かわいいっていってよ! 大好きな人!
作者:ゆっきん
「おりゃー!!!」
ドォーン!!
「キャー。さすがイブキ先輩!
カッコイイ~!」
イブキ「ふぅー」
オッス! 私は、イブキ!
男気あふれる女子です!
毎日女子にキャーキャー騒がれ、
告白も男子からではなく
女子からされて、
柔道や空手の助っ人に来いと言われ、
良い成績を残すと「入部して」と
お願いされる。
充実しているかと聞かれたら
充実はしているだろう。
でも、ひとつ足りない。
それは・・・
?「イーブキ!
今日もすごかったね!」
イブキ「さんきゅー。ユウリ」
この子は、親友のユウリ。
私の良き理解者。
?「さすが相沢。
男の中の男だな。
まじリスペクトっす!笑」
こいつは、リョウスケ。
イブキ「は? 男じゃねーし」
リョウスケ「うおっ!」
一発ケリをいれてやった。
イブキ「一応女子だっつーの」
リョウスケ「その力のどこが女子なんだよ。
女子っていうのは
橘みたいな人をいうんだよ!」
イブキ「うるせー」
リョウスケ「悔しいのか~? プププ」
イブキ「もう1回けられてーの?」
リョウスケ「はいはい。
すいませんでしたねーだ」
ム、ムカつくー!
イブキ「まじでなんなの?
アイツ!」
ユウリ「まぁまぁ。でもさ、
リョウスケくんモテるよね」
イブキ「あんなやつが?」
ユウリ「うん。
それにやさしいんだよ?」
ど、どこがー!?
イブキ「ユウリ、とうとう
おかしくなったか?」
ユウリ「はぁー。
いつ気がつくことやら・・・」
私に足りないものは『恋』。
恋をしたことが
1度もない。
・*。・ ある日 ・。*・
今日は、調理実習。
家庭科は大の苦手。
そして今は
お鍋の見張り中。
さっきまで具材を切ってたけど
できなくて、
「ニンジン洗ってきて」
と言われて洗ったけど、
力が強すぎて折っちゃうし、
それを見たリョウスケに
「本当に女子力ないな」
とバカにされ・・・
そんなことを考えてたら。
ユウリ「イブキ! お鍋が!」
イブキ「え?」
お鍋を見たら沸騰しすぎて
泡があふれて変な音をたてている。
イブキ「ヤバイ!」
急いで火を消した。
中身はもうぐちゃぐちゃだ。
イブキ「・・・ごめん」
ユウリ「しょうがないよ!
イブキは慣れてないんだし・・・
もう一品作るし・・・!
イブキはこのお鍋洗ってくれる?
焦らなくていいからさ」
イブキ「おう。ほんとごめん」
そうして鍋を持ち上げたら
とても熱かった。
イブキ「あっつ!!」
とっさに私は
お鍋をはなしてしまった。
ヤバイ。
足に直で落ちる!
もうダメだと思って
目をぎゅっとつぶって
怯えてたら・・・
ガシャン!
音はしたけど
足はちっとも痛くない。
目を開けてみると。
「キャー!
リョウスケくんが!」
え?
リョウスケがなに?
イブキ「うそだろ・・・」
リョウスケがお鍋を
突き飛ばしてくれてたらしい。
そのせいでリョウスケの
手のひらは真っ赤だ。
イブキ「リョウスケ! わりぃ!」
リョウスケ「いーよ。
相沢が無事でよかったよ」
イブキ「でも・・・!」
リョウスケ「じゃあ、保健室まで送って」
イブキ「わかった」
・*。・ 保健室 ・。*・
リョウスケ「あれー?
先生いねーじゃん」
イブキ「ほんとにわりぃ」
リョウスケ「もういいってんだろ」
そういって
でこぴんをしてきた。
リョウスケ「俺はイブキが
無事だっただけでいいの!」
イブキ「おう・・・」
コイツ案外、いいやつじゃん。
ドキッ。
どうした? 私。
もしかして・・・
これが恋?
私はリョウスケに
恋をしたのか?
リョウスケ「よし。戻るか」
イブキ「おい」
リョウスケ「なに?」
イブキ「リョウスケって
好きな人いるの?」
気づいたらこんなことを
口にしていた。
リョウスケ「・・・・・」
イブキ「わりぃ。
私、なに聞いて・・・」
リョウスケ「いるよ」
私の言葉をさえぎって
リョウスケは言った。
イブキ「え? どんな人?」
リョウスケ「かわいいやつ。
もういいだろ? 行くぞ」
かわいいやつって
ユウリとかのことかな。
恋って気づいた瞬間に
失恋か・・・
ん?
イブキ「えっ!」
リョウスケ「お前、歩くの遅すぎ」
リョウスケに
腕をひかれていた。
こんなことされたら
期待しちまうじゃん。
・*。・ 翌日 ・。*・
イブキ「ユウリ。
私、リョウスケを好きになった」
ユウリ「ほんとに!? よかったー」
イブキ「え?」
ユウリ「いや。なんでもない!」
イブキ「でもね、
リョウスケの好きな人って
かわいい子なんだって。
私じゃダメだよ」
ユウリ「そうだね。
ダメって決めつけてるイブキには
無理だね」
イブキ「え?」
ユウリ「イブキは
どうするべきだと思う?」
イブキ「私は・・・
かわいくなりたい!」
ユウリ「よし! よく言った!
さすが私の親友!」
イブキ「へへへっ」
ユウリ「まずはしゃべり方だよ。
男っぽすぎる」
イブキ「え。まじかよ」
ユウリ「ほら! 今のとかさ」
イブキ「なるほど」
ユウリ「髪の毛は適当に
1本に結ぶんじゃなくて
かわいくする!
1本にするとしても高めにして
ポニーテールにするとか!」
イブキ「ほーほー」
ユウリ「あと! 休日の私服、
ジャージ禁止!」
イブキ「えー!」
ユウリ「かわいくなりたいんでしょ!」
イブキ「はい!」
ユウリ「あとは、気もちしだいだよ」
イブキ「わかった。ありがとう!」
ユウリ「スマイルも大切にね」
イブキ「うん!」
・*。・ 数日後 ・。*・
ユウリ「今日だね。告白」
イブキ「うん・・・」
ユウリ「イブキ!
あんたはかわいくなった!
自信もって!」
そう。
ユウリのおかげで
私はかわいくなれた。
次の日から、ツインテールにして
言葉づかいをなおして
普段からスマイルでいるようにしたら
みんなに「だれ?」
なんて言われるようになったの。
全部ユウリのおかげ。
そして今日
私は思いを伝える。
イブキ「ユウリ。行ってくるね!」
ユウリ「イブキ!
スマイルだよ!」
・*。・ 屋上 ・。*・
リョウスケは、まだ来てない。
今日は、髪の毛はおろしてる。
ガチャっ。
ドアがあいた。
振り向くと
私の大好きな人。
リョウスケ「後ろ姿だけみてたら
違うやつかと思った」
イブキ「私、変わったでしょ?」
リョウスケ「めっちゃ変わった。
さっきなんて髪の毛が
風でなびいてて・・・
かわいかった」
イブキ「今かわいいって・・・」
リョウスケ「だってお前、もともとかわいいし」
イブキ「え?」
リョウスケ「それはおいといて、話って?」
イブキ「わわわわ、私ね!
リョウスケのことが好き!」
リョウスケ「なにを言い出すのかと
思えば・・・プププ」
イブキ「笑わないでよ!」
リョウスケ「かわいいなって」
イブキ「え?」
リョウスケ「お前、気づけよ。
お前が変わる前からずっと
イブキが好きだよ」
イブキ「うそ・・・」
リョウスケ「うん。
で、どーしたいの?」
イブキ「つきあってください!」
リョウスケ「あたりめーだろ!」
リョウスケは
私の腕を引っ張って
私を包みこんだ。
リョウスケ「ねぇ?
さりげなくイブキってよんだの
気づいた?」
イブキ「うん。うれしかった」
リョウスケ「大好きだよ」
イブキ「私も・・・!」
私は大好きな人に
「かわいい」って言ってほしくて
変わろうと思えた。
今でもスポーツは続けている。
リョウスケの彼女も続けている・・・
*おわり*
この作品は過去に投稿された作品をアレンジしたものです。また、掲載されている物語はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
相沢 伊吹

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