まっすぐなカレ

CAST葉山若奈

作者：みさすけ

2025.05.11

３学期の始業式。

２週間ぶりに会った
リョウの明るい笑顔をみて、
胸の奥がきゅんっと音をたてた。

メールもたくさんやり取りした。
ときどき電話もした。
でも――――

「やっぱこうして、
ちゃんと顔見るのが１番だなー！」

わたしの机まで来て、
心のなかを読んだみたいに、
リョウが言う。

ストレートすぎる言葉に
耳まで赤くなるのを感じた。

リョウは去年の冬になってから
つきあい始めたカレシ。

いつもみんなの真ん中にいる
元気な人気者タイプだけど、
わたしはわりと・・・ふつう。

「今日から部活あるけど、
見に来る？」

「うん」

「でも見るのはオレだけな。
ほかのヤツ見るの禁止な」

堂々と言うリョウに
まわりがドッとわらった。

みんなの注目をあびて、
わたしはますます赤くなる。

「リョウ・・・っ」

小さな声で抗議すると、
リョウは、なに？　って顔をした。

「大きな声で、“オレのだぞっ”って
アピっときたいんだけど。・・・ダメ？」

あたりまえみたいに言われて、
恥ずかしさに頭がくらくらする。

「アピる必要なんかかいから・・・っ」

ムキになるわたしに、リョウは
「あるって」って、
とびきりの笑顔を見せた。

「オレのカノジョは
こんなにかわいいんだから！」

＊ＥＮＤ＊