思い出の香り
作者:蘭
私は組橋星奈!
高校1年生です!
和奏「そういえば星奈って
好きな人とかいないのー?」
星奈「いるよー」
和奏「え、誰?」
この子は宮本和奏。
私の親友です!
星奈「それは秘密!」
和奏「えー」
私の好きな人・・・
それは、ずばり
元彼です!
振られたけどまだ好き、
よくある話です。
和奏「そういえば
バレンタインの日
空いてる?」
星奈「あ、そっか、
今年は日曜だもんね」
和奏「そう!
でさ、ディズニー
行かない?」
・*・―――・*・―――・*・
星奈「お待たせー」
和奏「お、来た来た!」
星奈「ごめんね、
テスト勉強してたら
遅くなっちゃって」
和奏「全然大丈夫だよー
ていうかテスト2週間前
きったの忘れた!
ごめんね、
誘っちゃって」
星奈「大丈夫だよー
まだ2週間前だしね」
和奏「そうだね!
じゃあ行こう!」
星奈「イエーイ!」
私達は電車に乗って
ディズニーに向かった。
・ ・ ・ ・ ・
星奈「着いたー!」
和奏「まず何乗る?」
星奈「うーん、
スプラッシュマウンテン
でも行くか!」
和奏「そだね!」
私達は
スプラッシュマウンテンに
行くことにした。
そしたら。
星奈「キャ!」
私は誰かに
ぶつかってしまった。
大晴空「あ、ごめんね」
星奈「こちらこそごめ、
え、ちょっと待って!
キャ!」
さっきぶつかった男の人を
追いかけようと思ったら
人混みにぶつかってしまった。
和奏「ちょっとあんた
大丈夫?」
星奈「うん、ごめん和奏」
和奏「私は別にいいけど」
あの匂い、確か・・・
和奏「じゃあ気を取り直して
スプラッシュマウンテンに
行くか!」
星奈「そうだね!」
私達はディズニーを
満喫した。
でも、私はずっと
あのことを考えていた。
あの香り、絶対に・・・
え!
またあの香り。
もしかして・・・
星奈「あの、
すいません!」
大晴空「なんだ?
って星奈!?」
星奈「やっぱり
大晴空だ・・・」
大晴空「ひ、久しぶりだな!
じゃあな!」
星奈「ちょっと待って!
久しぶりなんだから
少しは話そうよ!」
大晴空「でも俺急いでて・・・」
星奈「じゃあこれだけ
言わせて!
私は振られたけど、
まだ大晴空のこと
好きだから!」
大晴空「そのことだけどさ、
正直言って迷惑なんだよね、
1回別れてんだから」
星奈「でも、それが
私の気持ちだから!」
大晴空「その気持ちは
ありがたいけど、
俺もう彼女いるし、行こ」
そう言って大晴空は
行ってしまった。
でも、私は特に
落ち込んだりはしない。
大晴空に彼女がいたのは
知ってたから。
それでもまだ好き。
それが私の正直な
気持ちだから。
和奏「ねぇ、今の誰?
別れたとか
言ってたけど」
星奈「うん、私の
中学生時代の元彼」
和奏「そっか、
好きな人って
元彼のことだったんだね」
星奈「うん・・・」
和奏「ごめんね、
何回も好きな人
聞いちゃって」
星奈「大丈夫だよ!」
私達は重たい空気の中
家に帰った。
星奈「あ、大晴空が
Twitter更新してる」
私はそのことに
気がついて、
大晴空のTwitterを見た。
その内容は・・・
///////////////////////////
彼女とディズニー行ったら
元カノが話しかけてきて
まじ笑ったわwww
///////////////////////////
でも、これも想定内。
私、こんくらいで
へこたれない
性格なので!
よし!
私は気合を
入れ直した。
昨日考えた作戦1を
成功させるために・・・
星奈「和奏ごめん!
急用が出来たから
今日一緒に
帰れないんだよね」
和奏「大丈夫だよー」
星奈「ほんとにごめんね!
じゃあまた明日!」
そう言って
私は走り出した。
向かった先は・・・
星奈「はぁ、はぁ、はぁ」
私が走ってきた場所は
花杉高校。
そう、大晴空が通う
学校です!
私は少し待ってみる
ことにした。
そしたら、意外とすぐに
大晴空が来た。
大晴空「でさーって、
星奈・・・」
星奈「大晴空、
待ってたよ」
大晴空「何の用だ?」
星奈「あなたの彼女の名前は?」
大晴空「それを聞いて
どうする?」
星奈「あなたの彼女に
会いにいく」
大晴空「・・・田中南」
星奈「あら、意外とすぐに
教えてくれるのね」
大晴空「だって教えなくても
粘るだろ?」
星奈「まぁね」
大晴空はそのまま
友達と帰って行った。
私はこのまま田中南を
待つことにした。
しばらく待ってみたら、
田中南という名札をした
女の子が歩いてきた。
星奈「あのーすいません、
大晴空の彼女の南さんですか?」
南「は、はい・・・」
星奈「実は・・・」
*・*・・・*・・・*・*
星奈「ふぅー」
和奏「なんか今日の星奈
気合い入ってない?
なんかあったっけ?」
今日の私はポニーテールを
少し高くして、
スカートの丈を少しあげた。
だって、今日は
決戦の日だから・・・
星奈「実は今日さ、
元彼の彼女と
遊びに行くんだよね」
和奏「え、遊びに行くって
どういうこと!?」
星奈「遊びに行くっていうか、
戦ってくる? って
言った方がいいのかな」
和奏「戦うってもしかして、
元彼を奪い合う戦いするの?」
星奈「まぁそんな感じかな」
すると、和奏は私の肩を
ガッチリ掴んで
「絶対勝ってきてね」
と言ってくれた。
私は、「うん!」
と答えて、
気合いを入れ直した。
私はまた
花杉高校まで来た。
しばらく待っていると、
大晴空と南ちゃんが
やって来た。
大晴空「よし、
じゃあ行くか」
さすがに自分を取りあう
戦いとだけあって、
大晴空もいつになく
真剣な顔をしている。
星奈「そうだね」
私もそれに応えるように
真剣な顔をして言った。
最初の決戦の場は
カラオケ。
大晴空が歌が上手い子が
タイプってことがあって
ここにしたんだ。
得点が高い方が勝ち。
まずは私の番。
歌った曲は・・・
「香水」。
大晴空の香水の香りが
好きって言うこともあって
この曲にしたんだ。
私は香水を歌った。
得点は・・・
95点。
まぁまぁかな!
次は南ちゃんの番。
歌った曲は・・・
「Make you happy」
得点は・・・
91点。
やった、
私が勝った!
南「まぁでもまだ
次があるからね」
星奈「まぁね」
次の決戦の場所は
ラウンドワン。
大晴空が運動ができる子が
タイプってことで
ここにしたんだ。
やるスポーツは・・・
テニス!
でも、元から
この勝負は不利。
だって、南ちゃんは
4歳の頃からずっと
テニスをやってるから。
南「この勝負は
私の勝ちかな」
むぅ!
やっぱりイラつく!
でも私、
諦めない女ですから!
テニスの勝負が
始まった。
1セット目は負けた。
でも、2セット目は
持ち前の粘り強さで勝てた。
2セット先取だから、
あと1セットで決まる。
今は6‐4で負けてるけど、
それでも経験者に
ここまで行けたのは
すごいと思う。
次は南ちゃんのサーブ。
いきなり
左側に打ってきた。
私が左側が苦手だって
見抜かれたんだ・・・
でも、負けない!
私は頑張って
左側まで走った。
でも、取った瞬間に
足首を捻っちゃった。
やばい、今度は右側に
打ってくるつもりだ。
私はなんとか
体制を立て直して
右側まで走った。
でも、ギリギリ
届かなかった。
今は7‐4
それからもどんどん
南ちゃんがポイントを
取っていった。
でも、私を
走らせてばっか。
私が足首捻ったのを
知ってて
やってるよね?
なんて酷い女なの!
そのまま南が
マッチポイントまで
来てしまった。
でも、負けるもんか!
最初は右側。
なんとか取って、
次は左側。
私が左側に
行こうとした時、
大晴空「頑張れー!」
確かに聞こえた
大晴空の応援。
南ちゃんに
向けてかな?
でもタイミング的に
おかしいし、
もしかして私?
その応援もあってか、
私はなんとか
左側まで行って
取ることが出来た。
それに驚いたのか、
南ちゃんは取ることが
出来なかった。
よっしゃ!
次も右側。
で、その次は
左・・・
じゃない、右!?
やばい、てっきり
右だと思ってた!
そっか、私にさっきの技が
取られたから
あえて裏を狙ったんだ。
そのまま南が
1点取って
負けてしまった。
でも、まだ
最終勝負がある!
私達は最終勝負の
場所まで向かった。
最終勝負の場所。
それは、夜の海。
ここで私達女子は
大晴空に告白するんだ。
今の自分の思いを
全部ぶつけて、
勝った方が大晴空の
彼女になるってこと。
まずは私から。
星奈「私は1回大晴空に
ふられたけど、
それでもまだずっと好きで、
365日、1日も大晴空のことを
考えなかった日はありません!
そんくらい好きです、
付き合ってください!」
南「私は大晴空を
初めて見た時から
気になっていて、
それから話していくうちに
だんだん好きになってきました、
改めて言います、好きです、
付き合ってください!」
私達は
手を差し出した。
心臓の音が
大きく聞こえる。
大晴空が
手を握ったのは・・・
大晴空「お願いします!」
なんと私!
そのまま私達は
ハグをした。
星奈「え、なんで
私を選んでくれたの?」
大晴空「なんかこの3つの
勝負を通して
俺が好きなのは
星奈だなって
思ったからだよ」
星奈「やった、嬉しい!」
大晴空「俺も」
大晴空からは、
私が好きな
香水のいい匂いがした。
*end*
組橋 星奈
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