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色とりどり。

CAST葉山 若奈葉山 若奈

作者:うさぎ

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.06.11

今日も雨。





雨の日は嫌。





暗くて自分と
重ね合わせてしまうから。





葉山わかな。中3です。





完全なる地味女。





暗いし、口下手だし、
雨に似てる。





恋だってしたことないし、
したとしても
絶対に叶うはずなんてない。





「おはよー! わかな!」





「おはよ。りこ」





この子は、親友のりこ。





私とは、正反対な性格。





かわいいし、明るいし、
男女誰とでも
仲よくなれるし、
太陽みたいな女のコ。





りこがうらやましい。





「りこ。なんで私と
仲よくしてくれるの?」





「んー、わかなと
気があうからかな!」





「私なんか、地味なのに・・・?」





「わかな、かわいいよ?
なんでみんな気づかないのかなー?」





「えっ、いや
そんなことないよー」





「髪の毛、長くてきれいだし。
うつむいてるから
地味にみえるんだよー!
もっと前向かなきゃ!」





「それができたら
苦労しないんだよなー」





キーンコーン。





「あ! チャイムなった!
じゃ、またあとでね、わかな!」





「うん」

















・*。・ 放課後 ・。*・





あーあ、本当は、りこと一緒に
図書館行く予定だったのになー。





急に委員会の仕事が
入っちゃったんだって。





1人だと、余計地味にみえる・・・





下を向いて歩いていたら、





「きゃっ」





誰かとぶつかった。





もーなんで私って、
どんくさいんだろう。





「あっ、わり。だいじょうぶか?」





えっと、同じクラスの
今井ハルトくん?





男子とは話さないから
よくわかんないけど。





「こちらこそ、ごめんなさい」





私より背の高い
今井くんを見上げると、





あれ? 今井くん、
ちょっと顔赤い?





どうしたんだろう?





まぁ、いっか。





図書館に入ると、
本が高いところにあって
届かない・・・





あきらめようと思ったら、
今井くんがスッと
本をとってくれた。





「ありがとうございます・・・!」





なにこれ・・・?





ちょっとキュンときた!





どうしちゃったんだろう、私。

















・*。・ 次の日 ・。*・





「りこー!
私、おかしくなっちゃったぽい」





昨日の出来事を話した。





「わかな!
それは、恋だね!」





「えー、まさか私が?」





「ファイト! 応援する!
今日から変身大作戦だね!」





「えー!」

















*・*・・・・・*・・・・・*・*
 作戦1
 体育でいいところ見せ作戦
*・*・・・・・*・・・・・*・*





バスケの時間。





「わかな、パス!」





りこが協力して、
パスをくれる。





だけど、とれなかった。





しかも、自分の足につっかかって
転んで笑われて、大恥かいたし。





今井くんに、いいところ
見せらんなかったな。





それどころか、さらに
ドンくさアピールしちゃった・・・





「りこー! どーしよー!」





「よし!
次の作戦にいくよ!」

















*・*・・・・・*・・・・・*・*
 作戦2
 頭いい人アピール作戦
*・*・・・・・*・・・・・*・*





「いーい?
分かる問題があったら
手を挙げて答えるの!
がんばれ!」





「私にできるかな・・・」





「だいじょうぶ。
わかなならいける!」





数学の時間。





あっ!
この問題なら分かりそう。





がんばって手を挙げよ。





だけど、結果は・・・





間違ってた。





また、恥ずかしい思いしたよ。





帰ろうと、昇降口をでる。





今日も雨。





傘をさす。





もうやだ。





私なんて
変われるはずないし、





恋だって叶うはずなんて
ないんだ。





1人だと、涙があふれてくる。





思わず、その場にしゃがみこんだ。





そのとき、





「だいじょうぶ?」





上を見上げると、今井くんが
心配そうに私をみている。





「今日、1日、元気なかったし」





「・・・私、変わりたかったの。
でも、上手く出来なかった・・・」





「わかなちゃんは
そのままでいいと思うよ」





「えっ」





それに、いま、
名前で呼んでくれた・・・?





「ほら、ここに
たくさんの傘があるでしょ?
色とりどりの傘が。
ひとりひとりが違う色を持ってるんだ。
わかなちゃんには、わかなちゃんだけの
色を持ってるんだ。
だから、このままでいいんだよ」





うれしい。





ありのままの自分を
認めてもらえた。





「それに、俺はいままでの
わかなちゃんが好き・・・あっ」





やばいっという顔で
真っ赤になりながら、
服のそでで顔をおおった。





「うそ・・・
私も、今井くんのこと好きです」





「ハルトでいいよ」





「はい」





2人で真っ赤になりながら
うつむいていた。





私、幸せだな。





それから私は、梅雨や雨の日が
好きになりました。





大好きな人に
ありのままでいいって
言われたから。







*end*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

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