百聞は一見にしかず！

CAST泉有乃

作者：M

2025.03.15

「ごめん、あの、」

「!?
ひいいいいい
ごめんなさいっ」

「ちょっと、ユノ、
なんで逃げたの？」

「えー!?　イブキ、
知らない!?」

「いまの、安藤イルマでしょ、
あの、ケンカでクラスメイトを
病院送りした・・・」

「あーあの・・・
でもそれ、ウワサでしょ」

「火のないところに
煙は立たず！」

「あと、さっき私に
話しかけてきたとき
めっちゃにらんできてたじゃん・・・！」

「そーかな・・・」

「おはよ、泉さん」

「！　八神くん、
お、おはよ！」

「あのさ、放課後
話したいことがあるからさ・・・
ちょっと残ってくれる？」

「う、うん・・・！」

「イブキ、どうしよう！
八神くんに
話しかけられたんだけど！」

「話って・・・
もしや告白だったり」

「えー！
だったらどうしよう！」

「・・・ユノ、顔ニヤけてる」

・＊。・　放課後　・。＊・

「好きです、
つきあってください！」

（ええっ）

「は、はい・・・///」

それをこっそりと
のぞいていた女子、
星乃アンナ。

「なんで八神くんが
あんな女子と・・・
許さない」

「ってことで、つきあうことに
なりましたー！」

「えっユノ、八神くんのこと
好きだったっけ？」

「好きっていうか・・・
まぁイケメンで、やさしくて
守ってくれる系男子って、
うわさもいいし・・・」

「まーたうわさ（あきれ）」

・＊。・　デート中　・。＊・

「あの・・・！」

「はい？
って、ひいいいいい」

（安藤イルマ!?
しかもなんか
にらんできてるし！）

「や、八神くん、助け・・・
って、あれ？」

振り返った私が見たのは、
走って逃げていく
彼の背中。

（う、うそ！）

「これ・・・」

「よくわからないけど
とりあえずごめんなさい・・・
（震え）」

「これ・・・
前に、落としてたの・・・」

「え？　・・・ハンカチ？
わ、私のです」

「ええっと、これを・・・
届けにきてくれた・・・？」

「前・・・
渡そうとしたら・・・
なんか走っていったから」

（あれ？
なんかうわさと違う？）

・＊。・　学校　・。＊・

「ユノ！
なんか変なうわさが
出回ってるよ・・・！」

「おはよーイブキ。
ってなに、どんなうわさ？」

「ねぇ、あなた」

「あ、星乃さん。なに？」

「安藤イルマに、
昨日からまれたんだって？」

「あ、うん、でもそれは・・・」

「そのとき、八神くんをおいて
１人逃げたんでしょ？」

「ひどいよ。八神くんが
やさしいのにつけこんで、
あんな凶暴な人の前に
置いていくなんて・・・」

「えっ、そんなことしてな、」

「ほーんと、最低！」

「彼女だからって
いい気になるな！」

（ど・・・どういうこと!?）

「違う！
置いていったのは
八神くんだ！」

大きな声がした。

（安藤、イルマ・・・！）

「あっち、行っとこうぜ」

「ありがと・・・
助けてくれて」

「なんか・・・
思ってたより、
やさしいんだね」

「そうか？」

「ケンカでクラスメイトを
病院送りしたって・・・」

「ああ・・・それ、
不良に絡まれてるとこ助けて、
病院に連れていっただけ」

「俺、顔が怖いからか
昔から変にうわさを
流されるんだよね・・・」

「そうだったんだ・・・」

「・・・私も、すっかり
信じてたよ」

「なんか・・
安藤くんのこと、
もっと知りたくなった」

「そ、そうか？（照れ）」

・＊。・　数日後　・。＊・

私は、八神くんとは別れた。

そして。

「おはよー、イブキ」

「おはよう、ユノ」

「おはよう、イルマ！」

あいさつを交わすユノと
安藤イルマをみて、
イブキはニヤついていた。

（あの２人、
お似合いだよなー）

＊ｅｎｄ＊