ヲタクの私とさえない君

CAST組橋星奈

作者：さととん

2021.08.23

私、組橋せな。
私、自分で言うのも
なんだけど、
成績オール５なの。

それに顔もスタイルも
そこそこ良いと思ってる。

中学校入学初日に
知らない２人から
告白された（笑）

それに友達
めっちゃ多いの!!

いわゆる学校での
「一軍」ってやつ。

友達からは
「いつも完璧だよね。
誰とも付き合ったことが
ないのが不思議!!」
と何度も言われている。

そんな私は
学校のみんなに
隠していることがあるの。

それはね・・・

ちょー
アイドルヲタクなんです!!!

私は◯◯グループの
レオンくんに
リアコしているの。

色んなイケメンに
告白されても
付き合わない理由はこれ！

レオンくんにかなう男子は
この世に存在しないのだ!!!

＊。・　私いつもの生活　・。＊

友達「今日遊べる??」

せな「今日はムリ！
ごめんね」

友達「いっつも無理じゃん！
家で何してるの？」

せな「今日は用事。
次は遊ぼ」

＊。・　放課後　・。＊

ダッシュで家に帰る。

「レオンくーーーん！」

家に帰ったら
自分の部屋に飛び込んで、
レオンくんのうちわを
眺めて過ごす。

こんな感じでいつも
友達の遊びを断って
レオンくんに
貢いでいるのです!!

こんなこと学校でバレたら
一軍から外されてしまう!!

ということで
学校のみんなに
隠しているのです・・・

＊。・　ある日　・。＊

熱があるから
学校を休んだ。

（心の中）
「ラッキー!!
これで１日中レオン君の
うちわを見て過ごそう」

その日はうちわを眺めたり、
レオン君のＣＤを
デビュー当時から見ていったり、
とっても幸せだった。

あっという間で、
時計を見たら、
もう夕方だった。

「今ごろ学校が
終わってるだろうな」

ピンポーン

ん？　誰だろう。

あ、お母さんが
「今日夕方ごろに
宅急便が来るから受け取って」
って言ってたな。

私はうちわを持ったまま
玄関に行った。

「はーい」

ドアを開けたら、
同じクラスの
こうしょう君だった。

こうしょう君は、
目立たなくて
さえない二軍男子。

同じクラスだけど
今日初めて喋った。

「今日の授業のノート
持って行ってあげてって
先生に言われたんだ」

せな「ありがとう!!」

こうしょう「これってレオン君？
有名だよね。
好きなんだね」

せな「きゃーーーーーーーー！」

そうだった、
今私は両手にうちわ、
グッズのＴシャツを
着ているのだ。

ノートを受け取って
急いでドアを閉めた。

バレてしまった。

もう学校に
行きたくないよ。

＊　‐‐‐　＊　‐‐‐　＊

次の日
私は学校に行った。

明らかにテンション低く、
大人しい感じだった。

その様子に気づいた
こうしょう君が
話しかけてきた。

こうしょう君「もしかして、
レオン君が好きなこと
僕にバレて
落ち込んでるの？」

せな「・・・うん」

こうしょう君「僕は言わないよ。
けどね、そんなに学校で
ばれないように気を遣っていて
大変じゃないの？
アイドルヲタクなんて
恥ずかしくないよ。
自分の好きな人なんでしょ？」

その言葉が
グサッときた。

その次の日、私は筆箱を
グッズの筆箱に変えた。

みんな少し
びっくりしたようだが、

友達は「いいじゃん!!」
と言ってくれた。

それからだんだん
自分をさらけ出すように
なってきた。

だんだん学校が
楽しくなってきた。

けど私は最近
こうしょう君を
目で追うようになっていた。

もしかして私
こうしょう君のことを・・・

前まで、二軍の男子なんて
眼中になかった。

けど、これは
恋と確信した。

＊。・　ある日　・。＊

屋上に来て欲しいと言う
手紙を渡した。

せな「あ、あの」

こうしょう君「俺から言わせて、
あの日から僕は
せなちゃんを目で追うように
なっていた。
好きです。付き合って下さい」

せな「はい!!」

これから私たちは
カップルになった。

一軍と二軍なんで、
学校中がびっくりした。

こうしょう君といると
本当に楽しい!!

レオン君は今でも
とっても応援してるよ！

オタクの私とさえない君。

＊ｅｎｄ＊