nicola

キーワード検索

大切な人を失ってもひとはまた愛することができるのでしょうか。

CAST泉 有乃泉 有乃

作者:akira_uk

新二コラ学園恋物語新二コラ学園恋物語2025.11.25

大切な人を失っても
人はまた愛することができるのでしょうか。────





15の夏、私たちは確かに
あの場所にいた。





私はニコラ中高等学校に
在籍していた。





最高の仲間と
忘れることのできないあの出来事を
毎日のように私は思い出すようにしていた。





私は毎日外で遊んでたから、
家にいる時間はほとんどなかった。





時間があれば友達と公園でスケボーしたり、
冬になったら家の近くのスケート場に遊びに行き、
ついでに遊園地にも行くみたいな
幸せな毎日を送っていた。





しかし、私が唯一苦手だったことは
大勢の女子で帰ること。





放課後5、6人で帰りながら
みんなはそのまま家へ直行して
友達の家で遊んで外に出ようとしない。





別にいいんだけど、
私は絶対に外で水鉄砲したり
駄菓子屋いってカップラーメン食べて
何気ない会話で笑うことが
1番いいと思っている。





そういう理由で私は毎日
男子と遊んでいた。





輝之助「ゆの、
今日ニコラ公園行こうぜ」





ハルト「いいねー、俺なんか
アイスでも買ってくるよ!」





イルマ「今日暑くねぇ!!!!
無理無理・・・
なんなら、ユノん家行かね?
学校から30秒だろ?
みんなにも報告しないと
いけねーことあるし・・・」





ゆの「はぁ、イルマもきてよ。女子か!!
行こうよ、公園! ねっ?」





イルマ「やっ、遠慮しとく」





私の名前は、ゆの。中3。





毎日こんな感じで
わいわい遊んでいます。





もちろんイツメンは
今のアホな奴らと親友のわかな。





わかなは私が転校して
最初に話しかけてくれた子。





私と同じく外で遊ぶのが大好き。
私にとってはもったいないくらい、
いい子!!!笑笑





まぁ、こんな私にも
彼氏はいました。





安藤イルマ。





さっき公園行こうって言って
断ったアイツ・・・笑笑





こいつはこの頃
みんなと遊ぼうとしない。





その理由を聞いても
暑いの苦手とか言って
遊んでくれない。





デートもほとんど家で
2人でまったりするだけになった。





前は一緒に買い物、ジムとか
前なんて2人で湘南行ったんだよ!!





でも、それでも
2人でいる時間を
私たちは大事にした。





イルマは特に私といる時間を
たくさん作ってくれた。





そんなイルマは
私の自慢の彼氏。





これ以上にない
幸せだった。





まぁ公園に行くことを
面倒くさがっていたイルマは
顔色が悪かったから
イルマ以外の4人で公園に行くことにした。





報告しなきゃいけないこと??





まぁ明日聞けばいっか・・・





ピンポーン。





わかなはあの日、
お兄ちゃんの看病で
学校を休んでいた。





わかな「ウェーイ。ゆの!!
今日はどこ?」





ゆの「うっす。
あっニコラ公園だけど
お兄ちゃんは・・・だいじょうぶ?」





わかな「あのクズ、放っといたら
寝るから平気平気」





LET’S GO!





イルマは結局公園に
来なかった。





ちょっと心配だな・・・





あの日もいつも通り
夕方遅くまで遊んで
みんなで帰った。





毎日かけがえのない仲間と
こうして過ごせることは
ある意味奇跡だと思っている。





友情に終わりなど
ないと思っていた。





でも。





あの日を境に
私たちの関係は
バラバラになっていった。















* ――― * ――― *





次の日いつも通り私たちは
遅刻ギリギリで登校した。





イルマの姿がなかった。





いつもはこんなことよくあるけど、
あの時、嫌な予感がした私は
間違っていなかった。





学年主任並びに
中3各クラスの担任が
教室に入って来た。





嫌な予感しかしなかった。





主任「安藤が昨日・・・」





なんだよ、
そんな真剣な顔して。





言いたいことあるんだったら
早く言えや。そう思った。





主任「亡くなった」





真っ白だった。





頭が真っ白になって
何をすればいいのか
分からなかった。





みんなは、ざわつきはじめたが
私たち4人はただずっと下を向いて
死んだ理由も聞かず





ただそっとそこで
涙を必死にこらえていた。





なんでこんなことになった?





担任「原因不明の病気だったんだ。
昨日急に容態が急変したんだ」





ハルト「はっ? そんなの俺ら
イルマから聞いてねーし」





輝之助「どゆことだよ、先生。
冗談だろ」





担任「お前ら聞いてなかったのか・・・
あいつは暑いところとか
汗をかくと血流が悪くなって
倒れる可能性があるんだよ」





だからだ・・・





だから昨日来なかったんだ。





だから病気のこと
昨日相談しようとしたんだ。





だからデートはほとんど
家で過ごしたんだ。





だから昨日
顔色悪かったんだ。





どうして
私に相談してくれなかったの?





どうして
何も言わず消えるの?





どうして
そんなに演技上手いの。





徐々に計り知れない悲しみが
沸き上がってきて





涙がボロボロ
頬をつたっていった。





無性に自分に腹が立った。





なにもしてやれない。













・・*+∴・・・*+・・・*+∵・・・*∴





────今思えば、イルマが死んだと
知らされたあの日は
つきあって3年記念だった。





つきあいはじめのころは
授業が終わる度に
自動販売機までかけっこして
私の大好きなミルクティーを
買ってくれて。





授業の鐘が鳴るたびにお互いに
「やっべ・・・」とか言って
全力で教室に戻った。





楽しかった思い出しか
蘇ってこなかった。





わかな「ゆの・・・ゆの!!!
聞いてるぅーー???」





2年経った今、私たちは
高2になり、
わかなには彼氏ができた。





輝之助だった。





ハルトは違う高校に
進学してしまった。





でも、週に何回か会ってる。





はじめに言った通り
私たちはいつしか
バラバラになっていた。





でも私の心には
イルマしかいなかった。





ゆの「ねぇ、わかな。
イルマはどこに行ったのかな」





わかな「ゆの・・・
まだ15歳のままだね」





私の心は15歳で
止まったままだった。





それでいい。





それがいい。





大切な人を失っても
人はまた愛することが
できるのでしょうか。





はい。





私は今、ある人を愛している。





イルマ、
私はあなたを愛してる。







*END*

この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。

Like

この物語に投票する

泉 有乃が主人公の物語が主人公の物語

NEWS!NEWS!

nicola TVnicola TV

物語募集

「ニコラ学園恋物語」では、ニコ読の
みんなが書いたニコモを主人公にした
オリジナルラブストーリーを大募集中!

応募する

主人公別 BACK NUMBER主人公別 BACK NUMBER

  • nicola TV
  • 新二コラ恋物語 恋愛小説を大募集!