サッカー部の先輩に一目惚れって信じますか？

CAST榎本月海

作者：あーや

2024.05.22

「もー、
いつまでそこにいるの？
早く帰るよ！」

「あ・・・うん」

今日も、
あの人のことを見る時間は
少なかった。

でも、
ちょっとでも見れたのが
幸せだった。

最後にもう１回見てみると、
仲間たちに最高の笑顔を見せている
あの人がいた。

＊・・・＊・・・＊・・・＊・・・＊

私は、榎本ルミ。

可もなく不可もなく、
特に目立つこともしない
女子です。

今の私の楽しみは
ひとつだけ。

それはサッカー部の先輩を
眺めることでした。

名前もクラスも分からない。

とくに関わりもない。

でも私はその人に
一目惚れしてしまったんです。

・＊。・　１週間前　・。＊・

ルミ「やっちゃった・・・」

体育祭実行委員で
放課後、
居残りをしてた私は

体育祭で使うバトンを
いろんな方向に、遠くに
沢山ばらまいてしまいました。

ルミ「これ全部拾ってたら
何分かかるんだろう・・・」

気力を失いながら
拾う作業を始めました。

「あちゃー、
やっちゃったねｗ」

ルミ「え・・・？」

声がする方向を向くと、
そこにはサッカー部の
ユニフォームを着た
先輩が立っていました。

やば・・・
かっこいい・・・

先輩は黙々と
作業を手伝ってくれました。

「はい！　これで全部！」

ルミ「あっ・・・
ありがとうございます！」

先輩はピースしながら
満面の笑みでこう言った。

「どういたしまして!!」

汗が夕日でキラキラして
とても綺麗だった。

そのピースがかわいくて
固まってしまった。

「頑張ろうなっ！　体育祭!!」

ルミ「あ、はい!!」

私も満面の笑みで答えた。

そこから私は
先輩のことが気になって気になって
しょうがなかった。

部活でしか見ることはできなく、
放課後部活をしている先輩を
教室の窓から見るのが楽しかった。

＊・．＊・．＊・．＊・．＊・．＊・

そんなある日のこと――――

たまたまその日の日直で
職員室に向かっていた。

すると・・・

「あっ！」

この声・・・

「バトンの子！ｗ」

職員室の前で立っていたのは
その先輩だった。

制服姿だから
分からなかったけど、

顔を見て
すぐに分かった。

制服もかっこよかった。

「あうの久しぶりだね」

ルミ「ですね。
・・・覚えててくれたんですね」

「当たり前だよ！
鮮明に覚えてる!!」

それはそれで
恥ずかしいような・・・笑

「名前・・・なんていうの？」

ルミ「榎本ルミです」

「ルミちゃん！　よろしくね！
俺は安藤イルマ！」

安藤イルマ先輩・・・

ルミ「はい！
よろしくお願いします！
安藤先輩！」

うれしくてうれしくて
しかたがなかった。

イルマ「そーいや・・・
いつも放課後窓から
外見てるのって
ルミちゃん？」

ルミ「えっ、
あ・・・はい・・・」

うそ！
見てるのばれてたの!?

イルマ「やっぱか！ｗ
熱心に見てる子がいたから
好きな人でもいるのかなぁって
思ってみてた」

ルミ「そっ、そこまで
ばれてるんですか・・・!!」

イルマ「まじ？　当たり？」

ルミ「はい・・・あたりです！」

イルマ「それが俺だったら
うれしいなーなんて・・・」

ルミ「え？
どーゆうことですか？」

イルマ「実はさ、あの日から
ルミちゃんが気になって
しょうがなかった。
見てるのがルミちゃんって分かって
その放課後の時間が楽しかった」

うそ・・・でしょ？

イルマ「で、今日あうことができて
名前聞けてうれしかった。
名前もやっぱかわいいし」

ルミ「そんなっこと・・・
ないっ・・・です！」

イルマ「かわいい」

ルミ「うっ・・・」

イルマ「俺さ、ルミちゃんのこと
好きなんだよね。
ルミちゃんの気持ち聞いてもいい？」

そんなの答えは１つだよ。

ルミ「私も・・・
同じ気持ちです・・・」

イルマ「まじで・・・？
なにそれ。うれしすぎる!!」

一目惚れってあるんだね。

先輩、気づかせてくれて
ありがとう!!!

ルミ「これからも、サッカー
頑張ってくださいね笑」

イルマ「ル・・・ミに言われたら
頑張るしかないな・・・」

ルミ「いっ・・・いるまくん・・・////」

サッカー部の先輩に
一目惚れって信じますか？

その答えは・・・

信じる選択しかできない。

それだけです!!

～おわり～