nicola

キーワード検索

キューピッドはまさかの!?

CAST泉 有乃泉 有乃

作者:かりんとう

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.08.18

私は動物が大好きな中学2年生、
泉ユノ。





どしゃぶりの雨の日の帰り道、
私は通りがかった公園に、
段ボール箱が置いてあるのに気がついた。





中身を見ると・・・・





「クゥン、クゥン」





寂しげに鳴く、小さな犬がいた。





私にわからないはずもない。
シーズーだ。





「捨てられたんだね・・・・
かわいそうに」





思わずつぶやいた。





「あれ、泉?」





後ろから
聞き覚えのある声が聞こえ、
私は驚いた。





クラスの人気者、
小澤テルノスケだ。





「あれ、小澤くん」





「帰り道なんだ。
捨て犬か?」





私は、こくこくとうなずいた。





「本当は飼いたいけど、
お母さんが犬アレルギーなの」





「なら、俺が持ち帰っていい?」





小澤くんがさらっと言ったので、
私はびっくりした。





「い、いいの?」





「うち、みんな動物好きだから。
じゃあ」





小澤くんは段ボール箱ごと
持ち上げると、
自分の家の方へ歩いて行った。





「やさしいんだな・・・・」





私は胸に手を当てて
思わずつぶやいた。





「なあなあ、泉」





小澤くんに名前を呼ばれ、
私は振り向く。





「犬、見に来ないか?」





「え、いいの?」





「テル、何の話してるの?」





いつの間にか小澤くんの後ろに
星名ハルハがいて、
彼の肩をたたいていた。





小澤くんは犬のことを
話してしまった。





「え、ハルハも行く!
私、犬、大好きなんだよね。
ね、他の人も誘っていい?」





2人きりじゃなくなっちゃった、
とがっかりする自分に、
私は驚いていた。





結局、小澤くんの家には
5人ほどのクラスメイトが集まった。





これじゃあ、全然
小澤くんとも話せないし、
犬とも遊べない。





急に、クラスメイトの男子が
犬の頭をなでようとした。





「だめ!」





私は思わず叫んだ。





「急に、頭をなでると
犬はこわがっちゃうから・・・・
その、首から・・・・」





その男子は大して
気にしたふうもなく、
私の言うとおりにした。





「泉って、犬に詳しいのな」





小澤くんがほめてくれ、
私たちが話しこむのを
星名さんはじっと見ていた。





「ねえ、泉さん」





星名さんに呼ばれ、
私は立ちあがった。





嫌な予感がする。





「テルは、やさしいから
あなたと話してあげているだけなの!
きっと、本当はあなたなんかと
話したくなんかないのよ!
調子に乗らないで」





星名さんは
小澤くんが好きなのか。





でも・・・・





「私、小澤くんのことが好きだから。
ライバルだね、星名さん」





こんなに強くなれたのは
初めてだ。





私は驚く星名さんを残して、
戻っていった。





「お、小澤くん」





みんなが帰ったのを見計らい、
私は彼に声をかける。





「私、あなたのことが好きです。
みんなにやさしいあなたが」





「俺もそう思ってた。
動物にやさしい泉さんが好きだ」





ありがとうの気もちをこめて、
私は犬を見つめた。





*end*

※掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

Like

この物語に投票する

泉 有乃が主人公の物語が主人公の物語

NEWS!NEWS!

nicola TVnicola TV

物語募集

「ニコラ学園恋物語」では、ニコ読の
みんなが書いたニコモを主人公にした
オリジナルラブストーリーを大募集中!

応募する

主人公別 BACK NUMBER主人公別 BACK NUMBER

  • nicola TV
  • 新二コラ恋物語 恋愛小説を大募集!