逃げて!!!」





「死んでいるのに
死亡フラグ立てないで!」





「とにかく
倒すしかないわね」





と言うと、花子は
ハサミを取り出した。
これで攻撃するのだろう。





「まったく。
成仏しそうなのを
言わないなんて。
隠れていたのが
無駄になったじゃないの!」





「隠れていたのか!?」





「私だって死んでいるけど
実年齢20超えてるからね!
告白の邪魔はしたくなかったのよ」





「まぁ、ありがと。母さん」





「母さんじゃないわ!!!」





今まで母さん扱いしてたんだ。





2人は悪霊に立ち向かった。





花子はハサミで斬り、
ルートウィッヒは
漫画の技を言いながら
ナイフで倒そうとした。





結果は劣勢。
相手が強すぎる。





「強い!!」





「相手はおそらく
恋に敗れ恋を憎む悪霊」





よく見ると藁人形には
男の写真が貼ってあった。





この悪霊はルートウィッヒが
告白しようとしたのを
聞いてしまい、
憎んでいるんだ。





「愛の憎しみが強いから、
悪霊は強くなれる」





絶対絶命の大ピンチだ。





私は今まで
逃げることしかしなかった。





遅いけど、
そんな自分を悔やんだ。





だが、





「まだ、ダメだ」





ルートウィッヒだった。





ルートウィッヒは
攻撃を辞めなかった。





「俺はまだ言ってないことが
あるんだ!!
じゃないと
また後悔してしまう!」





そして過去を語った。





「俺は、母さんと
2人暮しだったんだ。
母さんはいつも忙しくて
俺に構ってくれなかった。
そして過労で死んでしまった。
感謝を伝えられず」





ルートウィッヒに
そんな過去があったなんて。





「いつも忙しかったけど、
母さんと2人でお出かけしたり
一緒にチョコレートクッキー作った。
いくらでも感謝を伝えることは
できたけど言えなかったんだ!!
後悔したよ。
なんで言えなかったんだと。
もうあんな思いはしたくねぇ」





ルートウィッヒは
溜まっていた思いが
溢れていた。





私はその思いに
動かされた。





「ごめんなさい」





私は声が漏れた。





「ごめんなさい
ごめんなさい」





いくらいっても
足りない気がした。





「私、2人に
黙っていたことがあったの」





私は本来の姿に戻った。





頭に猫の耳が生え
2本のしっぽ手は肉球で
するどい爪。





私は人間に紛れて
暮らしている猫又。
妖怪だった。





今まで力はあるけど
怖くて逃げることしか
出来なかった。





だけど、今は違う。





「ニャーーー!!!」





私は爪で悪霊を
引っ掻きまくった。





「ギャアァァァァーーーー」





悪霊は
消え去っていった。





「まじかよ(笑)
人間に紛れる妖怪なんて
聞いたこともないよ!」





花子は笑うしかなかった。





「俺もスゲーびっくりしたわ。
でも、やっと解決した」





解決した?





「俺が生きていた時に
飼っていた猫の名前が
星奈って言うんだよ。
それで俺の本名は組橋月。
花子はわかったよな」





少し考えると





「星奈は生前の
ルートウィッヒと
会ったことがある。
ということね」





「あぁ、逃げちゃったがな」





私はクスリと笑った。





「まさか、こんな形で
再会するとは
思わなかったけどね(笑)」





そんな楽しい空間が
長くは続かなかった。





ルートウィッヒもとい、
月の体が透けていた。





「お別れの時間みたいね」





花子は冷静な声とは裏腹に
悲しい表情していた。





「星奈、改めて
言いたいことがあるんだ。
俺は星奈が好きだ!
どんな姿でも好きだ!
またいつか会ったら、
その時も好きと伝えよう!
じゃあな」





彼は消えた。
過去数百年
最高の告白だった。











*・。+ *・。+ *・。+ *・。+
*・。+ *・。+ *・。*





というようなお別れが
来るかもしれなかったが、
彼の言ったことが本当になった。





彼は天使になって
帰ってきた。





そして、返事を伝えた。





私も好き。







そして、キスをしたのは
言うまでもない。







*end*

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